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プラネックス、今後の製品展開などに関する内覧会を開催

2002年09月13日 23時38分更新

文● 編集部 内田泰仁

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プラネックスコミュニケーションズ(株)は12日、2002年第3四半期以降の製品展開や新サービスに関する内覧会を開催した。この日は、すでに発表・発売されているコンシューマー~エンタープライズ向けの各製品、近日発表予定の製品の展示やデモンストレーション、今後の事業展開に関連するプレゼンテーション、さらにエンタープライズ向けの新保守サービスの記者発表が行なわれた。

IEEE802.11aおよびb両対応の無線LANアクセスポイントこちらはブロードバンドルーターの次期製品『BRL-04FM』と『BLW-04FM』。写真ではややわかりにくいが、従来のブルーを基調とした筐体からシルバーを基調とした筐体へとイメージも一新されている。MIPS系の32bitチップ搭載で、BLW-04FMはIEEE802.11bの無線LANに対応同じくブロードバンドルーター『BLV-04D』。MIPS32bitチップ搭載は左の2機種と同じだが、こちらはVPNゲートウェイ機能まで装備したコンシューマー向けとしては高性能な製品。「従来のブロードバンドルーターに比べると価格はやや高くなるが、その分性能は抜きん出ている」とのこと
参考展示されていた近日登場予定の製品

プラネックス・タイワンのケニー・タン氏。久保田プラネックス社長によると、プラネックスのエンタープライズ向け製品の低価格化には、アライドテレシスやアクトンテクノロジーズに在籍した経歴を持つタン氏によるところが大きいとのこと
プレゼンテーションの冒頭では、プラネックスコミュニケーションズ・タイワンのマネージングディレクター、ケニー・タン氏から、'70年代以降のネットワーク動向と今後のネットワーク利用や技術の予測などが説明された。年代を追うごとに、コンピューターの小型化と高性能化が進み、それに合わせてネットワーク環境は、高速化と長距離化、1ヵ所の故障からシステム全体が利用不可能になってしまう“シングルポイント障害”の危険のある集中型システムから分散方式による接続環境が確立してきたことなどを説明。さらに、2000年以降の技術的トピックとして、

  • ますます進むコンピューターの小型・高速化
  • 単一の物理媒体で異なる内容の通信が可能になった(例:電話線1本で音声通話とデータ通信を共用、1本の光ファイバーケーブルで双方向通信が可能)
  • アプリケーションごとに物理的設定を仮想的に変更可能になった
  • ワイヤレス通信技術のビジネス利用が実現

などを挙げている。さらに、ビデオオンデマンドによる自宅での映画鑑賞やショッピング、在宅勤務やゲーム配信といった家庭でのネットワーク利用の将来像を例に挙げ、ユーザーが求めるネットワーク利用の形態・環境は、

  • グローバル(全世界規模でアクセス可能)
  • モバイル(持ち運びやすい)
  • 地理的制限を受けない通信

の3点であることを強調。今後の技術開発や製品展開のポイントは、物理的な接続ロケーションを気にする必要のなくなるワイヤレス技術や各地のデータセンターへのリアルタイムアクセス性の向上、データだけでなく音声もデータ通信上で扱う技術の強化(VoIPの進化、たとえばポータブル化など)、情報の保護と不正侵入の阻止、などであると述べた。

技術部の池田正治氏
続いては、技術部部長代行の池田正治氏による具体的な製品展開についての説明が行なわれた。この中では、コンシューマー向けのブロードバンドルーターや無線LAN関連製品から、企業やバックボーン回線向けの高性能レイヤー3/4ルーターや(株)オン・ザ・エッジとの技術提携で開発するネットワークアプライアンスサーバー(※1)などのエンタープライズネットワーク製品に至るまで、プラネックスが携わっている幅広いネットワーク関連製品が紹介紹介された。

※1 投入計画の“第1フェーズ”として、ファイアーウォール+VPN『DH-FW-1』、ロードバランサー『DH-LB-1』、キャッシュサーバー『DH-CC-1』、監視サーバー『DH-W-1』が10月ごろ、“第2フェーズ”として、オールインワンサーバー『DH-ALL-1』、侵入探知装置『DH-IDS-1』、ウィルススキャナー『DH-MGW-1』を12月ごろとそれぞれ予定しているとのことだ。



プラネックスのネットワーク製品群の概要。家庭/SOHO向け製品から“MAN(Metroporitan Area Network)”と呼ばれる上流回線に至るまで、さまざまな製品を展開中
質疑応答の中で氏は、無線LAN製品の今後の展開に関連し、急速な普及に伴って電波の混信の恐れも高まってきている点を指摘。従来の製品では「強い電波でなるべく遠くに速く飛ばす」ことを重視して開発してきているが、今後は、場合によっては電波の出力を下げて電波の届く半径を狭めるなどの工夫や方向性も考えられるとも述べた。



“iサポート”の発表を行なうプラネックスコミュニケーションズ代表取締役社長、久保田克昭氏
プレゼンテーション後、プラネックスと(株)アルゴ21が業務提携し、新しいオンサイト保守サービス“iサポート”を提供することが発表された。本サービスは、“インストール”“センドバック”“オンサイト”からなる“スポット”サポート、“デリバリー”“オンサイト”の“年間契約”、そしてエンタープライズ向けインテリジェントスイッチ製品『iBrain』シリーズに標準で付加されるオンサイト保守サービス“ビルトイン”から構成される。保守サービスの対象地域は日本国内全都道府県(一部離島・遠隔地を除く)で、このサービスの実働部分を全国にサービス網を持つアルゴ21が担当する。プラネックス代表取締役社長の久保田克昭氏は、製品の大幅な低価格化に加えて、サポート面の強化も行なうことで、エンタープライズ分野でのシェアを現在の2倍を目標に拡販を進めたいとしている。



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