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RSAセキュリティ、ウェブアクセス管理市場に参入

2002年09月10日 16時49分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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RSAセキュリティ(株)は10日、セキュアなウェブコンピューティングを強化するための新戦略“Trusted Identity & Access Management”(信頼あるアイデンティティおよびアクセス管理)を発表、その第1弾として日本国内のウェブアクセス管理市場へ新規参入することを明らかにした。

コビエロCEO
米RSAセキュリティ社CEO兼プレジデントのArthur W. Coviello(アート・コビエロ)氏

“Trusted Identity & Access Management”戦略は、EtoE(Enterprise to Enterprise)における企業情報ポータル(EIP)や、BtoB、BtoCで展開されるウェブサービスにおいて、ユーザー認証や各種情報の保護、アクセス管理までをトータルに展開し、安全かつ信頼のあるウェブコンピューティングの実現を目指すもの。

同社は、同戦略の第1弾として、ウェブアクセス管理ツール『RSA ClearTrust(アールエスエー・クリアトラスト) 5.0』日本語版を2002年第4四半期に発売する。同製品は、ウェブサイトにおけるシングルサインオンや、ユーザーごとのアクセス権限を管理するためのもの。

ClearTrustをウェブサーバーに導入すると、任意のユーザーがウェブにアクセスするたびに、ClearTrustエージェントがそのユーザーのアクセス権限をClearTrustオーソライゼーションサーバーに問い合わせ、サーバーが承認後にアクセス権をエージェントに渡す仕組みとなっている。管理者はエンタイトルメントサーバー(管理サーバー)により各ユーザーのアクセス権限を管理できる。

“Webシングル・サインオン”は、1度の認証で、複数のサイトや、ドメインにまたがって展開されているサイトのアクセスを許可する機能。“SmartRules(スマートルール)”は、ウェブへのアクセス権限やユーザー権限に関するポリシーを、ユーザー属性に基づいて定義する機能で、企業内の役職や部署、プロジェクト単位で権限を定義することが可能。

またClearTrustは、ユーザー認証において、パスワードのほか、デジタル証明書、スマートカード、バイオメトリクスなどに対応しており、ユーザーごとにセキュリティーレベルの異なるユーザー認証を適応できる。さらに、大企業向けに部署などのグループ単位でユーザー管理を委任する分散型ユーザー管理も可能。

対応OSはSolaris 2.6/8、およびWindows 2000/NT4.0。価格や発売日など詳細については後日正式に発表するとしている。

本日都内で行なわれた発表会で、米RSAセキュリティ社CEO兼プレジデントのArthur W. Coviello(アート・コビエロ)氏は、“Trusted Identity & Access Management”戦略について「われわれのミッションは人、デバイス、トランザクションの認証を行なうこと。具体的にはウェブアプリケーションやウェブサービス上で信頼できるアイデンティティーを保証し、ユーザー認証を提供する。このセキュリティー技術は、人や企業を保護するだけでなくウェブビジネスを可能にするもの。e-ビジネスソリューションは、アイデンティティーとアクセス管理を組み合わせたものでなくてはならない。本人認証によりユーザーの身元確認を行なうだけでなく、そのユーザーにどのような権限を付加するかということも重要」

「アプリケーションがウェブベースになると、クロスドメインや、ドメインから別のドメインへ人物のアイデンティティーやアクセス権を移行できなければならない。あちこちのウェブページにアクセスするたびに異なったID/パスワードを入力しなければならないのは不便。ドメイン間でアイデンティティーやアクセス権を移行できれば、プロセスがシンプルになり管理も楽になる。われわれは信頼できるアイデンティティーとアクセス管理において事業を展開する」と語った。

また、他社製品との違いについて、RSAセキュリティ代表取締役社長の山野修氏は、「われわれは元々セキュリティーベンダーであり、すでにウェブアクセス管理ツールを提供している他社と比べ、セキュリティーにおいてかなり強力な機能を製品に施している。また、ツールの使い勝手も重要視しており、UIもはるかに優れている。われわれはアクセス管理だけのツールではなく、他の暗号認証技術を組み合わせたてトータルな展開を行なう。セキュリティーベンダーが満を持してこの分野に入ってきたと考えてもらいたい」としている。

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