セルフタイマは自分撮りのためだけではない
セルフタイマと言えば、記念写真を撮るときにシャッターボタンを押してから、並んだ友人や家族の隣に急いで走るというのが一般的な認識だろう。最近のコンパクト銀塩カメラやデジタルカメラには小さなリモコンが付属するものもあるので、風景を背にしたままシャッターを切るのも簡単になった。ところが、セルフタイマはセルフポートレートを撮るためだけのものでない。レリーズの代わりに使うことができるのだ。
風景写真や旅行の集合写真を撮るカメラマンが、カメラから伸ばしたケーブルのスイッチでシャッターを切っているのを見たことがあると思う。これは「レリーズ」(※1)と呼ばれるもので、カメラから離れたスイッチでシャッターを切れるようにするものだ。カメラをしっかりと三脚にセットした場合でも、シャッターボタンを押す動きそのものがカメラをわずかに押してしまう。レリーズを使えばそのぶれを最小限に抑えることができるわけだ。
デジタルカメラの場合、かなりの高級機でないとシャッター用端子(レリーズ端子)が装備されていない。しかし、セルフタイマ機能ならほとんどの製品に搭載されている。セルフタイマで撮るのならば、シャッターボタンを押す瞬間と撮影される瞬間は時間が開いているため、カメラが揺れて画像がぶれることもない。
夜景や超望遠撮影など、少しでもカメラが動いてしまうとぶれてしまうような状況では、カメラを握ってシャッター押すのではなく、セルフタイマで撮影しよう。また、三脚が必須な夜景や超望遠だけでなく、薄暗い状況で三脚が使えない際には、カメラを手持ちのままでもセルフタイマを使ってみよう。シャッターを押す動作がないだけで、カメラをしっかりと持てばスローシャッターでも意外なほど手ぶれを抑えることが可能だ。ともかく、ちょっとでも手ぶれが心配ならば、セルフタイマで撮影しよう。
一部の機種に限定されるが、デジタルカメラの中にはセルフタイマの作動時間が10秒と2秒で切り替えられるものがある。大抵のカメラのセルフタイマの動作時間は約10秒なのだが、レリーズ代わりに使うと撮影ごとに10秒間待つというものじれったい。2秒セルフタイマというのは、このレリーズ代わりに使うことが前提となっている機能なのだ。