このページの本文へ

サン、データ管理構想“Storage ONE”に基づくストレージ管理ソフトを発表

2002年08月27日 22時43分更新

文● 編集部 佐々木千之

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

サン・マイクロシステムズ(株)は27日、都内で記者発表会を開催し、データ管理サービス構想“Storage ONE(ストレージワン)”と、Storage ONE戦略に基づくストレージ管理ソフトウェア『Sun StorEdge(ストアエッジ) Availability Suite 3.1』『Sun StorEdge Utilization Suite 4.0』など4製品を発表した。

データはネットワークサービスの中核的な存在になった

発表会では製品・サービス事業統括本部ストレージ製品事業部専任部長の田尻誠之氏と製品・サービス事業統括本部ストレージ製品事業部部長の纐纈昌嗣氏がStorage ONEとソフトウェア群について説明した。

製品・サービス事業統括本部ストレージ製品事業部部長の纐纈昌嗣氏
製品・サービス事業統括本部ストレージ製品事業部部長の纐纈(こうけつ)昌嗣氏

サンによると、かつてストレージはサーバーの従属物であり一時的なデータ保管場所にすぎなかったが、今ではサーバーから独立してストレージ独自のネットワークを持つなどネットワーク上のサービスにおける中核的な存在になった。「'90年代の後半からは、サーバー中心からデータ中心の世界に変わった」(田尻氏)という。

製品・サービス事業統括本部ストレージ製品事業部専任部長の田尻誠之氏製品・サービス事業統括本部ストレージ製品事業部専任部長の田尻誠之氏
田尻氏が示したストレージの変遷
田尻氏が示したストレージの変遷

纐纈氏は「“データ”の観点から見て初めて、トータルなシステムができる。Sun ONE(※1)や.NETはあくまでも“プログラム”の観点でから見たネットワークでしかない。データの観点から見たネットワークはどういうものかを考えたのがStorage ONEだ」という。纐纈氏は、ストレージの専業ベンダーが提供しているデータの災害復旧システムが、それぞれの会社のストレージ製品でしか動作しないことを指摘し、「サンはオープンで統合可能なデータマネージメントソリューションを提供する」と述べ、異なったメーカーの異なった機種が混在するようなストレージシステムにおいても統合管理が可能な仕組みを用意するとした。

※1 Sun ONE(Open Net Environment):サンが提唱しているウェブベースのネットワークサービス構想。JavaやXML、SOAPといったインターネットスタンダード技術を使い、インターネット上の情報を、さまざまな端末から誰でもが利用できるようにするサービスを実現するための製品やアーキテクチャー、ビジョンなどの総称。

Storage ONEを構成するStorEdgeソフトウェア群

今回サンが発表したソフトは、『Sun StorEdge Availability Suite 3.1』『Sun StorEdge Performance Suite 4.0』『Sun StorEdge Utilization Suite 4.0』『Sun StorEdge Enterprise Storage Manager 1.0』の4製品。

Sun StorEdge Availability Suite 3.1は、システムデータのスナップショットを自動的に作成し、遠隔地に複製データを高速に作成できるソフトウェア。8月下旬に出荷開始予定で、データ容量1TBまでの最小構成価格は182万7000円。

Sun StorEdge Performance Suite 4.0は、マルチメディアデータ配信などで必要なストリーミングデータへのネットワーク環境下での並列アクセスを高速に行なうファイルシステムで、従来のNFS(Network File System)の2倍のアクセス性能を持つとしている。9月中旬に出荷開始予定で、最小構成価格は147万円。

Sun StorEdge Utilization Suite 4.0は、ストレージシステムにおけるデータアクセス頻度や用途に応じて、HDDやテープなどアクセス速度や保存性の異なるメディアの選択を自動的に行なう管理ソフトウェア。9月中旬に出荷開始予定で、データ容量2TBまでの最小構成価格は453万円。

『Sun StorEdge Enterprise Storage Manager 1.0』の画面
『Sun StorEdge Enterprise Storage Manager 1.0』の画面

Sun StorEdge Enterprise Storage Manager 1.0は、ネットワーク上のストレージシステム全体をGUIベースのコンソール画面を使って一元管理するソフトウェア。Javaを使ったストレージデバイス管理のためのオープンなインターフェース技術である“Bluefin(ブルーフィン)”を採用し、ストレージデバイスの自動認識、コンフィギュレーション、監視などが可能。10月中旬に出荷開始予定で、データ容量1TBまでの最小構成価格は300万円。

『Sun StorEdge Enterprise Storage Manager(ESM) 1.0』では、オープンなストレージ管理インターフェースである“Bluefin”を採用している
『Sun StorEdge Enterprise Storage Manager(ESM) 1.0』では、オープンなストレージ管理インターフェースである“Bluefin”を採用している

なお、これらのソフトウェアはSolaris 8またはSolaris 9上で動作(Availability SuiteのみSolaris 2.6、Solaris 7でも動作)する。

この4つのほかに、システム管理者向けのストレージリソース管理ツール『Sun StorEdge Resource Manager』を発表予定ということも明らかにしたが、発表時期や価格、機能など詳細については触れなかった。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン