マイクロソフト(株)は22日、グループ向け情報共有ウェブサイト構築ツール『Microsoft GroupBoard Verson 2.0 Powered by SharePoint Team Services』日本語版を発表した。本日より同社ウェブサイトから無償ダウンロード可能。
『Microsoft GroupBoard Verson 2.0 Powered by SharePoint Team Services』日本語版のトップページ画面 |
GroupBoard 2.0は、Office XPに搭載されている情報共有ウェブサイト構築ツール『SharePoint Team Service』のテクノロジーを基盤とした日本市場向けの独自開発製品。従来のGroupBoard 1.xは、Exchange 2000 Serverをベースとしたウェブグループウェアであったため、Exchange 2000 Serverをインストールした環境でないと利用できなかったが、GroupBoard 2.0はSharePoint Team Services上で稼動するため、Exchange 2000 Serverを個別に立てる必要がなく、Windows 2000 Server上にGroupBoard 2.0をインストールするだけですぐに利用できる。なお、GroupBoard 1.xとGroupBoard 2.0は開発環境およびアーキテクチャーが異なるため、GroupBoard 1.xからのアップグレードおよび移行はできない。
GroupBoardの製品ロードマップ。従来のShare Point Team ServicesとGroupBoardを融合させたのがGroupBoard 2.0 |
GroupBoard 2.0は、企業内の部門/グループ単位での利用を想定しており、1サイトでの利用想定人数は20~30名程度。一方、既存の企業ポータル構築ソフト『SharePoint Portal Server 2001』は、全社規模で企業内情報の共有/検索/作成を行なうためのもので、企業内に存在する部門/グループごとのGroupBoard 2.0上の情報を統合的に検索できる。なお、GroupBoard 2.0のデータストアをSQL Server 2000に移行することで、GroupBoard 2.0で扱えるユーザー数やデータ容量を増やすことも可能。
GroupBoard 2.0の企業内での導入例 |
GroupBoard 2.0のインターネットを利用した導入例。インターネットを経由して、企業間や、遠隔地の事業所間でも情報を共有できる |
GroupBoard 2.0の基本機能としては、SharePoint Team Servicesに搭載されている“お知らせ”“連絡先”“社内アドレス帳”“ディスカッション掲示板”“共有ドキュメント”“TO DO”といった機能のインターフェースを変更して使い勝手をよくしたほか、あらかじめ登録されているメンバーの在席情報を確認できる“行き先掲示板”、施設の利用予約や予約状況の確認を行なえる“施設予約”、グループの予定を作成/管理できる“グループスケジュール”が追加された。
グループスケジュールの画面 |
また、Office XPと連携し、Excelの表をインポートしたり、GroupBoard 2.0上のデータをExcelにエクスポートしたりできる。Outlookの連絡先や予定表のデータを連携させたり、Office XPで作成したドキュメントをGroupBoard 2.0上に直接保存することも可能。
Office XPとの連携画面。Wordで作成したドキュメントをGroupBoard 2.0上に直接保存できる |
さらに、インストールしたGroupBoard 2.0を親ウェブサイトとし、その下に子供のサイト“サブWeb”を構築できる。例えば、営業本部の親サイトを構築した後、営業1課、2課等のサブWebを構築することが可能。サブWebは複数の階層で構築でき、階層の制限はデータベース容量に依存するという。
また、Exchange 2000 Serverと連携することで利用できる“GroupBoard 2.0 メール拡張”機能もサンプル提供される。Outlook Web Access機能を利用してExchange 2000 Server上の情報をGroupBoard 2.0上に表示することが可能で、電子メールを送受信したり、グローバルアドレス一覧から社内の連絡先情報をコピーしたりできる。さらに、Exchange 2000 Serverのスケジュール機能と連携してグループのスケジュールを管理する“グループスケジュール”、回覧板を作成してグループのメンバーに送信できる“回覧板”といった機能も利用できる。なお、これらのメール拡張機能はサンプル提供のため、サポート対象外となる。
Exchange 2000 Serverと組み合わせるとメール拡張機能を利用できる |
必要システムは、サーバー側がWindows 2000 Server(Service Pack 3以上)およびIIS 5.0以上。データベースは、Microsoft Data Engine(MSDE)またはSQL Server 7.0以降を利用でき、SQL Serverがない場合は、MSDEが自動的にインストールされるようになっている。クライアント側の対応OSはWindows 98/Me/2000/NT4.0/XP。対応ブラウザーはInternet Explorer 5.01 SP2以上。
また、GroupBorad 2.0自体は無償だが、SharePoint Team Servicesアーキテクチャーを採用しているため、利用にあたってはいくつかのライセンスが必要となる。サーバー側は、Windows 2000 Serverと、FrontPage 2002またはそれを含むOffice XPのライセンスが必要。さらにデータベースにSQL Serverを使用する場合はSQL Serverライセンスが、GroupBoard 2.0 メール拡張機能を使用する場合はExchange 2000 Serverライセンスがそれぞれ必要となる。
クライアント側は、Windows 2000 Server クライアントアクセスライセンスが必要。また、Office XPとの連係機能を使用する場合はOffice XPライセンスが、データベースにSQL Serverを使用する場合はSQL Serverライセンスが、GroupBoard 2.0 メール拡張機能を使用する場合はExchange 2000 Serverクライアントアクセスライセンスがそれぞれ必要となる。
なお同社は、GroupBoard 2.0の無償ダウンロード提供を開始すると同時に、GroupBoard 2.0を収録したCD-ROMおよび使い方ガイドをセットにした『GroupBoard 2.0 30日間 トライアルキット』を先着1万名に無償送付するキャンペーンを実施するという。
オフィス製品部部長の横井伸好氏。「Office XPへの付加価値として提供すると共に、サーバー製品の拡販ツールとしての意味合いもある。Exchange 2000 Serverと分けてることで敷居を低くした。より多くのユーザーに利用してもらいたい」 |