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マイクロソフト、グループ向けの情報共有ウェブサイト構築ツールを無償提供

2002年08月22日 19時13分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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マイクロソフト(株)は22日、グループ向け情報共有ウェブサイト構築ツール『Microsoft GroupBoard Verson 2.0 Powered by SharePoint Team Services』日本語版を発表した。本日より同社ウェブサイトから無償ダウンロード可能。

トップページ
『Microsoft GroupBoard Verson 2.0 Powered by SharePoint Team Services』日本語版のトップページ画面

GroupBoard 2.0は、Office XPに搭載されている情報共有ウェブサイト構築ツール『SharePoint Team Service』のテクノロジーを基盤とした日本市場向けの独自開発製品。従来のGroupBoard 1.xは、Exchange 2000 Serverをベースとしたウェブグループウェアであったため、Exchange 2000 Serverをインストールした環境でないと利用できなかったが、GroupBoard 2.0はSharePoint Team Services上で稼動するため、Exchange 2000 Serverを個別に立てる必要がなく、Windows 2000 Server上にGroupBoard 2.0をインストールするだけですぐに利用できる。なお、GroupBoard 1.xとGroupBoard 2.0は開発環境およびアーキテクチャーが異なるため、GroupBoard 1.xからのアップグレードおよび移行はできない。

ロードマップ
GroupBoardの製品ロードマップ。従来のShare Point Team ServicesとGroupBoardを融合させたのがGroupBoard 2.0

GroupBoard 2.0は、企業内の部門/グループ単位での利用を想定しており、1サイトでの利用想定人数は20~30名程度。一方、既存の企業ポータル構築ソフト『SharePoint Portal Server 2001』は、全社規模で企業内情報の共有/検索/作成を行なうためのもので、企業内に存在する部門/グループごとのGroupBoard 2.0上の情報を統合的に検索できる。なお、GroupBoard 2.0のデータストアをSQL Server 2000に移行することで、GroupBoard 2.0で扱えるユーザー数やデータ容量を増やすことも可能。

企業内導入
GroupBoard 2.0の企業内での導入例
企業間導入
GroupBoard 2.0のインターネットを利用した導入例。インターネットを経由して、企業間や、遠隔地の事業所間でも情報を共有できる

GroupBoard 2.0の基本機能としては、SharePoint Team Servicesに搭載されている“お知らせ”“連絡先”“社内アドレス帳”“ディスカッション掲示板”“共有ドキュメント”“TO DO”といった機能のインターフェースを変更して使い勝手をよくしたほか、あらかじめ登録されているメンバーの在席情報を確認できる“行き先掲示板”、施設の利用予約や予約状況の確認を行なえる“施設予約”、グループの予定を作成/管理できる“グループスケジュール”が追加された。

グループスケジュール
グループスケジュールの画面

また、Office XPと連携し、Excelの表をインポートしたり、GroupBoard 2.0上のデータをExcelにエクスポートしたりできる。Outlookの連絡先や予定表のデータを連携させたり、Office XPで作成したドキュメントをGroupBoard 2.0上に直接保存することも可能。

OfficeXP連携
Office XPとの連携画面。Wordで作成したドキュメントをGroupBoard 2.0上に直接保存できる

さらに、インストールしたGroupBoard 2.0を親ウェブサイトとし、その下に子供のサイト“サブWeb”を構築できる。例えば、営業本部の親サイトを構築した後、営業1課、2課等のサブWebを構築することが可能。サブWebは複数の階層で構築でき、階層の制限はデータベース容量に依存するという。

また、Exchange 2000 Serverと連携することで利用できる“GroupBoard 2.0 メール拡張”機能もサンプル提供される。Outlook Web Access機能を利用してExchange 2000 Server上の情報をGroupBoard 2.0上に表示することが可能で、電子メールを送受信したり、グローバルアドレス一覧から社内の連絡先情報をコピーしたりできる。さらに、Exchange 2000 Serverのスケジュール機能と連携してグループのスケジュールを管理する“グループスケジュール”、回覧板を作成してグループのメンバーに送信できる“回覧板”といった機能も利用できる。なお、これらのメール拡張機能はサンプル提供のため、サポート対象外となる。

メール拡張
Exchange 2000 Serverと組み合わせるとメール拡張機能を利用できる

必要システムは、サーバー側がWindows 2000 Server(Service Pack 3以上)およびIIS 5.0以上。データベースは、Microsoft Data Engine(MSDE)またはSQL Server 7.0以降を利用でき、SQL Serverがない場合は、MSDEが自動的にインストールされるようになっている。クライアント側の対応OSはWindows 98/Me/2000/NT4.0/XP。対応ブラウザーはInternet Explorer 5.01 SP2以上。

また、GroupBorad 2.0自体は無償だが、SharePoint Team Servicesアーキテクチャーを採用しているため、利用にあたってはいくつかのライセンスが必要となる。サーバー側は、Windows 2000 Serverと、FrontPage 2002またはそれを含むOffice XPのライセンスが必要。さらにデータベースにSQL Serverを使用する場合はSQL Serverライセンスが、GroupBoard 2.0 メール拡張機能を使用する場合はExchange 2000 Serverライセンスがそれぞれ必要となる。

クライアント側は、Windows 2000 Server クライアントアクセスライセンスが必要。また、Office XPとの連係機能を使用する場合はOffice XPライセンスが、データベースにSQL Serverを使用する場合はSQL Serverライセンスが、GroupBoard 2.0 メール拡張機能を使用する場合はExchange 2000 Serverクライアントアクセスライセンスがそれぞれ必要となる。

なお同社は、GroupBoard 2.0の無償ダウンロード提供を開始すると同時に、GroupBoard 2.0を収録したCD-ROMおよび使い方ガイドをセットにした『GroupBoard 2.0 30日間 トライアルキット』を先着1万名に無償送付するキャンペーンを実施するという。

横井部長
オフィス製品部部長の横井伸好氏。「Office XPへの付加価値として提供すると共に、サーバー製品の拡販ツールとしての意味合いもある。Exchange 2000 Serverと分けてることで敷居を低くした。より多くのユーザーに利用してもらいたい」

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