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関電工ら3社、TVの同軸ケーブルを使った既存ビル向けLANシステム構築で業務提携

2002年08月21日 21時56分更新

文● 編集部 佐々木千之

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(株)関電工、三和エンジニアリング(株)、(株)ネットハンズの3社は21日、都内で記者発表会を開催し、開発したビル内のTV用同軸ケーブル配線を利用したLANシステム構築事業に関して業務提携契約を結んだと発表した。既設ビルに対するケーブル敷設工事不要のブロードバンド設備構築を、ネットワークシステムの施工から、ISPとの契約、システム構築後のメンテナンスまでをパッケージ化して全国で販売する。

ネットハンズ代表取締役会長の中田耕市氏と代表取締役社長の徳田ひとみ氏
ネットハンズ代表取締役会長の中田耕市氏(右)と代表取締役社長の徳田ひとみ氏(左)

TV用同軸ケーブル配線を使ったLANシステムには、関電工が開発したケーブルモデムシステム『コロンブスLAN』を使用する。コロンブスLANは2001年3月に販売開始した製品で、これまでに品川プリンスホテル エグゼクティブタワーなど多数の納入実績があるとしている。

関電工のコロンブスLANシステムの概要
関電工のコロンブスLANシステムの概要。2001年3月の発売以来、センターモデム200台販売の実績があるという

コロンブスLANの特徴はTV配線に使われている同軸ケーブル配線で、地上波(VHF、UHF)、衛星放送(BS、CS)、CATVに影響を与えることなく空き周波数帯を使ってLAN構築が可能な点。コロンブスLANでは、最大通信速度上り10.24Mbps、下り42Mbpsのネットワークが可能で、光ファイバーやADSLなどISPのインターネット接続を介して、ブロードバンドインターネット接続環境を構築できるという。「TVと空調システムは、どのような建物にも設置されている」(関電工ネットワークソリューション本部営業第二部部長の夏目達彦氏)ことから、既設ビルに対してケーブル敷設工事なしで設置でき、短期間・ローコストだとしている。

関電工ネットワークソリューション本部営業第二部部長の池田義隆氏とネットワークソリューション本部営業第二部部長の夏目達彦氏
関電工ネットワークソリューション本部営業第二部部長の池田義隆氏(左)とネットワークソリューション本部営業第二部部長の夏目達彦氏(右)

3社の業務提携では、ネットハンズがシステムパッケージ販売の企画立案と販売、関電工がハードウェア提供、三和エンジニアリングが設置工事とメンテナンスを担当する。ネットハンズによると「ビルのオーナーはITの知識が不足しており、ネットワークシステムの詳細を説明しても分からないことが多い」(ネットハンズ代表取締役会長の中田耕市氏)ことから、「専門知識のない方にも効果がわかりやすいパッケージ製品として販売する」(代表取締役社長の徳田ひとみ氏)とし、病院やホテル、マンション、学校などをターゲットに営業販売するという。

三和エンジニアリング代表取締役社長の渡邉尚親氏
三和エンジニアリング代表取締役社長の渡邉尚親氏

50戸程度のビル1棟あたりのシステム構築費用(メンテナンス料は含まず)は約300~350万円。30~50戸以上のビルでは、一般的なLAN工事よりもコスト的に有利になるとしている。ネットハンズでは、2003年3月末までの半期に400棟の受注、売り上げで約15億円を見込むという。「LAN配線工事がないため、利益率としては小さいが、このLANシステム構築をきっかけとして、(ウェブサイト構築などの)周辺事業でも利益を上げたい」(中田氏)としている。

問い合わせ先

ネットハンズ
TEL.03-5214-5155
お詫び
記事の掲載時に、三和エンジニアリングのウェブサイトのURLが間違っておりました。正しくは現在表記してあるとおりです。訂正しお詫び申し上げます。(2002年8月22日)

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