さて、撮影画像を見るとさすがに解像感や階調表現力は、ともに申し分ないクオリティだ(撮影サンプル1)。ダークフレームを減算合成するノイズリダクションも搭載しているため、夜景もクリアな画質で撮影できる。色あいに関しては、今回の作例ではすべて標準設定で撮影しているが、D100には色合いを調整する機能(肌色を基準に黄色みを帯びる設定と、赤みを帯びる設定)もある。
コンシューマ向けのデジタルカメラの画像を見慣れていると、若干シャープさが足りないようにも感じられる(撮影サンプル2)。これは、D1シリーズをはじめとしたプロシューマ向け製品の多くがカメラ内部での画像処理を極力抑えて、PC側でレタッチすることを前提としているためだ。もう少し締まった絵が欲しい人は、D100のメニューから「輪郭強調」(強/ノーマル/弱/しない)を「強」にする手もあるが、できるなら強度をより細かく選べるように、PC上のフォトレタッチソフトでアンシャープマスクをかけたほうがいいだろう(掲載した撮影サンプルではいずれも輪郭強調は行っていない)。
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撮影サンプル1。元画像は2000×3008ドット。あいにくの曇天なので地味目の発色となってしまったが、600万画素クラスならではの細部描写だ。 |
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撮影サンプル2。元画像は2000×3008ドット。階調表現も良好で、ハイライト/中間調/暗部のいずれもざらつきはほとんど見られない。 |
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撮影サンプル3。元画像は3008×2000ドット。2/3インチ以下がほとんどの小型CCD搭載デジタルカメラと異なり大型CCDデジタルカメラは背景や前景をぼかした場合にきれいにぼけてくれるという利点がある。 |
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撮影サンプル4。ノイズリダクションをONにして夜景を撮影した。光源が波のある水面(スローシャッターのため波は写っていない)の下に存在するため、陰影のエッジが甘くなってしまったが、暗部のノイズはほとんど見られない。 |
プロユースにも耐えられる一眼レフデジタルカメラでは、ニコンのD1シリーズとキヤノンの「EOS Dシリーズ」などが双璧をなす。そんな中で実売価格が30万円を切るD100は、先に発売されたキヤノンの「EOS D60」や富士写真フイルムの「FinePix S2 Pro」と並び、ハイアマチュアにとって一眼レフデジタルカメラにチャレンジする最初の1台の有力候補となるだろう(撮影サンプル3)。D60と合わせて、これらの存在は一眼レフデジタルカメラの入門機としてだけではなく、小型で軽量という特徴を生かし、旅行や取材など、デジタルカメラの活躍の場を大きく広げてくれるだろう(撮影サンプル4)。
Nikon D100の主なスペック | |
製品名 | Nikon D100 |
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撮像素子 | 1.12インチ(23.7×15.6mm)有効610万(総631万)画素CCD |
レンズ | オプション(ニコンFマウント) |
記録媒体 | CF TypeI/II(microdrive対応) |
記録画素数 | 3008×2000/2240×1488/1504×1000(3:2) |
液晶モニタ | 1.8インチ低温ポリシリコンTFT |
シャッター速度 | 30~1/4000秒、bulb |
ISO感度 | ISO200~1600相当 |
インターフェイス | USB、ビデオ出力、DC入力 |
電源 | 専用リチウムイオン充電池(EN-EL3) |
本体サイズ | 144(W)×80.5(D)×116(H)mm |
重量 | 約700g(本体のみ) |
競合製品レビュー
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キヤノン「EOS D60」レビュー | オリンパス光学工業「CAMEDIA E-20」レビュー |
