Intel 845Gとの性能差は?
図1 | 図2 | |
図3 | 図4 |
ではさっそく性能評価に移ろう。最大の注目点は、直接のライバルとなる“Intel 845G”との性能差だろう。以下に、Sysmark 2001、3DMark 2001、TMPGEncによるMPEGエンコード時間、メモリベンチマークによるメモリ性能の測定結果を挙げる。なおSiS651については、メモリはPC2100およびPC2700の両方で計測した(Intel 845Gマザーは「D845GBV」を使用」)。
図1のSysmarkは、3D性能はほとんど影響せず、基本的にはシステム全体(特にCPUとメモリ)の性能を評価するものだ。これによれば、PC2100同士の場合、Intel 845Gのほうが好成績だったが、PC2700を装着すると、SiS651が逆転した。メモリ性能が大きく響くSysmarkでは、PC2700を使えるメリットは大きい。PC2700の価格がPC2100と大差ないところまで降りてきている状況は、SiS651にプラスと言えるだろう。
図2の3DMark 2001では、PC2100でも845Gをかわし、PC2700装着時には40%という大きな差をつけた。外付けカード用としても3Dチップを開発/販売する同社のビデオエンジンの威力が現れている。ただ、図3のTMPGEncによるエンコードでは、Sysmark同様、PC2100だと845Gに僅差で及ばなかった。PC2700装着時には大きくリードしている。
図4は基礎体力であるメモリの読み書きの性能を見てみた。SiS651は、書き込みではPC2100/PC2700ともに845Gをリードしているが、読み込みのほうで、PC2100同士の場合に後塵を拝している。SysmarkやTMPGEncでの負けの理由のひとつはこれであろう。
PC3200以上も使えるGA-8SIMLH
845GやSiS651の内蔵ビデオ機能を使う際には、メインメモリ性能の一部が画面表示用に供出される。画面表示に使われるデータ転送量は解像度や色数を変えなければ一定なので、メモリ性能を上げると、上げた分はまるまるCPUに対する余力となる。つまり、外付けビデオ環境に比べ、メモリを高速化する意味がはるかに大きい。今回のSiS651におけるPC2100とPC2700の、特に3D markに見られるような大きな速度向上は、こうした背景によるものだ。SiS651がPC2700をサポートしたことは、対845Gという意味では、きわめて大きな武器になっていることがわかる。
BIOSでのメモリスピード選択画面。選択できる周波数は、CPUクロックに比例して変化する |
ちなみに本マザーボードは、クロックアップユーザー向けというわけではないからか、CPUやメモリの電圧の制御こそ行えないものの、CPUのFSB、メモリ、AGP、PCIのクロックはかなり自由にBIOS上でセットでいるようになっている。CPUクロックについては100~355MHzまでを入力でき、例えば133MHzにセットした場合、メモリは200(PC1600)/266(PC2100)/333(PC2700)に加え、214/222/356/402/446/536MHzを選択できる。402にセットすれば、PC3216相当となり、すでに市場で販売されているPC3200メモリならまず間違いなく動作させることができるだろう。
SiS651は、低価格で小型のPentium 4マシンを組もうとしている方に、注目のチップセットになりそうだ。