多くの企業が盆休みに入る直前であろう今週のニュースランキングは、『“Frethem”の被害が急増――シマンテック、7月の“月間ウイルス被害ランキング”発表より』がトップとなった。WindowsやInternet Explorer、Outlook/Outlook Expressのセキュリティの脆弱性は、以前から指摘があったり、マイクロソフトが対策アップデータを配布したりしてきていた。しかし、7月のウィルスランキング上位に入っている“Frethem”や、今も猛威を振う“W32.Klez”“W32.Badtrans”、さらにその亜種などの大流行していることのように、OSやアプリケーションのセキュリティの脆弱性が原因で多くのユーザーに具体的かつ深刻な影響を与えたケースは珍しいだろう。
Outlookの脆弱性を狙った最近大流行中の各種ウィルス/ワームによる被害は深刻で、感染したユーザーはもちろん、無関係の第三者を無差別に巻き込む可能性が高いという点が厄介だ。たとえば、実際にASCII24編集部であった話だが、以前のASCII24では、読者向けのメールアドレスをウェブサイト上で公開していたが、この種のウィルス/ワームに感染したユーザーがASCII24のウェブサイトを閲覧すると、ここに表示されているメールアドレスにウィルス/ワーム入りのメールを送りつけることがあるのだ。このウィルス/ワームの挙動のせいで、編集部では、最も酷い時期には5分間に数十通のウィルス/ワーム入りメールが送信されてきたことがあり、感染被害こそ出なかったものの、日常業務に著しい滞りを受けたことがある。ウィルス/ワームメールのあまりの多さに、真剣にサポート用メールアドレスの変更を検討したというメーカーの話を聞いており、ウィルス/ワームの“純粋な破壊行為”と同様に、この手のウィルス/ワームの行動は不快かつ邪魔なものだ。
このようなウィルス/ワームに関する話題のほかにも、企業のサーバーやパソコンのセキュリティ保護に関する製品の発表にも関心が集まっている。今週のランキングでは、『日本ネットワークアソシエイツ、ゲートウェイ内部の不正アクセスを防止するソフト『McAfee Desktop Firewall』を発売』や『日本ネットワークアソシエイツ、PDA対応の無線LAN管理ソフト『Sniffer Portable Wireless LAN PDA』を発売』といったニュースがトップ10入りを果たしている。
ウィルスやセキュリティに関する備えは、システム自体の堅牢化はもちろん、ユーザー一人一人の高い意識が必要だ。自身がウィルスやワームに感染してしまうことや、大集団の中の1ユーザーが不用意なセキュリティホールを社内LANに作ってしまうことなどが、周囲にどれだけ大きな悪影響を及ぼすか。そのことを常に忘れず、悪意あるユーザーからの攻撃に注意していきたい。
ASCII24 Business Centerランキング(2002年8月5日~8月9日)
ランク | 先週 | 掲載日 | タイトル |
---|---|---|---|
1 | - | 08月06日 | “Frethem”の被害が急増――シマンテック、7月の“月間ウイルス被害ランキング”発表より |
2 | - | 08月06日 | マイクロソフト、『Mobile Information Server 2002 ActiveSync Edition』を発売 |
3 | - | 08月06日 | アルプス社、地図アプリケーション開発キット『ProAtlas XD』を発売 |
4 | - | 08月07日 | コンパック、64bitサーバー“hp AlphaServer”6製品を発表 |
5 | 4 | 08月02日 | マイクロソフト、『Visual J# .NET 日本語版』の提供を開始 |
6 | - | 08月02日 | 日本ネットワークアソシエイツ、ゲートウェイ内部の不正アクセスを防止するソフト『McAfee Desktop Firewall』を発売 |
7 | - | 08月05日 | デル、モバイルPentium 4-M-2GHz搭載の企業向けノートパソコンを発売 |
8 | - | 07月25日 | 三菱電機インフォメーションシステムズ、グループウェア『ProWebRabbit』体験版の無償ダウンロード配布を開始 |
9 | - | 08月05日 | 日本ネットワークアソシエイツ、PDA対応の無線LAN管理ソフト『Sniffer Portable Wireless LAN PDA』を発売 |
10 | - | 07月01日 | アドミラルシステム、ASPグループウェア“HotBiz”の最新版を提供開始 |