チェックポイント その3
入力インターフェイス
液晶モニタのインターフェイスは、アナログ(D-sub)、アナログ対応デジタル(DVI-I)、デジタル専用(DVI-D)の3種類がある。特にデジタルの2方式はコネクタも似ており間違えやすい。この機会に仕様の違いを覚えておこう(前ページのコラム3、写真A)。
DVIは「ビデオカードによって相性がある」とよく言われる。残念なことにこれは事実だ。DVIは統一規格の1つだが、厳密なタイミングやビデオ信号の通信仕様などの点で、まだ曖昧な部分がある。互いの通信タイミングがズレていると、モニタは繋がっているのに、ビデオカードが「繋がっていない」と判断して信号を切ってしまう。これが相性問題の主な原因と言われている。メーカーもこの問題は認識しており、Webサイトで動作確認をしたビデオカードのリストを公開している場合もある。
また、2台のPCでモニタを共有するために、D-subとDVI-D、DVI-IとDVI-Iといったような2系統入力搭載機を選択するユーザーもいるだろう。頻繁に2台の画面を切り替えるなら、入力系統の切り替えが容易に行えるかどうかも確認しておきたい。ボタン1つで切り替え可能な「ワンタッチ切り替え」を装備していればベストだ。逆に、OSDメニューを表示させ、さらにカーソルを動かして階層を下りなければ切り替えられないような機種は、一考の余地ありととらえたほうがいいだろう。
チェックポイント その4
さまざまな付加機能
製品の良し悪しを左右するほどの要素ではないが、USBハブや、スピーカ、ビデオ入力の装備も、あると便利な機能という意味で選択時に加味する要素だ。特にビデオ入力は、ビデオデッキと組み合わせて使うことで、TVチューナ機能のない液晶モニタが、TV代わりにも使用可能になる。
また、本体の薄さを生かしてパネル部分だけをアームスタンドなどに設置するなら、本体背面に設けられることが多い統一規格の取り付け穴「VESAマウント」への対応もチェックしておこう。
このほか、VGAやSVGA解像度を全画面に拡大表示する「スムージング機能」への対応も、ゲームを楽しむユーザーなら見ておきたい。今どきスムージング非対応の機種はほとんどないが、スムージング時のシャープネス調整の有無は、まだ機種ごとにバラつきがあるのが実情だ。
いずれにしろ、付加機能の搭載は価格に反映される。吟味して取捨選択した上で、価格、表示性能のバランスを考えて製品を選択してもらいたい。
コラム4
「擬似フルカラー表示」の方法とデメリット
写真B 本来ならば単色になっていなければならないはずだが、マウスカーソルがあるあたりの階調には別の色のドットが混ざっている。 |
液晶パネルカタログの表示色数の項で、「擬似フルカラー」という言葉を目にしたことはないだろうか。1ドットあたり3万2000色程度の表示性能の液晶パネルを、表示方法を工夫することで見た目にはフルカラー(1677万色)相当に見せている場合に、この言葉が表記される。
擬似フルカラーを実現する手法にはいくつか種類があるが、
- 複数のピクセルを組み合わせたディザによって中間色を表現する
- 1ピクセルを2色に素早く切り替えて中間色を表現する
――の2種類が一般的なものだ。
ユーザーにとって問題なのは、低価格モデルに集中している擬似フルカラーパネル採用機を選択しても大丈夫か? ということだろう。結論から言えば、擬似フルカラーでも、見た目にはフルカラーとの違いはほとんどわからない。
ただ、滑らかなグラデーションを表示した場合に、(1)方式の場合では写真Bのように階調に粗が出てしまったり、(2)の方式のパネルでは、画面の一部にチラツキを感じたりすることがあるのは知っておこう。以上のことから、色を厳密に扱うグラフィック用途には残念ながら不向きである。なお、フルカラーをうたう製品の中にも、実際は擬似表示の場合があるので、心配ならショップの店員に確認しよう。
素朴な疑問
液晶モニタ Q&A
液晶はその性質上、ある割合で欠陥画素の発生は避けられない。しかし、大手のメーカーでは、部品納入時にガイドラインを設けて一定以上の欠陥のある液晶パネルは使用しないようにしているし、また、組み立て時にも、目立つ欠陥画素を持つ製品は取り除かれている。ただし、特別ルートで流通する「B級品」と呼ばれる廉価なモニタだけは例外だ。なお、ケースバイケースではあるが、余りに目立つ場所にドット抜けがある場合は、メーカーに相談してみるのもいいだろう。