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日本SGI、メディア/ブロードバンド市場における新戦略を発表――DAM製品『SGI Infinite Media Library』を中核に

2002年08月02日 22時28分更新

文● 編集部 田口敏之

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日本エスジーアイ(株)は2日、デジタルコンテンツの制作・配信を管理するDAM(Digital Asset Management:デジタル資産管理)製品『SGI Infinite Media Library』(インフィニット・メディア・ライブラリー:以下Infinite ME)を日本市場向けに独自開発し、販売を開始したと発表した。価格は6000万円から。

デジタルコンテンツ市場は、ブロードバンドの発展や普及により急速に拡大しており、デジタルコンテンツとブロードバンドを利用した放送ビジネスが次々立ち上がっている。しかし、既存のデジタルコンテンツ関連の製品は、主にメタデータの管理機能が中心で、コンテンツの連係機能を提供するものがほとんどとなっていた。また、日本語環境をサポートするものなく、テキストベースでのコンテンツ管理が中心となっている。

概要
Infinite MLの製品としての位置づけ

こうした状況に際し日本SGIは、米SGI社が開発し、米ルーカスフィルム社が導入していたInfinite MEのソースコードライセンスを取得し、日本語化を行なった。

機能
Infinite MLの機能

Infinite MEは、デジタルコンテンツの制作や配信、アーカイブや課金などの一元管理が行なえるミドルウェア。同製品を基盤に、デジタルコンテンツの制作、配信などのソフトウェアとのインターフェース(API)を開発することで、デジタルコンテンツの制作から配信までの作業全体を一元的に管理できるようになる。DRM(Digital Right Management:デジタル著作権管理)システムとの連携も可能。また、組織や拠点が分散している場合でも対応できる拡張性と、光ファイバーによる広範囲なネットワーク内でのコンテンツ共有機能を備える。

拡張性
Infinite MLを基盤に、デジタルコンテンツの制作、配信などのソフトウェアとのインターフェース(API)を開発することで、制作から配信までの作業全体を一元的に管理できるようになる

同製品を導入した企業は、デジタルコンテンツの管理そのものが自社で可能になり、コンテンツの2次利用を効率よく行なえるようになる。例えばルーカスフィルムでは、映画“スターウォーズ”のキャラクターを利用したキャンペーンのためのコンテンツ制作などを、同製品を基盤として行なっているという。また、CGで作成したキャラクターを、パーツごとに管理して別の作品の制作時に利用するなどといったことも可能になるとしている。

日本SGIは同製品を、TV局などの放送関連企業や、大手ISPをはじめとして、デジタルコンテンツを扱うあらゆる企業に向けて販売する。同時に、同製品を導入する顧客に対して、導入コンサルティングからシステムインテグレーションサポート、およびサービスまでを包括的に提供する。

関連する製品として、メディア・クルーズ・ソリューション(株)と連携し、同社と(株)エム研、および(株)アイ・ビー・イーが開発したDRMシステムパッケージ『Gibraltar(ジブラルタル)』を併せて提供するほか、セーバー(株)との提携により、ウェブページの情報などを携帯電話や携帯情報端末に配信できるトランスコードソフト『mini-it』の販売も行なう。また、大容量のコンテンツデータの保存・管理を行なえるストレージサーバー『Media SAN Server』も提供していく予定

日本SGIは、Infinite MEを核として、メディア/ブロードバンド市場におけるシステムインテグレーションのリーディングカンパニーを目指すという。販売目標は、今後2年間で30システム。将来的には、この分野を日本SGIの全体の売り上げの3分の1程度まで拡大するとしている。

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