ECSとJetwayによるプライスリーダー争いに、マザーボード投入は久しぶりとなるShuttleが割って入ってきた。4モデルすべてが(ショップ独自の期間限定特価販売を除くと)最安値を更新しての登場となる。
今回店頭に並んだ4モデルを順に見ていくと、まずは実売価格6667円~6980円という破格の“ProSavageDDR P4M266”搭載MicroATXマザーボード「MV42N」。FSB 133MHz(Quad Pumped 533MHz)版Pentium 4には対応せず、利用できるのはシステムバス400MHz版CPUのみとなるものの、同じくシステムバス400MHz版CPU対応チップセットである“i845GL”ではサポートされない外部AGPを利用できるのは魅力的。また、PC2100(DDR266) DDR SDRAMとPC133 SDRAMを排他利用できるというのが見逃せない仕様だ。Socket478版Celeronに手持ちのSDRAMを用いてSocket370環境を置き換えるためのもっとも安価な選択肢であるため、コストパフォーマンスを重視する人たちから注目を集めるのは間違いない。
DDR SDRAM/SDRAM用のDIMMスロット。隣に置かれた80ピンのジャンパで切り替える仕様だ |
内外部インターフェイス。USB端子は1.1のみのサポート |
ATX12V端子を用意せず、一般的なATX2.03対応電源で利用できるようになっているのは、Socket370環境からの移行を考えている場合にはうれしいところだ。拡張スロットはAGP×1、PCI×2、CNR×1で、South Bridge“VT8233”内蔵ネットワークコントローラによってLAN接続をサポートしている。DIMMスロットはDDR SDRAM/SDRAMともに最大1GBまで搭載可能。惜しむらくはUSB2.0に対応していない点だが、価格を考えるとそれを望むのは酷かもしれない。USB2.0カードも安価なものであれば1000円台で購入できるため、それで代用するといいだろう。
4モデル唯一のATXフォームファクタ採用となったのは“i845E”搭載ATXマザーボード「AB45」。6ch出力対応のAC'97コーデックを搭載し、センタ/サブウーファ出力を引き出すブラケットを同梱しているだけという素朴なつくりにした結果、実売価格は9524~9980円と、i845Eマザーボードとしてはじめて1万円を割ったのは衝撃的と言えるだろう。拡張スロットはAGP×1、PCI×5、DIMM×2。USB2.0端子はバックパネル部の2つ。FSBは100~199MHzの範囲を24通りに設定でき、VCoreは1.100~1.850Vの範囲を0.025V刻みで設定可能。なお、AB45もATX12Vの4ピン端子は用意していない。
同梱品も非常にシンプル。マニュアルのほかは4モデルとも写真のとおりで、AB45のみ本文中で触れたブラケットも付属する |
このほか「MB47N」は“i845GL”搭載、そして「MK32N」は“ProSavageDDR KM266”搭載のMicroATXマザーボード。どちらも他社製品と比べて安価での登場となりながら、Realtek製のネットワークコントローラにAC'97コーデックと、必要十分な機能はきちんと搭載。前者は、安価であり、かつIntel製のSocket478対応チップセットにこだわる人に、後者は安価なAthlonファミリ向けビデオ内蔵マザーボードを探している人にオススメできるだろう。
「SS50」や「SS40G」などで、最近はベアボーンPCベンダとしての印象が強いShuttleだが、以前より安価なマザーボードでも知られており、今回の4モデルはマザーボードベンダとしての復活の狼煙と言えるかもしれない。コストパフォーマンスを重視するバリュー市場向けのベンダとしてECSやJetwayと熱い戦いを見せてくれるとすれば、それはエンドユーザーにとって歓迎すべき結果をもたらしてくれそうだ。
価格 | ショップ |
---|---|
MV42N(ProSavageDDR P4M266) | |
\6,667 | OVERTOP |
\6,980 | コムサテライト3号店 |
AB45(i845E) | |
\9,524 | OVERTOP |
\9,980 | コムサテライト3号店 |
MB47N(i845GL) | |
\8,780 | OVERTOP |
\8,980 | コムサテライト3号店 |
\8,999 | TSUKUMO eX. |
MK32N(ProSavageDDR KM266) | |
\6,999 | OVERTOP |
\7,480 | コムサテライト3号店 |
\8,999 | TSUKUMO eX. |