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アイオメガ、SOHOや中小企業向けのNAS製品を発表──ビジネス市場に本格参入

2002年07月30日 23時55分更新

文● 編集部 佐々木千之

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アイオメガ(株)は30日、都内で記者発表会を開催し、SOHOや中小企業、大企業の部門などに向けたNAS(Network Attached Storage)製品『Iomega NAS A300シリーズ』1製品と『Iomega NAS P400シリーズ』6製品を発表した。価格はオープンだが、アイオメガの直販サイト“アイオメガダイレクト”での価格は19万9200円~76万1200円。8月上旬に出荷開始予定。

『Iomega NAS A300u』

『Iomega NAS A300u』は40GBのHDD(Ultra ATA/100、毎分7200回転)を3台内蔵した、最大容量120GBのラックマウントタイプのNAS製品。Celeron-900MHzと128MBのメモリー、10/100BASE-TX(×1)を搭載し、UNIXをベースとしてNAS向けにカスタマイズしたOS(詳細は非公開)で動作する。3台の内蔵HDDは固定で、ソフトウェアRAIDによりレベル0、1、5に設定可能。

『Iomega NAS A300u』
『Iomega NAS A300u』

『Iomega NAS P4XXu』『Iomega NAS P4XXm』

『Iomega NAS P4XX』はUltra ATA/100のHDD(毎分7200回転)を4台使用したラックマウントタイプのNAS製品で、最大容量160GBの『Iomega NAS P400u』『Iomega NAS P400m』、320GBの『Iomega NAS P405u』『Iomega NAS P405m』、480GBの『Iomega NAS P410u』『Iomega NAS P410m』を用意する。

『Iomega NAS P4XXu/m』
『Iomega NAS P4XXu/m』(筐体の上カバーをはずした状態で3台を重ねてある)

容量によってCeleron-900MHzまたはPentium III-1GHzと256または512MBのメモリーを搭載する。OSはIomega NAS 4XXuシリーズが、UNIXベースにNAS向けにカスタマイズしたOS、Iomega NAS 4XXmではアプライアンス機器向けWindowsである『Windows 2000 Server Appliance Kit(SAK)』となっている。Iomega NAS 4XXmのWindows 2000 SAKではクライアントアクセスライセンスは不要で、Active Directoryもサポートする。

4台のHDDは筐体前面からアクセス可能なベイに装着し、ホットスワップに対応する。HDDはソフトウェアRAIDによりレベル0、1、5に設定可能なほか、3台をRAID 5に設定し、残りの1台を予備用HDDとして使用する“ホットスペア”機能を備える。ホットスペア機能では、3台のRAID 5構成のHDDのうち1台が故障した場合、予備のHDDが自動的にアクティブとなり、故障したHDDと置き換って動作する仕組み。

また10/100BASE-TX×2ポートのほか、Iomega NAS P405u、Iomega NAS P410uではGigabit Ethernetポート、Iomega NAS P405m、Iomega NAS P410mではUltra 160 SCSIを備えている。2ポートの10/100BASE-TXは、ロードバランシングや障害時のフェールオーバー機能も利用可能。

Iomega NAS P4XXu/mシリーズの前/後パネル
Iomega NAS P4XXu/mシリーズの前/後パネル

Iomega NASシリーズには、クライアント用バックアップ/ファイル同期ソフト『QuickSync 3』とNAS管理ソフト『Iomega NAS Discovery』が付属する。ネットワークトランスポートプロトコルは、TCP/IP、IPX、NetBEUI、AppleTalk、ネットワークファイルプロトコルでは、Apple(AFS)、HTTP1.0、Microsoft Networks(CIFS/SMB)、Novell NetWare(NCP)、UNIX(NFS)、FTPをサポート。Windows NT4.0、NetWare 3.12、AppleShare 6.0、NFS3.0のサーバーエミュレーション機能を備えている。

『Iomega NAS Discovery』
『Iomega NAS Discovery』のボリューム管理画面

アイオメガはこれまで『Zip』『Jazz』『Predator』『Peerless』など、個人レベルでデスクトップやノートパソコンに接続して使用するような、スタンドアローンのストレージ製品、およびそれらストレージ製品を利用するためのソフトウェア製品群を開発・販売してきた。Iomega NASシリーズは、同社として初めてのネットワークストレージ製品で、米国では3月に発表し4月に出荷開始している。同製品シリーズは、オフィスのネットワークで使われることを前提とし、エンタープライズ市場をメインターゲットとしているという点でも、これまでの製品群と異なるものとなっている。

アイオメガでは、Iomega NASシリーズは“Back office”プロダクトと位置づけており、Zipドライブ、CD-R/RWドライブ、リムーバブル/ポータブルHDDなどの“Front office”プロダクトと合わせて、パーソナルユースからエンタープライズ向けまでのラインアップが揃ったとしている。

アイオメガのプロダクトラインアップ
アイオメガのプロダクトラインアップ。今後は“Back office”プロダクトの充実を図ると思われる

中小企業向けのNAS製品として、日本で知られている製品では、日本クアンタム ストレージ(株)の『Snap Server』があるが、アイオメガではすべてのスペックでIomega NASシリーズのほうが上回っており、さらに同価格帯でホットスワップ/ホットスペア機能をサポートしている製品はほかにないとしており、コストパフォーマンスを武器にマーケティングを行なう構え。企業向け製品として、アイオメガのこれまでの製品群とは異なるサポート/サービスが必要と考えられるが、販売チャネルとしては「従来の代理店に加えて、SI事業者とも話し合いを行なっている。サポートについても現時点で契約は終えていないが、全国レベルでサポートできる企業と提携してサービスを提供する」(アイオメガ代表取締役社長の鈴木裕司氏)という。

アイオメガ代表取締役社長の鈴木裕司氏
アイオメガ代表取締役社長の鈴木裕司氏

米国では今年度(1~12月)の売り上げの5%をIomega NASシリーズが占めると予想している。日本ではこれから出荷ということで3%と見込んでいるが「来年度は10%近くまで持っていきたい」(鈴木氏)という。アイオメガでは次のNAS製品のリリースも決定しているとのことで、企業向け市場におけるアイオメガの存在感を高めたい考えだ。

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