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日本アビオニクス、遠隔会議システム『CollaboMate』を発表

2002年07月22日 23時09分更新

文● 編集部 田口敏之

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日本アビオニクス(株)は22日、パソコンで作成した電子データやカタログ、図面や手書き資料のほか、商品サンプルや模型などといった立体物まで、さまざまな会議資料を画像データ化し、遠隔地とリアルタイムに送受信できる遠隔会議システム『CollaboMate(コラボメイト)』を、8月1日に発売すると発表した。価格は130万円。

『CollaboMate』『CollaboMate』。写真は、キャビネットにハンズフリー通話装置『VoiceMate』と書画カメラ『Pj-Mate』を収納した状態

CollaboMateは、遠隔地間におけるコラボレーションを成立させるための会議システムツール。同製品間で、会議に使う各種情報をリアルタイムに共有して表示できる。製品は、外部から入力した画像を、JPEG形式の画像データに変換するハードウェア『Collabomate画像処理部』と、さまざまな通信回線に対応しているハードウェア『Collabomate通信処理部』、操作を行なう液晶ペンタブレット、およびそれらを収納するキャビネットで構成されている。

接続の概要
接続の概要

オプションで、ハンズフリー通話装置『VoiceMate』や、書画カメラ『Pj-Mate』なども用意している。Pj-Mateを用いれば、紙の資料のほか、立体物も画像データとしてリアルタイムで取り込める。

立体物の取り込み
Pj-Mateを利用すれば、立体物を画像データとして取り込み、送信することができる

画像の入出力は、1024×768ドット(XGA)で行なえる。データ転送はバックグラウンドで行なうので、スムーズなプレゼンテーションが可能。操作は液晶ペンタブレットを用い、ペンのみで行なえる。ホワイトボード機能も搭載している。送信側と受信側の切り替えも可能で、マウスポインターは双方向で表示できる。

操作画面
操作画面。ペン1本で操作できるようになっている

会議で使用した資料画像は、メモリーカードに保存できる。組織内における利用を前提にしているので、保存と同時に元のデータは消去できる。保存したくない画像は、設定しておけば自動的に保存から除外される。通信回線はADSL、ISDNやPHSなどに対応するほか、通信方式としてW-CDMA(FOMA)にも対応している。

VoiceMate
ハンズフリー通話装置『VoiceMate』

同製品の主な仕様は以下の通り。入力端子として、アナログRGB端子(ミニD-Sub 15ピン)×3(1つはオプションの書画カメラ『Pj-Mate』接続用)、出力端子としてアナログRGB端子(ミニD-Sub 15ピン)×2(1つは液晶ペンタブレット接続用)を備える。対応している通信回線は、ダイヤルアップ(IDSN、PHS)、ADSL、Ethrnet(10BASE-T)で、インターネット利用時はVPN接続が必要。VPN接続にはPPTP(Point to Point Tunneling Protocol)を用いる。通信は、PCカード(Type II)対応のLANカード、もしくはPHSカードを用いて行なう。

液晶ペンタブレットは15インチのアモルファスシリコンTFT方式液晶ディスプレーを用いている。外部データの入出力装置として、24倍速CD-ROMドライブ、FDDを装備。外部インターフェースとして、PCカードスロット(Type II)×2とUSB 2.0×2を備えている。PCカードスロットに接続して利用するコンパクトフラッシュ(CF)アダプターと、CFカード(32MB)も付属する。電源はAC 100Vを利用する。消費電力は最大143W。本体サイズは幅465×奥行き445×高さ1100mm(液晶ペンタブレットを最大まで立てた場合)、重さは約45kg。

柴宏氏
代表取締役社長の柴宏氏

発表会で、代表取締役社長の柴宏氏は「弊社は地方に工場を持っていて、TV会議システムで会議を行なっている。ところが現行のTV会議システムでは、人の顔は見えるものの、肝心の資料がよく見えない。ということで、自分たちで作ろうと思ったのが開発の発端」と述べ、「マーケット調査をしてみたところ、品質管理部門や工程管理などの現業部門のほとんどが、顔や声よりも資料やデータをよく見たいと考えていることが分かった。既存のTV会議システムのマーケットよりも、現業部門のほうがはるかにニーズが高いと考えて、この製品の販売を行なうに至った次第。遠隔会議システムということで、海外展開も考えているが、相手国の通信回線にも左右されるので、国内で顧客の声を聞きながらサービスやノウハウを積み上げて、それから海外へ展開していきたい」と語った。

同社では、初年度2000台の販売を見込んでいる。また、現段階では1対1でしか通信を行なえないが、今後1対3や1対4での通信を可能にするとしている。

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