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よくぞここまで!汎用製品採用とは思えない多機能ブックサイズベアボーンがASUSTeKから安価で発売に

2002年07月20日 00時00分更新

文● 小磯

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Prodigy

 6月下旬にMSIから登場した高機能ブックサイズベアボーンPC「Hermes-650PF」の向こうを張る製品がASUSTeKから登場してきた。製品名は「Prodigy-P4S」。MSI製品が専用のLPXマザーボードを採用することで多機能化を実現したのに対し、今回のProdigy-P4Sは、すでに流通している同社製FlexATXマザーボードをそのまま採用しながら、専用カードによる拡張でハイスペックを獲得した製品だ。



ケース内部 AGP-GF
拡張スロット部 前面カードリーダ
ケース内部を見てみると、拡張スロット部が込み入っているのがよくわかる。AGP、PCIスロットともに差さっているのはユニークなカード

 Casetek製のASUSTeK用カスタムケースに収められているのは“SiS650/SiS961”チップセット採用マザーボード「P4S333-VF」。圧巻なのは、AGP×1、PCI×2となっている拡張スロットで、まずAGPスロットにはコンパニオンチップ“SiS301”搭載の独自形状カード「AGP-GF」を搭載し、さらにそれをケース背面に装備するドータカード「AGP-DVI」と接続することでS/コンポジットビデオ出力とDVI出力を可能としている。また2本のPCIスロットのうち1本は、独自形状のカードとリボンケーブルによって、カードリーダとIEEE1394端子をケース前面へ引き出すために利用。残る1本を1本をドータ化して、標準サイズのPCIカード2枚を差せるようにしている。スロットがすべて塞がる格好となるため、さすがに拡張カード周辺の密度は上がってしまっているものの、拡張スロット部の密度を上げることで、他の部分、特にCPU周辺の空気の流れを確保している点は見逃せないところでもある。
 そのSocket478にはCPUヒートシンクに対して横から吹き付ける仕様のクーラーを標準装備。風をケース外へ排出するための4cm角ファンは取り外すかどうかで悩む人が出てくるかもしれない。



CPUクーラー 排気ファン
標準添付のCPUクーラーと排気ファン
前面インターフェイス 背面インターフェイス
前面と背面のインターフェイス

 インターフェイスを見てみると、コントローラがケース前面へ引き出されているカードリーダと、4/6ピンのIEEE1394端子とは別に、USB×2とヘッドホン出力、マイク入力、光デジタル出力が引き出されている。一方、ケース背面はP4S333-VFが標準で用意する端子のほかはAGP-DVIによるビデオ出力&DVI出力のみ。SiS650内蔵ビデオコアがSiS315相当であることを考えると、SiS301コンパニオンチップによるデュアルモニタ出力が可能だと判断できそうだが、ASUSTeKはこの件について特別に言及していないため、可能かどうかは実際に試してみるほかない。



ドライブベイ
ドライブベイはカートリッジタイプで、上に引き出し可能。その下にシャドウベイがある

 ドライブベイは5インチ×1、3.5インチ×1、シャドウ×1で、5インチ&3.5インチベイのカートリッジを取り外すとシャドウベイへアクセス可能という標準的な仕様で、価格はコムサテライト3号店で3万1480円。総合的なスペックではHermes-650PFに一歩譲るものの、コストパフォーマンスではこちらが上であり、高機能なブックサイズベアボーンPCを探している人にとっては悩ましい事態が訪れたと言えそうだ。



165W電源 販売中
電源がMSI製品の200Wに対して165Wと、PCIの拡張性にはやや不安が残るものの、魅力的な価格で販売されるProdigy-P4S
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