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Networld+Interop 2002 Tokyo展示会場レポート

2002年07月06日 00時00分更新

文● 阿蘇直樹

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7月3日から5日まで行なわれていた、NetWorld+Interop 2002 Tokyo展示会場から、Linuxを利用した製品をご紹介する。

IPv6関連

シャープ(株)は、米国で発売しているザウルス『SL-5500』を利用したモバイルIPv6のデモを行なっていた。

『SL-5500』
『SL-5500』を利用したモバイルIPv6のデモ。『SL-5500』には外部のカメラサーバからの画像が送られてきている。ケーブルを差し替えて別のセグメントに移動すると、ホームエージェントに新しいIPアドレスを通知してカメラサーバからの画像を再び受信可能になる。IPアドレスの通知にかかる時間は5秒程度だ。

IPv6プロトコルスタックには『USAGI』を使用。移動中にセグメントが切り替わってIPアドレスが変わったあとでも、ホームエージェントの情報更新に多少時間がかかる以外は問題なく通信を継続することができた。

デモシステム
デモシステムの概要。「家庭」、「屋外1」、「屋外2」のハブはそれぞれ別のセグメントに置かれている。「家庭」のハブは「Mobile Node」のIPアドレス情報を管理するホームエージェントを介してインターネットに接続している。「Mobile Node」を一度「屋外1」のハブに接続すると、「Mobile Node」がホームエージェントに新しいIPアドレス情報を通知し、ネットワークに再接続する。

また、(株)アックスは『axLinux』のモバイルIPv6対応版を展示。こちらもIPv6プロトコルスタックは『USAGI』を使用しているとのこと。

『axLinux』搭載iPAQ『axLinux』搭載iPAQ。

また、(株)アックスは年末に同社の組み込みLinux用GUI『式神』の新バージョンをリリースする予定だという。新しい機能として、インターフェイスの改善を行なうほか、スケジューラなどで頻繁に登録されるデータを記憶しておき、予測されるスケジュールが記録されていないときにユーザーに尋ねるなどのAI機能を実装する予定だという。

(株)ユグドラジル・テクノロジーは、独立行政法人通信総合研究所と共同開発した、IPコントロールカー『Stir-1』のデモを行なっていた。

『Stir-1』
コース上を走る『Stir-1』。外観は通常のラジコンカーとほとんど変わらないが、放熱とWebカメラの視界確保を考えてフロントガラスが切り取られている。バッテリーは田宮模型の7.2V、3000mAのものを使用しており、30分程度は連続して使用することができるという。
『Stir-1』
『Stir-1』のコントロール画面。Webカメラからの画像を見ながら操作する。

『Stir-1』は、既存のラジコンカーに組み込みLinuxマシンを搭載し、舵角制御用のサーボモーターと動力源のモータ、コントローラ表示用のWebカメラをコントロールする。ユーザーはコントロール用の端末から、Webカメラの映像を元に操作する。開発担当者によると、IPv6を利用することで、1台の『Stir-1』にある複数のデバイスと双方向で通信することが可能になったという。今後はエンターテイメント用途での利用を前提に製品化されるようだ。

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