Lite-OnやECSと熾烈な(?!)マザーボード価格競争を繰り広げるなど、製品の安価さで知られるJetwayが小型キューブベアボーンPC市場へ初参入。Socket370搭載製品「MiniQ 360」を投入してきた。他社製のSocke370搭載キューブベアボーンPCより若干小ぶりな160(W)×260(D)×162(H)mmというサイズと、3万円を超えるのが当たり前となっている他社製品に対していきなり実売価格2万6800円~2万8800円という安価な価格設定が特徴の製品だ。グレーをベースにしたツートンカラーも他社製品とはまた違った印象を受ける。
他社製Socket370キューブベアボーンPCとの比較。幅、奥行き、高さともに若干小さい |
搭載するマザーボードはTualatinコア版PentiumIII/Celeronに対応する“Apollo PLE133T”チップセット搭載のLex System(BONA)製品「BN860T」。オンボードではD-Sub15ピンとSビデオ出力、アナログサウンド出力、ネットワーク接続といった外部インターフェイスを搭載しており、機能面では他社製品と比べると若干見劣るものの、必要最低限の機能に絞り込んでコストを下げたという考え方もできるだろう。
PCIスロットとZIFソケットの配置 |
気になるのは1本用意されるPCIスロットで、これには同梱のPCIライザを用いて標準サイズのPCIカードを差せるようになっているのだが、PCIカードの延長線上にSocket370が用意されている点には注意が必要だ。PCIスロットとZIFソケットまでの距離は実測値で84mmとなっており、ちょうど標準サイズのPCIカード程度。CPUクーラーと干渉することなく利用できるかどうかは、当該カードを実際に差してみるまではわからない。
またケースの仕様として、シャドウベイはマザーボードの下に用意されている。別にリムーバブルではないが、HDDだけ単独でメンテナンスできるようになっており、比較的便利だ。しかし、これによってマザーボードが上へとせり上がったため、ZIFソケットと3.5インチベイとの距離が40mmにまで狭められているのも注意が必要だ。PCIカードを利用しないのであればそれほど大きな問題ではないが、PCIカードの利用を考えているときは、あわせて薄型CPUクーラーの用意が必要となる可能性もある。
HDDのマウンタ。取り付ける際にはケース底面に用意されるメンテナンス用の穴からケーブルを接続する。側面から見てみると、マザーボードのせり上がりがよく確認できるだろう |
コストダウンによって生じた仕様上の制限をどう捉えるかで、MiniQの評価は大きく変わってきそうだ。機能や拡張性に期待し、小型の“マルチメディア機器”化するとなるとやや苦しいかもしれない一方で、ファイルサーバなどが用途であれば、コストパフォーマンスに優れた選択肢として浮上するだろう。これまでに登場したキューブベアボーンPCとは一線を画す存在として、価格を武器に意外な需要を生むかもしれない。ちなみにマニュアルは英語ながらフルカラーでていねいな作り。
フルカラーの英語マニュアル。写真がいかにも「製造中の工場内作業スペースで、デジカメで撮影しました」といった印象なのはご愛敬 |
価格 | ショップ |
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\26,800 | USER'S SIDE本店 |
\27,500 | OVERTOP |
\28,780 | コムサテライト2号店 コムサテライト3号店 |
\28,800 | 高速電脳 |