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モルフィーワン計画が中止の危機? 渦中の開発者に聞く

解約者が多ければ、計画断念の可能性も

2002年06月28日 17時01分更新

文● 編集部 佐々木俊尚

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日置弁護士によれば、今後の解約を申し出る人に対しては、全予約者の意向を確認し、解約希望者が少ない場合には返金可能であるが、解約者が多くなる場合には会社を清算し、モルフィーワン計画を断念せざるをえない可能性もあるという。その場合はすでに購入してある部品を換価し、現金になった分を全予約者に分配する。不足分については、法的にはモルフィー企画のただひとりの無限責任社員である佐川氏が責任を負うことになるという。

また顧問税理士は「モルフィーワンが完成して出荷されることが前提となるが、ここ1年以上のランニングコストと開発費用は佐川氏が私費を投入する形となっている。従って、予約金の返金要求が殺到するなどの取り付け騒ぎに発展しなければ、さほど倒産の危機はないと考えている」とコメントしている。

試作基板として現在の最新バージョンである『MO25』=佐川豊秋氏提供
新しく設計し直した筐体=佐川豊秋氏提供

佐川氏とのそのほかの一問一答は、次の通り。

[ASCII24] DOSがブートする試作基板を誰も見ていないという指摘があります。
[佐川氏] 昨年4月にMO19というバージョンの試作基板が完成し、7月ごろにはDOSが動きました。Borland Cで作った電池の電圧をモニターするプログラムも動いています。
[ASCII24] その後、どうして動かなくなったのでしょうか。
[佐川氏] 詳しくは話せません。ただ言えるのは、MO19のBIOSを私以外の担当者に委託していたのを、自分でその後作り直したのです。うまくいかなかった部分を全部自分で抱え込んでしまったことに、今回の原因があると思います。たいへん反省しています。
[ASCII24] 外装の筐体についても同じような問題があったと聞きますが。
[佐川氏] 外装についても、昨年夏にできあがった筐体にMO19を合わせてみたら、さまざまな部分で寸法が合わなかった。それでこれも自分で設計をし直しました。第2段階の試作品ができあがったのは、今年1月です。外装は単純にCADでお絵描きし、プロッターを利用して削り出せばいいというわけではない。できた外装に基板をはめ込んでみて、電源が通るかどうかなどさまざまな点を調べる必要があります。また量産時は型から起こすので、反転させてきちんと型が作れる構造になっているかどうかも確認しないといけないのです。
[ASCII24] 今年1月に完成した外装は問題はない?
[佐川氏] はい、ちゃんと試作基板をはめ込むことができています。
[ASCII24] 試作基板は現在どのような状況なのですか。
[佐川氏] MO19の後、いくつかテストバージョンを作った上で、昨年8月にデータが完成したのがMO25という試作基板です。これを2枚発注し、今年2月にできあがってきた。信号の波形や半導体のタイミングなどをテストした上で、BIOSのテストに入りました。RAMへのリードライトを繰り返すなどの単体動作テスト、それからメモリーへのデータのコピーやLCDモジュールへの信号、コンパクトフラッシュへのアクセスがきちんとできるかどうかといった機能テストを行ない、これもうまく行きました。そして今年のゴールデンウィークの最中、いよいよDOSのブートテストに入ったのですが、これがうまく動作しなかった。
[ASCII24] 原因は判明しているのですか。
[佐川氏] 当該の試作基板がさんざんテストを繰り返したために動かなくなったのか、あるいは別に問題があるのか。連休明けから3週間以上もテストと調整を繰り返していたのですが、途中で今回の騒ぎに突入してしまい、その対応で現在は作業がストップしています。
[ASCII24] 自分で作り直したことで、DOSがブートできなくなったのでは。
[佐川氏] 19と25では、BIOSのコンパクトフラッシュモジュール部分がかなり異なっています。また19は自動配線ツールを使って配線しましたが、基板上のスペースの節約や品質改善のために25は手作業で配線しました。しかしこの2つの点とも、DOSがブートしなくなる原因とは考えられません。他に原因があると考えています。
[ASCII24] 解決のメドは?
[佐川氏] 問題はまだ解決していませんが、私は技術的な不安は感じていません。大丈夫だと思っています。
[ASCII24] 部品の購入金額についても「高額ではないか」と批判が出ています。
[佐川氏] こうした部品については、生産が中止になったり値段が上がったり、入手も将来の予測も非常に難しく、厳しい状況でした。しかし購入した5000万円の部品については、「割安とは言えないが、不当に高く購入したともいえない」と感じられている方が多いようです。実際、DRAMについてはあの時購入しておかなければ、いまでは手に入らない部品になっていますし。
[ASCII24] 今後のスケジュールは?
[佐川氏] 私自身、きちんと外部に説明してこなかったことで今回の事態を招き、申し訳なく思っています。きちんと進行計画を立てたいと思います。計画が存続できるのであれば、これからDOSブート問題を解決し、それからさらに数枚のMO25を製造してテストを続けます。その後、量産時と同じ方法で基板、外装それぞれ10台を製造し、これをフィールドテストにかけます。これで問題がなければ、いよいよ量産に入ることになります。

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