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【TECHXNY 2002 Vol.1】“PC EXPO/TECHXNY 2002”が開幕──Tablet PCは11月7日発売

2002年06月26日 23時32分更新

文● 塩田紳二

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25日(米国時間)ニューヨークで“TECHXNY(テックエックス・ニューヨーク)”が開幕した。会期は27日まで。TECHXNYは2000年まで“WORLD PC EXPO”として開催していたイベント。今回はデジタルビデオ関連の“DV EXPO EAST”、ウェブビジネス関連の“Web Services Edge 2002 East”も併催されている。会場は、ニューヨークのイベントではおなじみの“Jacob K. Javits Convention Center”。IT関連では“Linux World”なども開催される場所である。

このPC EXPO/TECHXNYといえば、2000年に米トランスメタ社が米IBM社や(株)日立製作所、富士通(株)、日本電気(株)のCrusoe試作機を展示して話題になった。それ以来、なぜかモバイル系CPUのお披露目が続いているイベントである。PC EXPOといっていた頃、停滞した雰囲気でもう終わりかと思わせたが、どうもモバイルもので復活した感じ。そういえば、ソニーの“CLIE”もここが正式デビューだった。

米マイクロソフトはTable PCやPocket PC Phone Editionをデモ

さて、今年初めからの米国のイベントは、昨年のテロの影響や景気のせいもあってか、どこも出展社が減っている傾向にある。このTECHXNYも例外ではなく、出展社数は減っているようである。会場は、昨年と同じ程度のスペースを確保しているものの、途中を仕切り、奥のほうは使っていない。実際の展示面積でいえば、およそ昨年の半分といった感じだろうか。

米マイクロソフト副社長でProductivity and Business Servicesのジェフ・レイクス氏
米マイクロソフト副社長でProductivity and Business Servicesのジェフ・レイクス氏

初日のキーノートスピーチは、米マイクロソフト社のProductivity and Business Servicesグループ副社長のジェフ・レイクス(Jeff Raikes)氏。

Tablet PC対応Acrobat
米アドビシステムズ社の『Acrobat』にプラグインソフトを入れることでTablet PC対応となり、Acrobatの電子フォーム機能で文字認識などが使えるようになる

日本でも12日にTablet PCの発表があったが、今回はそのTablet PCの話題が中心。マイクロソフトとしては、今はTablet PCが一押しというところ。このところマイクロソフトのハードウェア面での提案は、Windows CE系が多かったが、ひさびさのパソコン(というかIA-32)での提案。イベント開催直前に米国で富士通がTablet PCの試作機を発表するなど、米国でも話題はなりつつある。このTablet PCだが、マイクロソフトは『Windows XP Tablet PC Edition』のスタートを11月7日と決め発表した。もうすぐOEMに対してβ版の配布が開始する状況だという。

『Microsoft Office Version 11』に含まれる『Outlook』
『Microsoft Office Version 11』に含まれる『Outlook』。デザインもかなり変更されるようだ

もっとも、キーノートスピーチではWindows CEの携帯電話機能統合版である『Pocket PC Phone Edition』もアピール。ちゃんと動作するものをデモできるようになったからである。また、次期OfficeであるVersion 11(いったいなんて名前になるんでしょうか?)についても触れた。Version 11ではXML対応を強化し、Tablet PCにも対応する。出荷は来年の中頃の予定。

『Pocket PC Phone Edition』GSM電話機能を内蔵し高速データ通信規格“GPRS”での通信をサポートする『Pocket PC Phone Edition』。もちろん通話も可能

米AMDがOpteronシステムを披露

さて、こうしたイベントの間、メーカーによるプレス向けの説明会やミーティングが行なわれる。米AMD社は、プロセッサーロードマップの変更はないようだが、サーバー/ワークステーション向け64bitプロセッサー『Opteron(オプティオン)』の2CPU、4CPUのシステムを別室でデモしていた(6月初めに開催された“Computex Taipei 2002”でも見せていたそうだが)。

AMDが見せたOpteron搭載の4プロセッサーシステムAMDが見せたOpteron搭載の4プロセッサーシステム
システムの負荷表示には4つのCPUが表示されている
システムの負荷表示には4つのCPUが表示されている

ただ気がかりなのは、ハイエンドサーバー向けの“SledgeHammer”を投入する場合のパートナーがいないこと。企業の基幹システムなどにはIBMや米サン・マイクロシステムズ社、米ヒューレット・パッカード社(コンパックコンピュータ社)などのマシンが入っているわけだが、これらはハードウェアやシステム構築を引き受けることができる企業である。つまり、こうしたメーカーでなければ、SlegeHammerが狙うハイエンドサーバーや64bitマシンの市場に参入することができないからである。ホワイトボックスでシステムを構築する例が皆無とは言わないが、まだごく少数にとどまっている。

ところが、いまのところサーバーを作るメーカーはあっても、総合サポートを行なう大手コンピュータメーカーがいない。ここは、どこかを引き込んで主力ハードウェアに採用してもらいたいところ。そうしないと64bit CPUもかつての『80286』(※1)のように“速いAthlon”としてしか認識されず、コストのみが重視される状態が続くのではないだろうか。

※1 かつて80286が登場した際に、“プロテクトモード”など新機能が追加されていたにもかかわらず、そうした機能はあまり使われず、単に高速な8086として利用されることが多かった。

さて、2日目キーノートスピーチはPalm OSの開発元である米PalmSource社社長兼CEOのデビッド・ネーゲル(David Nagel)氏。マイクロソフトの携帯電話統合版Windows CEに対してどんな話を持ち出してくるかが1つのポイントである。

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