「Matrox Parhelia」。チップクーラー上にはParheliaのロゴマークが刻まれている |
7月上旬の発売が予定されるMatroxの最新ビデオカード「Matrox Parhelia」(Parhelia:パヒーリア)の展示がアキバで始まった。熱心なファンを持つMatrox久しぶりの新製品ということで高い注目を集める同製品が公開されるのはこれが初となる。
Matrox ParheliaはMatrox製の最新GPUで、未だリリースされていないMicrosoft製最新3D API“DirectX9”をサポートする“Parhelia-512”を搭載する製品。Parhelia-512はその名のとおり、512bitのメモリコントローラを持つ、世界初登場となる512bit GPUである。256bit DDR SDRAMを最大256MB搭載でき、GeForce4 Ti4600のほぼ倍となる20GB/秒ものメモリ帯域幅を持つモンスターだ。レンダリングパイプラインの数はGeForce4 TiやRADEON 8500と同じ4だが、パイプラインあたりのテクスチャユニット処理数はGeForce4 TiやRADEON 8500の倍となる4で、さらにバーテックスシェーダ(DirectX9で“2.0”に)を4つ搭載する(GeForce4 Ti/RADEON 8500ではともに1つ)ため、1クロックあたりのテクセル性能は64と、DirectX8.x世代の2GPUに対して8倍に達している点も見逃せない。
8bit表示にしか対応しないDVIモニタ用のインターフェイスを装備する。DVIでも疑似10bit表示などが行えるよう対処してあるのかもしれない |
出力面を見てみると、まずRGBのフレームバッファがそれぞれ10bitとなる。10bit表示に対応するビデオカードは放送/映像機器など業務用のものに限られており、コンシューマレベルの製品が10bit表示に対応するのはこれがはじめて。従来のコンシューマ用ビデオカードでRGBの3色はそれぞれ8bit(256階調)で表現されていたため、256の3乗=約1677万色がフルカラーとされていたが、10bit(1024階調)で表現に対応するMatrox Parheliaでは1024の3乗=約10億色の表現が可能となった。コンシューマレベルでどれだけの画質向上を体感できるかは未知数だが、画像のキレに定評のあるMatroxらしいアプローチであるとは言えるだろう。なお、液晶モニタはその仕様上8bit表示までにしか対応していない点には注意が必要だ。
VRAMチップはInfineon製の3.3ns品 | カード上のインターフェイス近くにはそれぞれChrontel製のビデオエンコーダが配されている | 空きランドに貼られた型番シール。果たして何のためのパターンなのかはわからない |
実際に展示されているカードは発表されたものとよく似ており、Parhelia-512の周囲を128MBのVRAMが囲むような独特のボードレイアウトが印象的だ。展示時期を考えると、最終製品か、あるいは最終製品に限りなく近いものと判断していいだろう。外部インターフェイスはDVI-I×2で、DVI出力時は2台のモニタをサポート。また、バルク版のホワイトボックスにはDVI→D-Sub15ピン2股変換ケーブルとDVI→D-Sub15ピン変換アダプタを同梱しており、アナログ出力時(あるいはDVI×1とアナログ×2出力時)にはMatroxが“TripleHead”と呼ぶトリプルモニタ出力も可能だ。DVI→S/コンポジットビデオ変換ケーブルも用意しており、TVをセカンドモニタとして利用することもできるようになっている。
付属のケーブルとアダプタ。果たして製品でもすべて付属するのかは今のところ不明 |
26日に店頭展示を行っているのはT-ZONE.PC DIY SHOPとBLESS 秋葉原本店。両店とも、最初に入荷するのはバルク版であるとしている。Matrox製品らしく、コア/メモリクロックはリテール版の220/270MHzに対して200/250MHzと落とされているが、T-ZONE.PC DIY SHOPによれば、当初の発表とは異なり、バルクもリテールもVRAM 128MB版は“バルク”として発表されていたコア200MHz、メモリ250MHz(DDR 500MHz)で登場するとのこと。だとすれば、リテールを待とうとしていた人たちの多くがバルク版に飛びつくはずで、かなりの争奪戦が繰り広げられることになりそうだ。なお、このほかクレバリー2号店とTSUKUMO eX.もMatrox Parheliaを入手しており、4店ともに29日(土)から店頭動作デモを行うという。予価は「5万円前後」(T-ZONE.PC DIY SHOP)。7月上旬入荷予定で、来週中に店頭へ並ぶ予定もゼロではないとのこと。もうまもなく発売される、すべてが新しい、Matrox復活の狼煙となる最新ビデオカードのパフォーマンスをいち早くチェックしたいなら、週末の店頭は要チェックだ。
T-ZONE.PC DIY SHOPではTripleHeadデモが行われる予定とのこと。予価は5万円前後だという | TSUKUMO eX.では動作デモのほか、29日13時~14時にかけてデモンストレーションが行われることになっており、同店ではビラを配布して告知中 |