独Poet Software(ポエトソフトウエア)社(以下Poet)は19日、(株)菱化システムと(株)コマースセンター(以下CCI)との提携に合意し、国内で企業間の電子商取引向け電子カタログ作成・管理ツールソフトウェアの販売を開始すると発表した。日本市場でのディストリビューターは、Poetと技術提携を持っている(株)菱化システムが務め、CCIがPoet製品の販売とマーケティングを担当する。
Poet Softwareアジアパシフィック担当ディレクターの磯俣暢子氏 |
発表会で、Poetのアジアパシフィック担当ディレクターの磯俣暢子氏は「欧米では1999年から2000年にかけて、企業間の商取引を電子化しようという動きが始まり、購買システムの導入がなされた。しかし、購買をすべて電子化するという目標はなかなか達成されていない。原因は購買システムを導入しさえすれば商取引を電子化できるという誤解があったことや、コンテンツがいかに大切かということに対する認識が薄かったことにある」
「商取引の電子化に際してはコンテンツが重要。紙カタログでは製品番号と製品名称、簡単な製品の説明の記載があれば通用するが、電子カタログでは、商品の分類コードなど独特の情報が必要になる。しかし電子カタログを実際に作成するには煩雑な作業が必要になる」
「大手の購買企業が、サプライヤーに対して、購買システムに合った電子カタログを提供して欲しいという要求を出すと、サプライヤーはどうしていいのか分からず、サービス会社に依頼してしまうことが多い。しかしサービス会社に頼むと、情報が正しいかどうかが逐次確認できない。また、製品情報は生き物のように変わるので、日々更新していく必要がある。その都度サービス会社に頼むのは大変」
「しかし、サプライヤーを支援する費用対効果の高い電子カタログ作成のためのツールは不足している。弊社では、ウェブブラウザーによる簡単な操作で、効率的に電子カタログを作成できるツールを提供する」と述べた。
電子カタログ作成の流れ |
今回販売するソフトウェアは、電子カタログ作成ツール『eSupplierWeb(イーサプライヤーウェブ)』
。電子カタログのデータの取り込みと、データクレンジング、分類コードの設定、価格情報付け、製品表記の整理、電子商取引プラットフォーム向けのカスタマイズなどの作業が行なえる。標準価格は4300万円。製品の強みとして、Poetでは、製品の記載に関して、企業ごとにある独特の用語に柔軟に対応できるデータクレンジング機能と、企業の購買システムごとに柔軟に対応できる分類コード機能を挙げた。
eSupplierWebのシステム図 |
このほか9月には、サプライヤーが電子商取引サイトを開設する際にカタログの管理などを行なえるツール『eBuyerCatalog』、『eSupplierShop』などを発売する予定。価格は未定としている。
CCI代表取締役社長の武田英晴氏 |
発表会で、CCI代表取締役社長の武田英晴氏は「企業間電子商取引システムの構築に際して、システムの構築が先行して、電子カタログの作成をおろそかにする企業が多い。もちろん商取引システムやサイトを構築する必要はあるが、それは氷山の一角にすぎない。これを支えるために、膨大なコンテンツが必要になる。CCIは、電子商取引システム構築のための製品を提供している。2000年から現在までに、49サイトへの採用実績を持っている。われわれの製品と、電子カタログ作成・管理ツールに関して欧米で実績を持っているPoetの製品を、菱化システムの技術で連携させることによって、膨大なビジネスチャンスを生むシステムを構築できる」と述べた。
電子カタログ作成ツールを用いたカタログ流通のイメージ |
また磯俣氏は、日本市場での製品の展開について「日本市場向けに販売を開始するにあたって、ローカライズはもちろん、日本の電子商取引の現状に即した形でソフトウェアを提供する。具体的には、国内で主に利用されている20以上のカタログフォーマットへの変換をサポートしている。また、日本の商習慣に適応した拡張機能も提供する予定」と述べ、「日本の市場は非常にポテンシャルが大きい。ある調査によると、日本のIT投資の規模は、アジア全体の3分の2を占めているという。この、世界に誇る日本のIT市場におおいに期待している」と語った。