「OWL-PC-35」。ラックを取り付ける際には最後まで自分で押し込む必要こそあるものの、取り出しは非常に行いやすい |
モバイルラックを2基用意するタワー型PCケースというユニークな製品がLIAN-LIから登場した。ラックマウントケースでは別段珍しくないものの、コンシューマ用のタワー型ケースが標準で3.5インチHDD用のモバイルラックを搭載するのは珍しい。アルミケースが、ということになるとおそらく今回がはじめてだろう。
オウルテック扱いで「OWL-PC-35」と名付けられたこの製品は、188(W)×410(D)×367(H)mmという、'90年代後半に流行した小型サイズのフルアルミATXケース。ドライブベイは5インチ×1、3.5インチ×2、モバイルラック×2となっており、5インチベイとモバイルラックがすべて縦置き仕様となっているのも特徴だ。ラックに収められているカートリッジはUltra ATA/133に対応しアルミ製のヒートシンクを採用するもので、型番は「RH35」。最近のトレンドとなっている、取っ手がそのままカートリッジのストッパーになるという仕様ではなく、カートリッジの固定がやや甘いのは残念だが、ケース中央部に配されたラックへのアクセスがしやすいのは見逃せないところでもある。
カートリッジとラック部分。ラックのアクセスLEDは2つそれぞれに用意されている。このカートリッジ専用のモバイルラックは7月中に発売されるようだ。なおHDDラックの近くにはUSB2.0にも対応するUSB端子を2つ用意 |
一方で側面から見ると分かるように、小型サイズであるためATAPIケーブルの取り回しにはやや苦労しそう。マザーボードを取り付ける板部分をケース後方へ引き出せるようにはなっているが、一部のATXマザーボードでは物理的に取り付け上の制限が生じるかもしれない点は注意が必要だろう。ATAPI端子とDIMMスロットが並んで配されているようなマザーボードを利用する場合には事前に確認した方がいいかもしれない。
背面から。ケース前面下部には8cm角吸気ファンを搭載 | マザーボードを取り付ける板は引き出せる |
価格は高速電脳で2万6800円、コムサテライト3号店で2万9800円。電源を搭載しておらず、この点では割高感が否めないが、最近すっかり少なくなっている小型ATXサイズのフルアルミPCケースがモバイルラックを標準で搭載しているのを魅力的に感じる人は少なくないだろう。これまでになかったタイプの製品だけに、新しい需要を生む可能性もある。
ケース前面下部は空冷用にスペースが取られているのだが、ドライブベイを支える足には何かデバイスを取り付けられそうな穴も空いている |