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沖電気、金融機関向けチャネル連携システム“ChannelNavigator”を発表

2002年06月17日 21時47分更新

文● 編集部 田口敏之

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沖電気工業(株)は17日、同社が新設した金融システムのショールーム“FSC常設展示場”に報道関係者らを集め、CRMをベースに戦略的な営業活動を支援する、金融機関向けシステム“ChannelNavigator(チャネルナビゲーター)”を開発し、販売を開始すると発表した。出荷時期は10月で、サーバーやパッケージソフトウェア一式を含む標準価格は1億円からとなっている。

日谷氏
金融ソリューション第1部ソリューションコンサルティング部部長の日谷将氏

ChannelNavigatorは、営業チャネルに特化した顧客情報をデータベースとして整備し、戦略性の高い販売計画の立案や運営管理を可能にするCRMシステム。同社金融ソリューション第1部ソリューションコンサルティング部部長の日谷将氏は、金融機関チャネルの現状の課題について「金融機関の営業チャネルには、ATMやコールセンター、相談カウンター、および公共料金や税金の振り込み窓口などがあるが、それぞれが分離しており、情報の交換が行なわれていない。金融機関や、顧客のニーズや声をタイムリーに収集できず、例えばコールセンターで商品相談を受けているのに、来店した際にすぐ対応できないといった状況に陥る」と述べ、「顧客1人1人の情報を、マーケティング向けにデータベース化した“MCIF”(※1)は、90%近い金融機関が導入している。しかし、MCIFの顧客の最新情報をタイムリーに営業チャネルに反映する手段がなく、情報分析ができても、営業チャネル側に有効な情報を提供できずにいる」と語った。

※1 MCIF (Marketing Customer Infomation File):金融機関が構築する顧客情報データベースで、生年月日や職業、家族構成などの個人情報、預金やローンの情報、取引明細などをまとめたもの。

ChannelNavigatorのシステム概要
ChannelNavigatorのシステム概要

ChannelNavigatorでは、MCIFとは別に、顧客の基本情報や営業チャネルから入手する取引履歴などを集約してデータベースを作成する。不足している情報は、営業チャネルを顧客が利用するごとに、逐次追加していくことができる。また、取引履歴やアクセス情報を引き継ぎ、次に顧客が利用する営業チャネルへセールスアクション指示を通知することにより、“バトンリレー型”の営業活動を行なえる。そして、これらのセールス活動から得た顧客の反応や、顧客の営業チャネルの利用特性を集計、分析することにより、投資効果を重視したセールスキャンペーンの立案が可能だという。

顧客管理画面
顧客管理画面。各営業チャネルで取得した情報が入力され、共有することによって営業所ごとに顧客に適した対応を行なえる

発表会では同社は、ChannelNavigatorを利用した具体的な顧客サービスについてのデモンストレーションを行なった。内容は、一般受付窓口とATM、コールセンター、支社の相談カウンターといった各チャネル間で顧客情報を共有して、情報をバトンリレー方式で引き継いでいき、それぞれの顧客のニーズに即した相談や商談を行なえるようになっていた。

ATM
銀行のATMを利用する際に、顧客に対するメッセージを表示する

日谷氏は、同製品について「沖電気は、ご存じの通りハードウェア端末の開発、製造を主としている。銀行向けにも、ATMやRBT(Remote Branch Terminal)、ハイカウンター用の端末と、すべての営業チャネル向けに端末を出荷している。これらの端末を連携させ、金融機関における営業チャネルの連携を行なうための解決策を研究・開発してきた。そして現在、ネットワーク環境が整備され、金融機関もペイオフ解禁により、顧客の囲い込みと収入源の確保に向けたリテール部門の強化を図っている。この機会を得て、ChannelNavigatorを発表した」と述べている。また、メインターゲットは「主に地方銀行」とした。

このほか、同社は顧客の属性やニーズに合わせて、多様な商品サービスが最適なチャネルで提供できるように、金融機関が独自で開発する商品やサービスのほか、その垣根を越えた商品やサービスもサポートする予定としている。具体的には、すでにニッセイ情報テクノロジー(株)と、確定拠出型年金(401k)および銀行における保険商品の窓口販売を支援するビジネスの検討を行なっているという。

販売見込みとしては、発売から3年間で30ユーザーとしている。

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