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COOLPIX 4500

COOLPIX 4500

2002年08月26日 10時42分更新

文● アスキーPC Explorer編集部・行正 和義

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COOLPIX 4500

ニコン

10万5000円

「COOLPIX 4500」は、「COOLPIX 900」「同 990」「同 995」の流れを汲む回転レンズとフラットなボディを採用する400万画素デジタルカメラだ。

ポップアップ式フラッシュを装備しつつ
さらに小型化

 COOLPIX 4500は、COOLPIX 900シリーズでお馴染みのスイバル(回転)レンズ機構を持つ400万画素機だ。同シリーズのこれまでの製品を並べてみると以下ののようになる。

表 スイバル(回転)レンズ機構を持つ「COOLPIXシリーズ」
製品名CCD画素数光学ズーム標準価格発売時期
COOLPIX 9001/2.7インチ総130万画素3倍11万円1998年4月
COOLPIX 9101/2.7インチ総130万画素3倍9万9800円1998年10月
COOLPIX 9501/2インチ総211万画素3倍12万5000円1999年3月
COOLPIX 9901/1.8インチ有効320万画素3倍12万5000円2000年4月
COOLPIX 9951/1.8インチ有効320万画素4倍11万3000円2001年6月

 990まではレンズ部前面に内蔵されていたフラッシュが、995ではポップアップ式に変更され、本体の横幅を抑えた(149mm→138mm)ものの、レンズ部上面に盛り上がったフラッシュ部があるために無骨な印象を与える外観になっていた。

前面 背面
写真1 回転レンズ搭載機としては幅を抑えた小柄のボディになったほか、ポップアップフラッシュはボディの曲線を崩さないように収納される。レンズ周囲部にはアダプタ用ネジがあるので従来機用のテレコン/ワイコンが利用できる。写真2 横幅が小さくなったため、スイッチ類は液晶モニタの上下に配置された。表示されているのは撮影時のステータス。液晶をOFFにして光学ファインダ(左端)中心でも利用できる。

 4500では、このポップアップ式フラッシュを本体(レンズ部)の内部にきれいに収納し、新たに採用した滑らかな曲線フォルムを崩さない仕上がりになっている(写真1、2)。各部品の集積度もアップし、横幅は995よりもさらに8mm小さい130mmとなった。黒いマグネシウム合金ボディは「COOLPIX 2500」ほどカジュアルではないものの、従来までの質実剛健な印象から、多少親しみやすいデザインとなった。

メニュー
写真3 新たに搭載されたシーンモード。COOLPIX 775や2500と同様のアイコン表示となる。
 機能面を見ると、400万画素化されたほかは基本的に995を継承している。手動選択(5カ所)も可能な「マルチエリアAF」や近接2cmまでの「マクロ撮影機能」、夜景撮影に威力を発揮する「スローシャッターノイズリダクション機能」、「露出/ホワイトバランスブラケット撮影」や320×240ドットで約30枚/秒(最長35秒)の「高速連写」など、いずれも実用性が高い。また、900シリーズと共通の豊富なコンバージョンレンズ類も利用も可能なほか、シンクロ端子に外部フラッシュを接続できる。
 新たに搭載された機能としては、「シーンプログラム」(写真3)と「アオリ効果」(※1)がある。900シリーズでは、これまでマニュアル露出系機能(絞り優先/シャッター速度優先/フルマニュアル露出)のみで、シーンプログラム(プリセット)は搭載していなかった。搭載されたシーンは、ポートレートやスポーツ、夜景、風景など16種類で、夕焼け(赤色強調)やミュージアム(シャッター音/フラッシュなし)といったモードが用意されている点は「COOLPIX 775」/「COOLPIX 885」/「COOLPIX 2500」と同様だ。アオリ効果は、撮影済みの画像に対して台形の変形(Adobe Photoshopの「変形・遠近法」に相当)処理をかけて新しい画像として記録するもの。銀塩カメラのアオリ撮影に似た効果が得られる。さらに音声付き動画撮影や音声メモ機能や最大5分のバルブ撮影(995では最大1分)など、細かく機能アップしている。

※1 アオリ レンズとフィルム面に角度を付ける撮影法。斜めから撮った書類や下から撮影した建物を真正面から撮ったように見せるなど、遠近感をなくしたり、逆に遠近感を強調することが可能。



上面
写真4 握りやすいグリップ部のためホールド性は良好だ。フラッシュは、シャッターボタンを半押しにしたときに自動ポップアップするほか、レンズ部にあるボタンを押したときにポップアップするようにも設定できる。撮影時の機能のほとんどは、上面のMODE/FUNCボタンとダイヤルの組み合わせで各種機能を設定できる。
 とはいえ、小型化のためにスペックダウンした部分もある。まず目に付くのが、本体上部にあったステータス表示用モノクロ液晶がなくなった点だ。885やソニー「Cyber-shot DSC-P9」でも小型化のためモノクロ液晶が省略されているが、これらのレンズと液晶モニタが対称位置にあるデジタルカメラに比べ、4500のようなレンズ/液晶のアングルの自由度が高いレンズ回転式カメラでは上面ステータス液晶の必要度はそれほど高くはない。また、従来までは1.8インチカラー液晶モニタを搭載していたのに対し、4500では1.5インチカラー液晶モニタとなった。
 本体の小型化にともなってボタン/ダイヤル類の配置に変更はあるものの、各ボタンを押しながら本体右上のファンクションダイヤルを回すことで設定項目の変更を行うのはCOOLPIXシリーズに共通する仕様だ。目新しい操作性としては、背面にあるカーソルキーが従来の円盤状のものからスティック状に変更され、押し込むことで決定(SET)機能を持つ5WAYタイプとなった。COOLPIXシリーズでは伝統的にカーソルの右入力が決定キーの代わりとなるユーザーインターフェイスを採用するが、慣れない人にはとっつきにくいところもあり、初心者への配慮だろう。また、カーソルの右入力でも決定となるので、従来からのユーザーでも戸惑うことはないだろう。



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