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BLR3-TX4

BLR3-TX4

2002年08月14日 00時00分更新

文● アスキーPC Explorer編集部・山崎 敦

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BLR3-TX4

メルコ

1万4800円

メルコのブロードバンドルータ「BroadStation」シリーズに、Motorola製CPU「MPC8241」を搭載する「BLR3-TX4」が登場した。高性能CPUの採用により、実効スループット88Mbpsを実現しているというその実力に迫ってみよう。

上位製品と同等の高品位パーツを搭載

本体前面 本体背面
写真1 本体前面には、電源、LAN/WANのリンクアップと通信中を示すインジケータ、および自己診断機能の結果を点滅や点灯で表示するDIAGランプを備え、右側面にはLAN側ポートの動作状態を示すLEDを装備する。写真2 背面には10BASE-T/100BASE-TX対応のWAN側ポートとLAN側用スイッチングハブの4つのポートを装備。LAN側ポートはすべてAuto MDI/MDI-Xに対応し、WAN側ポートはストレートとクロスの切り替えスイッチを装備する。

 BoradStationシリーズのフラッグシップモデルとなるBLR3-TX4は、FTTH環境のポテンシャルをフルに活用するべく開発された製品だ(写真1、2)。CPUにはMotorola製「MPC603e」の組み込みバージョン「G2 プロセッサ・コア」を持つ、32bit RISCの「MPC8241」を採用する。このチップは、メルコの無線LAN製品「AirStation Pro」シリーズの無線アクセスポイント「WLM-L11G」にも搭載されている。WLM-L11Gは、ループ状に構成されたネットワーク内でデータが循環するのを防止すると共に障害時の迂回経路が確保できる「Spanning Tree」や負荷分散を行う「Load Balancing」といった、複数のルータと数十クライアント以上で構成されるような規模の大きなネットワークで利用する機器に欠かせない機能をサポートするほか、「RADIUS認証」を利用して強力なセキュリティが実現できる暗号化技術「IEEE802.1x(EAP)」などに対応する業務向け無線アクセスポイントである。こうした非常に高機能な製品と同じチップを搭載しているBLR3-TX4は、おのずと高いパフォーマンスを持っていることが期待できる。

基板
写真3 低価格ブロードバンドルータではちょっとお目にかかれないパーツが奢られているメイン基板。左上の大きなチップがMotorola製「MPC8241(200MHz)」だ。下部には用途の不明なMini PCIスロットも装備している。
 また、メイン基板に実装されているCPU以外のパーツ類も、ネットワークチップがADMtekの「AN983BL」をWAN側とLAN側に1つずつ、スイッチングチップはMarvell Semiconductorの5ポート対応「88E6050-RJJ」を採用するなど、個人向けの製品としては高価なものが使われている(写真3)。標準価格1万円以下のブロードバンドルータとは異なり、高性能を追求するためのハードウェア構成となっている。



設定画面
図1 本体機能の設定メニューは「簡易設定」と「詳細設定」に分かれており、とりあえず簡易設定の項目を入力すれば使い始めることが可能。詳細設定メニューを利用すれば、IPアドレス変換テーブルやルーティングテーブル、パケットフィルタを任意に指定できるなど、豊富な機能をフルに活用できる。

 そのほかの機能では、7月中にファームウェアのアップグレードでUPnPへの対応が予定されており、Windows Messengerによる動画/音声チャットやファイル交換などが特別な設定なしに利用可能になる。また、IPアドレス/プロトコル/ポートを任意に指定できる「双方向パケットフィルタ」、LAN上のサーバをインターネットに公開したりネットワークゲームを楽しむために必要な「静的IPマスカレード」や「DMZ設定」、MACアドレス登録が必要なCATVインターネットなどでも、登録を変更せずBLR3-TX4を利用できる「MACアドレス変更」など、ブロードバンドルータに求められる機能は網羅している。さらにルーティングテーブルの設定や、RIP1/RIP2の送受信機能も装備しており、家庭だけでなくビジネス用途で本格的なネットワークの構築にも利用できる。これら本体機能の設定は、LAN上のPCからWebブラウザをインターフェイスにBLR3-TX4にネットワーク経由でアクセスして行うが、オリジナルの設定メニューは、メニュー階層が「アドレス変換」「パケットフィルタ」という具合に細かく分かれているため、目的のメニューを探しやすく必要な項目にダイレクトにアクセスできる(図1)。しかも、項目ごとに動作内容を解説するヘルプ画面が用意されているなど、高機能なブロードバンドルータでありながら初心者ユーザーでも設定しやすいように工夫されており、非常に操作しやすいメニューである。

 最低限の機能を搭載し、低価格さを売りにするブロードバンドルータが増えている中で、1万4800円という標準価格は高価な印象だが、マニア受けする高いハードウェアスペックと良く作り込まれたファームウェアを考えれば、むしろ安価と言えるだろう。しかも同クラスの製品の中では飛び抜けたスループットも実現しており、コストパフォーマンスを考えれば非常にお買い得な製品だ。FTTHの導入を考えているユーザーには最良の選択肢の一つであることは間違いない製品だ。

BLR3-TX4の主なスペック
製品名 BLR3-TX4
WAN側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX
LAN側インターフェイス 10BASE-T/100BASE-TX×4
サイズ 76(W)×155(D)×170(H)mm
重量 約510g

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