(株)アッカ・ネットワークスは14日、提供中の8MbpsのADSLサービスを最大で10Mbpsに高速化するためのファームウェアの提供を7月中旬に開始すると発表した。ファームウェアは無償で提供する。
これはITU-T G.992.1(旧称 G.dmt)の“S=1/2(※1)”による下り速度の拡張オプションを利用したファームウェアを、NTT収容局内の同社の設備と、宅内側モデムの両方でバージョンアップすることで下り速度を最大10Mbpsまで高速化するもの。7月中旬より東京23区内のサービスエリアのNTT収容局ごとに順次実施し、9月末までに全提供エリア(534NTT収容局)での作業を完了する予定。対象となるIPSは、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)の“OCN”、ニフティ(株)の“@nifty”、日本電気(株)の“BIGLOBE”、ソニーコミュニケーションネットワーク(株)の“So-net”、(株)朝日ネットの“ASAHIネット”、(株)フリービット・ドットコムの“ReSET.JP”。
※1 S=1/2技術 :S=1/2(エス・イコール・ニブンノイチ)技術は、ADSLが、伝送途中でノイズなどにより発生する伝送誤りをデジタル技術で自動訂正するための誤り訂正ビット列(パラメータ:S値1から16)を含んだデータを伝送していることから、ノイズなどの影響をそれほど受けていないと考えられる条件の場合に、誤り訂正ビット列を減らし、実データの伝送に割り当てて、リンク速度を高速化する技術。同社によれば、下りの最大速度が向上すると見込まれるユーザーは、現時点で下りDSLリンク速度が8Mbpsとなっていることが条件となるという。レンタルモデルの場合は、新ファームウェアをホームページからダウンロードしてバージョンアップすれば10Mbps対応となる。同社が推奨/認定した市販の8Mbpsモデムの場合は、各モデムメーカーが“S=1/2”を実装した新ファームウェアを提供する予定で、提供時期については順次ホームページで告知する。
同社ではまた、今秋にはエコーキャンセラー技術“C.x(シー・ドット・エックス)”(仮称)を採用し、伝送限界距離の長距離化と全体的なリンク速度の高速化を図るとしており、“下り最大速度約12Mbps、最大伝送距離約7km(線路長)かつ約500kbps速度上乗せを実現できる新サービス”を提供する予定としている。