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日本IBM、ビジネスプロセス統合ミドルウェア『IBM CrossWorlds』を発表

2002年06月11日 22時37分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本アイ・ビー・エム(株)は11日、都内で記者発表会を開催し、ERPやCRM、SCMのパッケージ製品と基幹系システムとを連携させてビジネスプロセスを統合するミドルウェア製品群『IBM CrossWorlds V4.1.1』(日本語版)を発表した。28日に出荷開始予定。導入時の価格(システム全体として)はおよそ6000万円からとしている。

CrossWorldsはもともと、米CrossWorlds Software社の製品。米IBM社が1月に同社を買収したことによりIBMのeビジネスソフトウェア製品ファミリー『WebSphere』との連携を図るとともに、日本語化を進めていた。

『IBM CrossWorlds』によるビジネスプロセス統合の特徴
『IBM CrossWorlds』によるビジネスプロセス統合の特徴

CrossWorldsは、プロセス統合のハブとしての役割を持った中核となる製品『IBM CrossWorlds InterChange Server(ICS)』、ICSと各アプリケーションや基幹システムとを結ぶ『IBM CrossWorldsコネクター群』、さまざまな業種や用途向けにビジネスプロセスを定義したテンプレート『IBM CrossWorldsコラボレーション群』、およびシステム管理やビジネスプロセスのモデリングなどを行なうツール群『IBM CrossWorlds Full Toolset』で構成される。

対応するOSはWindows NT/2000 Professional/2000 Advanced Server、AIX V4.3.3、Solaris7/8。データベースは『DB2 V7.2』、『Oracle 8』、『SQL Server 7.0/2000』。コネクターを用意するアプリケーションは『SAP R/3』、『Siebel』、『i2 Active Data Warehouse』、『Broadvision』、『PeopleSoft』など。コラボレーション群は、テレコミュニケーション、保険、リテール、製造などの業種向けを用意する。

これまで、ビジネスアプリケーションの統合を図る場合は複雑な作業が必要で、かなりの工数、期間が必要だったが、CrossWolrdsではプロセスのテンプレートやデータモデルを装備しているために、短期間で導入が可能としている。また、アプリケーション連携の実作業に関しては、ビジュアル化した管理ツールによって、プログラマーではない業務の専門家が定義、変更、最適化といった作業を行なえるとしている。

発表会で行なわれたデモンストレーション。SiebelからCrossWorldsへのデータ取り込みを定義しているところ
発表会で行なわれたデモンストレーション。SiebelからCrossWorldsへのデータ取り込みを定義しているところ

CrossWorldsはすでに北米で100社以上の導入実績があるという。日本IBMでは、「今後日本でも企業におけるビジネスプロセス統合の導入が急速に進むと考えている」(日本IBMソフトウェア事業部WebSphere事業推進ビジネス開発担当部長酒井秀雄氏)としている。発表会に出席した、日本IBM理事でソフトウェア事業部長の平井康文氏は「IBMは今後も、これまでのTivoli、Lotus、Infomixなどのように、社外製品を取り込んでポートフォリオを広げてきた方針を続ける」と述べ、今後も買収などによってeビジネス関連製品の充実を図っていくという考えを示した。

日本IBMソフトウェア事業部WebSphere事業推進ビジネス開発担当部長酒井秀雄氏(左)と同社理事でソフトウェア事業部長の平井康文氏(右)
日本IBMソフトウェア事業部WebSphere事業推進ビジネス開発担当部長酒井秀雄氏(左)と同社理事でソフトウェア事業部長の平井康文氏(右)

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