富士通(株)代表取締役社長の秋草直之氏 |
富士通(株)は11日、同社の環境問題への取り組みを報告する“2002富士通グループ環境ソリューションフォーラム トップエグゼクティブセミナー~ITが拓く循環型社会~”を東京・第一ホテルで開催した。あらゆる企業の代表者や関係者などが多数参加した。
会の冒頭はオープニングスピーチとして、代表取締役社長の秋草直之氏が挨拶し、同社の環境問題への取り組みについて説明した。
富士通の環境問題への取り組みは比較的早く、環境問題については富士通、 および富士通グループが一体となって取り組んでいる。環境問題が今ほど取りざたされていなかった1992年、社内で“環境憲章”を制定している。
このときからちょうど10年経った現在を考えると、秋草社長は「当時の状況から考えると環境問題への取り組みは、Better(やることが望ましい)からMust(やるべき)へと変わってきた」とし、「環境問題に取り組んでいなければビジネスはできない」と述べた。
また、同社では新規開発のすべての製品を、環境の配慮した部品を使用した
“グリーン製品”にするとして、2002年度末までに提供するという目標を自ら掲げた。結果、2001年度には新規開発製品のうち41.9%をグリーン製品として提供したという。
今後、同社では2002年度末までに、グリーン部材の調達額を99%以上に達成させるという。
同社の環境問題への取り組みをアピールする環境広告の一例 |
グリーン製品の例として、再生プラスチックに適した塗料の開発、植物性プラスチックを利用した半導体用搬送テープ、大豆インキで印刷したダンボール箱などを挙げた。また、5日に発表された“原料がトウモロコシのパソコン”もこの試みのひとつである。
さらに、1998年度からゼロエミッションを実現すべく、同社の廃棄物処理量や化学物質の排出が大幅に減少している点も示し、開発・設計の段階から販売・使用するといったプロセスの中で一貫してリサイクルを意識し、“壊れにくく、壊しやすい製品”を実現させてきたとアピールした。
これらの取り組みは対外的にも高く評価されており、米ダウジョーンズ社が世界2500社を対象に環境問題への取り組みを行なっている企業を調査したところ、同社はコンピューター部門で3年連続1位を獲得していることを報告。
また、EU(欧州)リサイクル法の動きも視野に入れつつ、2002年7月からシステム構築に着手し、グローバルリサイクルセンターを国内5ヵ所に設置したことを報告した。
フォーラムではさらに、デジタル社会と環境問題について、経済アナリストの室田氏が、パソコンの発展過程やインターネットの発展過程の歴史と、今日のデジタル社会についての講演を行なった。
そのほか、専務取締役の高島章氏、常務取締役の斑目廣哉氏が同社の取り組みに
ついて解説を行なった。