Celeronプロセッサのリテールパッケージ3品 |
Akiba2GO!を読むと原稿執筆時点におけるデスクトップPC向けインテル・プロセッサは、Pentium 4-2.53GHzを筆頭に533MHz版、400MHz版それぞれの製品ラインナップが整い、市場では「対応マザーボードの発売ラッシュがひと段落」と言ったところだろうか。その一方で、こちらとこちらのレポートを見てみるとローエンドプロセッサが話題になっている。「ローエンド」と言えども動作クロックは1GHzをはるかに超えて1.4GHzや1.7GHzという高クロックの製品。ここ数年間、向上するプロセッサの動作クロックとつき合ってきた者として、これら1GHzオーバーで動作するプロセッサが1万円少々の予算でゲットできるなんてとっても素敵な時代だと思ってしまう。少なくとも筆者の懐具合(現時点)だとPentium 4シリーズの最速プロセッサは、おいそれとレジに運べないがCeleronなら最速品でも何とかなりそうなプライスである(CPUの価格に関しては【サハロフ佐藤のアキバ定点観測】6月1日調査分や5月25日調査分を参照 )
●2タイプのCeleronプロセッサ
さて、前述のレポートでも分かる通り、現時点でCeleronにはSocket370タイプのTualatinコア版とSocket478タイプWillametteコア版が存在しており、それぞれ1.4GHz品と1.7GHz品がショップの店頭に並んでいる(原稿執筆時点でCeleron-1.8GHzのバルク品は一部で確認されているがリテールパッケージは未登場)。今さら説明するまでもないのだが、両者の主だったスペックを【表1】に書き出してみるとネーミングは同じ“Celeron”であるものの異なっている。ちなみにどちらのCeleronを選ぶのかは、個々のユーザーの都合に大きく影響するだろう。
【表1】Celeronプロセッサのタイプ別相違点- | Celeron-1.4GHz | Celeron-1.7GHz |
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ソケットタイプ | Socket370 | Socket478 |
コア | Tualatin | Willamette |
スケール | 0.13μm | 0.18μm |
1次キャッシュ | 16KB | 8KB |
2次キャッシュ | 256KB | 128KB |
規定コア電圧 | 1.50V | 1.75V |
消費電力 | 34.8W | 63.5W |
例えば、既存または余っているメモリやマザーボードの都合でSocket370環境がそこそこ整っている場合に最小必要限度の投資で済まそうとするなら、Socket370タイプのCeleronを選択すれば手元のパーツ資産を有効に活用できる。あるいは、Tualatinコア版Celeronの消費電力が比較的(圧倒的)少ない点に注目すれば、最近話題の小型キューブベアボーンPCに向くデバイスだとも言える。はたまた、一気に「Pentium 4-2.53GHz」と行きたいところだが当座の予算が厳しい場合には、将来性を重視して最新のSocket478マザーボードと手頃なメモリをとりあえず確保しSocket478タイプのCeleronで完成させておけば、いつでも狙いの高クロックPentium 4プロセッサへアップグレード可能である。ただ、こうした場合に気になるのが、Celeronプロセッサを使って組み上げるパソコンのパフォーマンスだ。それともうひとつの要素として、どの程度のオーバークロック耐性を示すのか興味を持つユーザーも多いことだろう。
そこで今回の課題は、この2点についてSocket370タイプのTualatinコア版Celeron-1.4GHzとSocket478タイプWillametteコア版Celeron-1.7GHz及び1.8GHzを用意し、そのパフォーマンスを探ってみた。