NTTインターコミュニケーション・センター(NTT ICC)は、6月21日から8月11日まで、“プログラミング”と“アート”をテーマとする展示会“アート.ビット コレクション展”を開催している。この展示会では、“テクノロジーとアートの融合がもたらす人間の表現力、創造力の可能性を探求する”というNTT ICCの活動の一環として開催されるもので、コンピューターには欠かすことのできない“プログラミング”や“ソフトウェア”を“アート”のひとつと位置づけ、7つのユニークなテーマに分類されたさまざまなソフトウェアが紹介されている。
“アート.ビット コレクション展”会場エントランスのロゴ。タイトル中の“ビット”は、コンピューターのプログラムのことを示しているとのことだ |
展示スペースはごらんのように薄明かりの不思議な空間。会場の雰囲気のせいもあり、普段接するパソコンが、全く別の何かのように感じてしまう |
それでは、各セクションの紹介と、特に目に付いた作品を順に説明していこう。
Visual Programming Environment
視覚的コンピュータ・プログラミング環境
“プログラミング”というと、プログラムの仕組みを考えることだけでなく、開発言語の習得が必須事項なので、敷居の高さを覚える人が少なくないだろう。しかしこのセクションで紹介されているプログラミング環境は、簡単なルールを示すグラフィックスを組み合わせていくことで、プログラムを作っていこうというソフトだ。本セクションのテーマに“プログラミング言語”という単語が用いられていないのは、そのあたりを表しているのだということだ。
画面内の左側にある、中央が壁に仕切られた黄緑色の“土台”は“ルール世界”で、左のものが右のものに変化する、ということを表している。画面右側は“実行世界”で、プログラムの実行結果はここに表示される |
さらに大きなプログラムを作るときは、この“土台”をどんどん追加し並べていく。条件分岐を交えつつこれらを組み合わせていくと、下の画面のような『インベーダーゲーム』まで作れてしまうというのだ。 覚えるべきことはいたってシンプルだが、それだけに、思ったようなプログラムを作るのは工夫が必要でちょっと難しい。ただ、やっていること自体はプログラミング言語でプログラムを書くときと同じはずなのに、おもちゃのブロックでお城を作るような面白さだ。
『3D-Visulan』で作られたインベーダーゲーム。画面手前に配置されているのが“実行世界”で、いわゆるゲームのプレー画面にあたる。その背後にずらっと並んだブロックの列がプログラム本体 |
『MindRover』。これは車のセットアップを行っている画面だ。パーツの機能、他パーツとの連動、さらに重量やスペースを考えながらセットアップしなければ、ライバルに勝つことはできない。対戦するステージのルールにマッチしたパーツセッティングを探ろう |