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【LinuxWorld Expo/Tokyo 2002レポート】(その5) 展示会場レポートーハードウェア編

2002年05月31日 00時00分更新

文● 編集部

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32Wayの『Itanium 2』サーバが登場!

日本電気(株)のブースでは、まだ正式に発表されていない『Itanium 2』を搭載したシステムが展示されていた。

『Itanium 2』サーバNECの『Itanium 2』サーバマシン。

取材した時点では、8基の『Itanium 2』を搭載したシステムが動作していた。システムには最大32基のプロセッサを搭載し、シングルシステムイメージで動作させることが可能なほか、4基ごとに1つのシステムを動作させることで、最大8システムを同時に稼働させることが可能だ。製品化は、米Intelの正式発表のあとになるため、現時点では未定だ。

『Itanium 2』サーバの内部
『Itanium 2』サーバの中身。4基のプロセッサ単位でシステムに追加される。

富士通のブレードサーバ

富士通(株)は、5月28日に発表したブレードサーバ『PRIMERGY BX300』を展示していた。

『PRIMERGY BX300』
『PRIMERGY BX300』。
『PRIMERGY BX300』のブレード
『PRIMERGY BX300』のブレード。1枚のブレードに低電圧版モバイルPentium III-866MHz×2、最大80GBのHDD(40GB×2)、最大2GBのメモリ(1GB×2)などが搭載される。また、ブレード1枚ずつにKVMスイッチが内蔵されている。

『PRIMERGY BX300』は、3Uラックマウントサイズのシャーシに最大20枚のサーバブレードを搭載することができる。対応しているディストリビューションは、現在のところRed Hat Linux 7.2のみだ。製品の価格は、ブレードが27万円より、シャーシが65万円。出荷開始は8月上旬を予定している。

『PRIMERGY BX300』デモ『PRIMERGY BX300』のデモ機。

(株)ゲメックスの高信頼ハードウェア『SERVER THE BOX』

(株)ゲメックスは、小型で信頼性にこだわったサーバマシン『SERVER THE BOX』を展示していた。

『SERVER THE BOX』
(株)ゲメックスブースの『SERVER THE BOX』。さまざまなカラーリングの機体が展示されていた。

『SERVER THE BOX』は、容積3.5リットルのケースにハードウェアRAIDや100BASE-TXのインターフェイスなど、サーバマシンに必要なスペックをまとめた製品。同社代表取締役 坂本丈治氏によると、小型のハードウェアを開発することが目的だったわけではなく、データ転送エラーなどを防ぐようなハードウェア設計の結果として小型化せざるを得なかったのだという。また、部品の信頼性などにもこだわったとしており、「SOHOなど、温度管理や防塵などのない過酷な環境でも長く使える」製品だと語った。

『SERVER THE BOX』の中身
ハードウェアは、信頼性やスループットを重視して、CPUにCeleron-566MHz、Intel 440BXチップセット、Intel 82559ネットワークコントローラなどを使用しているほか、抵抗やコンデンサについてもすべて工業用の部品を使用し、信頼性を高めている。また、伝送エラーを減らすため、IDEケーブルを使用せず、バックプレーンボードを使用している。
『SERVER THE BOX』デモ
デモでは、ビデオストリーミングの配信を行なっていた。ネットワークコントローラチップが搭載されているので、CPUにほとんど負荷をかけることなく、1台の『SERVER THE BOX』で、最大14クライアントへの配信が可能だという。

日立『FLORA-ie 55mi』

(株)日立製作所は、Linux搭載のインターネットアプライアンス『FLORA-ie 55mi』の新モデルを出展していた。

『FLORA-ie 55mi』
『FLORA-ie 55mi』。旧モデルと比べてシンプルな外観になっている。無線LAN内蔵や、Midori Linux搭載といったスペックに大きな変更はない。

新モデルでは、外観のデザインを一新したほか、設置方式に新たに壁掛けやアームをサポートした。これまでの販売管理などの用途のほかに、マンションや病院などに設置し、インターネット端末として利用したり、ファミリーレストランなどの情報端末としての利用も検討しているという。

『FLORA-ie 55mi』アーム
『FLORA-ie 55mi』アーム搭載版。病室のベッドなどに取り付けて使用することを想定しているほか、店頭での製品紹介などにも利用したいそうだ。また、壁掛け型のクレードルも用意され、マンションなどの情報端末として利用することも検討されている。下にあるのは旧型のモデル。

Linux搭載POSシステム

(株)メディアミックスは、Linux搭載のPOSシステムを出展した。

Linuxレジスター
Linuxレジスター。PostgreSQLが内蔵されており、販売データの管理や、勤怠管理機能も内蔵されている。

このシステムは、オーダリング用のiPAQ、受け付けた注文を表示する装置、POSレジスタで構成される。システムはすべて無線LANで接続されており、注文データはすぐに厨房へ送られ、料理が完成した情報もすぐにレジスターへと送られる。今年の1月より、(株)キリンシティの各店舗へ実際に導入し、運用を開始している。Windowsベースのシステムと比べて低価格なだけでなく、ネットワークとの親和性が高いのが大きな特徴だ。

オーダリング用iPAQ
オーダリング用iPAQ。無線LANでレジスターに注文データを送信する。キリンシティ各店舗でも実際に用いられているものだ。
厨房用の注文管理端末
厨房用の注文管理端末。オーダリング端末からの注文を表示する。キリンシティでは、上でご紹介した『FLORA-ie 55mi』を使用しているという。

日本IBM『Linux自動販売機』

日本アイ・ビー・エム(株)のブースでは、今年1月にNew Yorkで行なわれた『LinuxWorld Conference & Expo/New York 2002』でも展示された、Linux搭載の自動販売機を展示していた。

Linux搭載の自動販売機Linux搭載の自動販売機。説明員の方も、日本語ができるということで、1月の『LinuxWorld Conference & Expo/New York 2002』と同じ方が担当していた。デモでは、実際にペットボトル入りミネラルウォーターを注文し、参加者に配布するというサービスが行なわれていた。

内部にはLinuxシステムが2つ用意されており、大きい画面を表示しているシステムがWebサーバとDBサーバを持ち、通信と販売ログ蓄積などを行なう。商品の販売、決済などの処理は、組み込みのシステムが行なっている。販売データはネットワークを通じて本部に送られ、自動販売機ごとの売り上げなどを見ることが可能だ。

注文用のPDA
クレジットカード情報を送信する注文用のPDA。Linux版Zaurusを使用していた。無線LANで情報をやりとりする。自動販売機の在庫などを表示することも可能だ。製品化する際には、セキュリティなどの問題から無線LANは使用しないだろうとのことだ。
管理サーバ
自動販売機の販売管理サーバ。自動販売機をIPアドレスで特定し、それぞれの販売データを一元管理することができる。

アイアールキューブのCF-HDD変換アダプタ

アイアールキューブは、IDEハードディスクの代わりにコンパクトフラッシュを利用可能にするアダプタを展示、販売していた。

CF-HDD変換アダプタ
CF-HDD変換アダプタ。ノートPCに使用しているが、これによりバッテリーの持続時間が長くなり、軽量化にもなる。

この製品は以前『Akiba2Go! 』でもご紹介したもの。3.5インチ版と2.5インチ版がある。動作速度はDMAモードが利用できないため、システム起動時間が通常のハードディスクの2倍程度になるということだが、通常の使用にはそれほど支障ないレベルだという。また、この夏には新製品として、コンパクトフラッシュカードを2枚同時に利用できる製品もリリースする予定だという。システムとスワップ領域を物理的に別のメディアに割り当てることが可能になり、システム領域のコンパクトフラッシュの寿命を延ばすことが可能になるという。

CF-HDD変換アダプタ製品
CF-HDD変換アダプタ製品。3.5インチドライブ用と2.5インチドライブ用がある。会場で即売も行なわれていた。

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