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JEITA新会長に谷口一郎三菱電機会長――「我々は消費者が買いたいと思うものを出す義務がある」

2002年05月31日 23時52分更新

文● 編集部 田口敏之

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(社)電子情報技術産業協会(JEITA)は31日に通常総会を開催し、任期満了となった森下洋一松下電器産業(株)代表取締役会長に代わる新しい会長として、谷口一郎三菱電機(株)代表取締役会長を選出した。総会の終了後、谷口新会長は記者会見で所信表明を行なった。

谷口一郎三菱電機(株)代表取締役会長
谷口一郎三菱電機(株)代表取締役会長

谷口会長は、記者会見の冒頭で「2001年の電子工業の国内生産は約21兆4000億円、前年比16.3%減と過去最大の落ち込みとなった」と前置きし、「2002年の見通しも不透明で、今なお厳しい事態に直面しているが、必ず力強い発展の道を歩むと確信している。今年1月に、2002年は前年比0.7%増と発表したが、これは十分達成可能だと考えている。ITの進展による技術革新や市場の創出が日本経済を導くのであり、JEITAと会員企業が、IT業界の代表としてその中核となる義務を担っている。日本経済再生のためにも、産業競争力を強化して、世界との競争に打ち勝っていくことが最重要課題であると認識している」と述べた。

谷口会長は、JEITAの2002年度の事業計画の中における重点計画として、以下の5項目を挙げた。

IT革命への積極的貢献
“e-Japan重点計画”の見直しに対して、ベンダー業界として要望や意見をとりまとめ、積極的な提言を行なう。
新市場の開拓と、市場環境の整備
BSデジタル放送の普及を支援するとともに、110度CSデジタル放送とBSデジタル放送との共用受信機の導入を促進する。
技術力強化と技術開発の促進
電子・情報産業発展のために重点的に開発すべき技術を抽出し、その実現のための方策を提言する。また、産官学の連携の強化に協力する
グローバル化への対応
電子情報技術産業に関わる、グローバル化のニーズに合った国際的な情報発信を強化するとともに、各国の業界団体との交流を促進し、国際協調の維持発展のための協力事業を行なう。
環境問題への取り組み
資源有効利用促進法に基づいて、使用済みパソコンの回収・再資源化システムを構築し、リサイクル費用の税制上の扱いなど、社会システムとして機能できる体制の確立を目指す。

谷口会長は「デジタルテレビやフラットパネルディスプレーなどの売り上げは、対前年、対前月で約120%増の伸び率を示している。日本は映像技術については世界一だと思う。こういうものを先導的に進めていくことが産業活性化につながる。しかし、すぐに他の工業国が追いついてくるだろうから、さらにその先を、次世代の製品に今から手をつけていき、最先端の立派な製品を製造し続けていけるようにしたい」と述べた。

また谷口会長は「銀座にブランド店ができ、そこに長蛇の列を作る人たちがいる。こうして見ると、消費者はお金を持っているのだということに気付く。白物家電にしろAVにしろ、消費者が買いたいと思うものを、我々は出す義務がある」と語り、「JEITAも会員企業も頑張っている。回復の見込みについてネガティブなことばかり言わず、消費を促していっていただきたい」とした。

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