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オムロン、デジタルイメージングサービス“撮即プリント”をスタート

2002年05月29日 18時23分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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オムロン(株)は29日、デジタルカメラのプリントポータルサービス“撮即プリント”を10月に開始すると発表した。

“撮即プリント”は、デジタルカメラで撮影した写真データのプリントをはじめとするデジタルイメージングサービスを、デジタルカメラプリント端末『DCS(デジタル・コンテンツ・ステーション)』や家庭のパソコン、携帯電話などを通じて提供するもの。

サービス概念図
デジタルカメラのプリントポータルサービス“撮即プリント”のサービス概念図

デジタルカメラで撮影した画像のプリントにおける従来の問題点として、家庭のプリンターで印刷するとすぐに色褪せてしまう、既存の店頭セルフプリントサービスでは大量にプリントする場合時間がかかる、店頭受付サービスの場合は記録メディアを店頭に預けなければならない、などが挙げられるが、“撮即プリント”は、DCSの機能やパートナー企業との連携によりこれらの問題を解決しているという。

DCSは、スマートメディアやコンパクトフラッシュなど7種類の記録メディアを扱えるマルチメディア端末。昇華型プリンターを内蔵しており、記録メディアに保存されている写真データなどを読み込んで、その場でプリントすることが可能。また、インターネット機能を搭載しており、読み込んだ写真データをインターネット経由でラボセンターに伝送するインターネットプリント注文受付サービスも提供できる。

対応記録メディアはスマートメディア、コンパクトフラッシュ、メモリースティック、PCカード、CD-ROM、MO、FD。さらにスキャナーも内蔵しており、紙焼き写真やカードなどの画像を読み込んでプリント出力、もしくは記録メディアへの書き込みが可能。同社は、このDCSを家電量販店やショッピングセンター、アミューズメント施設などに設置するべく準備を進めているという。

DCSデジタルカメラプリント端末『DCS(デジタル・コンテンツ・ステーション)』。タッチパネル方式で画面を操作しながら、写真データの印刷や、インターネットプリント注文を行なえる
操作画面
DCSでプリント注文する場合の操作イメージ

同社は、“撮即プリント”の利用シーンとして、1:店頭に設置してあるDCSを使ってインターネット経由でプリント注文し、即日または翌日同店頭で受け取る、2:家のパソコンからインターネット経由でプリント注文し、指定のコンビニエンスストアで受け取る、3:携帯電話を利用して専用サイトからプリント注文し、指定した場所で受け取る、4:店頭のDCSを利用して写真データをアップロードし、別の場所のDCSでプリントアウトする、5:家のパソコンを利用して写真データをアップロードし、店頭のDCSでプリントアウトする、といった方法を提案している。

プリント出力したもの
DCSでプリント出力したもの(左)と、利用控え(右)。DCSのプリント出力速度はL判サイズで1枚15~18秒程度。数枚のプリントなら問題ないが、例えば100枚プリントしたいとなると、あまりに時間がかかってしまう。そういった場合はインターネットプリント注文サービスを利用し、画面上でオーダーのみを行なう。オーダーが完了すると利用控えのみが印刷されるので、当日もしくは翌日以降に店頭へ利用控えを持っていくと、プリント出力された100枚を受け取れる

“撮即プリント”の事業展開にあたり同社は昨年よりマーケティングを実施、(株)ベスト電器と協力し、ベスト電器日吉東急店にDCSを設置してサービスのテストを行なったところ、2001年10月時点ではひと月の利用人数300人/利用金額15万円/プリント枚数2500枚だったのに対し、2002年5月現在は利用人数1000人/利用金額50万円/プリント枚数1万枚となっているという。

同社は、デジタルカメラの利用ユーザー層が、パソコンを使いこなすヘビーユーザーだけでなく初心者や女性ユーザーにも広がっており、パソコンを持っていないがデジタルカメラを購入し利用しているユーザーが増えていること、さらには撮影した写真データをデジタルカメラの液晶画面で楽しむだけでデータの出力方法をよくわかっていない人がいることを踏まえ、女性や中高年、シニアを対象に、デジタル写真データの活用方法として“撮即プリント”のサービス展開を進めるとしている。

“撮即プリント”の本格サービス開始は10月だが、ベスト電器の主要店舗においては8月に即日仕上げの先行サービスをスタートする予定という。また、専用ウェブサイトが明日30日にオープンする。サービス料金は、L判プリントが40円から。受け取り手数料は、DCS設置店での受け取りが無料、指定先やコンビニでの受け取りが300円から。

なお同社は、“撮即プリント”において、さまざまな企業とパートナー契約を結んでいる。現時点でのパートナー企業は、DCS設置および受け取り先としてベスト電器やラオックス(株)、コンビニ受け取り先として(株)デイリーヤマザキやミニストップ(株)、指定先への配送業者として佐川急便(株)や(株)ソクハイ、携帯電話サービスとして(株)サイバードなど。同社は今後もパートナー企業を募集するとしている。

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