当初発売予定となっていた初期型の「TC25AL」 |
3日の記事で“翌週発売”と紹介したコンポ型のベアボーンPC「TC25AL」だが、その後発売されることなく新モデルの展示が始まった。入荷した高速電脳によると、これは試作モデルであり、同店でテストしたのち製品化されるという。
では前回のは何だったのかということになるが、先に指摘しているとおり、残念ながらまだまだ再考の余地ありとう状態で、掟破りのPCIエクステンドケーブルにもシールドさえない状態。バックパネルもアルミが特定の形状にくりぬかれていたため対応マザーボードを探すのもひと苦労というわけで、急きょ発売中止となったとのこと。それで今回の試作モデル登場と相成ったわけだ。
前回と大きく違うのは、新たに専用のスタンドが付いている点だ。専用のスタンドに取り付けると見た目は往年の名器、シャープのホビーワークステーション「X68000」そっくり。ただしこの専用スタンドを使用するとPCIカードを利用するためのボックスがそのままでは使用不可能となり、マザーボード用ボックスと電源&ドライブ用ボックスの2ピース構成となる。
X68000を多分に意識したデザインとなる専用スタンドが新たに付いた。キャリング用の取っ手もついている |
作りは前回と基本的に同じだが、マザーボード用ボックスには改良が加えられ、FlexATX専用だったものがMicroATX対応と拡張。削り出しだったため、取り付けられるマザーボードが限定されていたバックパネルは今回で汎用のものを装着可能となったため製品の選択肢が広がった。さらに前回付属していなかった電源およびリセットスイッチが新たに付属している。また、3つのコンポーネントを同時に利用する際に必要となるPCI延長ケーブルも簡易的ながらシールド化されている。
シールドが巻かれたPCI延長ケーブル |
指2本で簡単にガワがズレてしまう。ドライブベイの蓋にも改良の余地あり |
実際にマザーボードを取り付けて動作試験をしたという高速電脳によると、かなり窮屈で一般のユーザーがマザーボードを取り付けるには相当苦労しそうだという。また当然ながら厚みがわずか53mmとなっているため、薄型のCPUクーラーが必須になる。
このほか気になる点を挙げてみると、それぞれのボックスを繋ぐための穴の仕上げがいまひとつ。電源コードも短いため、2つのボックスを専用スタンドに立てた状態で接続するには別途ATX延長ケーブルが必要になるほか、“ガワ”の固定もやや甘く、まだまだ細かな点は荒削りだと言わざるを得ない。
高速電脳ではASUSTeKのMicroATXマザーボード「P4B533-VM」を組み込んで展示開始予定だ |
しかし一方で、単なる“コンポケース”から“X68000風”になったことで、さらに前評判は高まりそうだ。完成度さえ高まってくれば、小型キューブ状ベアボーンPCなどと真っ向から勝負できる製品となる可能性もある。
なお、製品版のリリース時期は現在のところ未定となってしまったが、予価は前回と同じく4万円前後となっている。