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スカイパーフェクト、データ放送サービス“SKY PerfecTV! PLUS”を発表

2002年05月24日 23時37分更新

文● 編集部 田口敏之

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(株)スカイパーフェクト・コミュニケーションズは23日、データ放送サービス“SKY PerfecTV! PLUS(スカパー!プラス)”の提供を、6月に開始すると発表した。対応コンテンツとして、同社はサッカーのデータ放送コンテンツ“サッカー!プラス”を6月4日に開始する。また(財)競馬・農林水産情報衛星通信機構が、中央競馬に関するデータ放送コンテンツ“グリーンチャンネルデータステーション”を、6月15日に開始する。同コンテンツでは8月24日より、勝馬投票権への投票も可能になる。

サッカー!プラス
サッカー!プラスのメニュー

スカパー!プラスは、衛星から配信するデータと電話回線を利用した双方向サービス。SKY PerfecTV!(以下スカパー!)では、これまでにも競艇専門チャンネル“レジャーチャンネル”に付加する形で、“オッズプラス”というデータ放送サービスを提供してきたが、スカパー!プラスはその発展形になるという。他社のデータ放送サービスとの相違点は、あらかじめ受信機にソフトウェアを組み込まず、ブラウザーやソフトウェアをすべて衛星から配信すること。これによって、特定の言語や規格に依存しない、自由度の高いデータ放送用のコンテンツを作成できるとしている。

専用アダプター
発表会の会場に展示してあった専用アダプター。詳細な仕様や価格については未公表

データ放送の利用には、専用アダプターが必要となる。スカパー!のチューナーに接続して利用する専用アダプターは、6月中旬に製品化する予定。また8月には、チューナー一体型の受信機“スカパー!プラス対応CSデジタルチューナー”が製品化される。発表会では試作機の展示が行なわれただけで、価格や詳細な仕様については公表されなかった。なお“オッズプラス”の利用者は、オッズプラスの専用アダプター『オッズステーション』(2万7000円)をそのまま用いてスカパー!プラスを利用できる。

専用チューナー
スカパー!受信チューナーとデータ放送サービス専用アダプターが一体となった専用チューナー

“サッカー!プラス”が提供するサービスの内容は、サッカーくじ“toto”の情報や、toto予想のためのチームデータと対戦分析情報、およびJリーグや2002FIFAワールドカップの情報などとなっている。また中央競馬専門データ放送サービス“グリーンチャンネルデータステーション”では、勝馬投票券の新賭式として採用された“3連複”や“馬単”を含め、単複、枠連、馬連など、すべての馬番順オッズと人気番オッズを表示できる。そして8月24日には、データ放送の画面から直接、勝馬投票券の投票が行なえるようになる。なお、投票を行なうためには、日本中央競馬会(JRA)が提供している、電話から投票を行なえるサービス“A・PAT”の会員登録を行なう必要がある。

グリーンチャンネルデータステーション
中央競馬専門データ放送サービス“グリーンチャンネルデータステーション”の画面

加えて競艇専門データ放送サービス“オッズプラス”も、新たに“JLCオッズステーション”として、スカパー!プラス上でサービスの提供を行なう。内容は、競艇を開催する全会場のレースのオッズ、出走表や各選手の競争成績、およびレース結果の最新情報と払戻金の情報などとなっている。

執行役員常務の斎藤達郎氏
執行役員常務の斎藤達郎氏

スカイパーフェクトでは、今後も番組との連動を基本として、ショッピングや経済情報、気象情報、音楽情報などといったデータ放送サービスを提供していくという。同社執行役員常務の斎藤達郎氏は「スカパー!プラスの“プラス”は、スカパー!をさらに魅力的にしていくという意味。皆さまに使っていただけるインタラクティブなコンテンツを、次々に提供していく予定」と述べた。

なお同サービスは基本的に無料で、専用アダプターやチューナーさえあれば利用できる。斎藤氏は「当面は無料で提供する。コンテンツによって有料化する予定もある。また現在は電話線のみでデータ放送サービスを提供しているが、将来的には、光回線などのブロードバンド回線へと発展させていきたい」と語った。

また発表会では、同社の2001年度の決算概況と、2002年度の事業展開についての発表も行なわれた。それによると、スカパー!の2001年度の加入者状況は、個人契約件数の純増が39万1000件(前年比約53.4%減)で、累計個人契約件数が261万件。また業績は、連結の純利益が122億4800万円(前年比約51%減)、単体の純利益が120億1600万円(前年比約50%減)と、いずれも前年を割っている。

代表取締役社長の細田泰氏
代表取締役社長の細田泰氏

この状況に対して、同社代表取締役社長の細田泰氏は「2002年度第4四半期における黒字化を目標とし、2003年度を単年度黒字化のめどとする」としており、「当面は、現行の124/128チャンネルのスカパー!事業をコア事業として位置付ける。弊社は、2002FIFAワールドカップの全試合無料放送を行なうが、これに合わせる形でサービスへの新規加入者が急増している。1日平均約7000人のペースで、5月だけで新規加入者の数が10万人を突破した。会員の解約率も約8.6%ときわめて低いので、これを安定した収入源として、早期に黒字化を図る」という。

同社は、2002年度の個人契約件数の純増を56万人(前年比約43.2%増)、累計総登録件数を367万人と見込んでいる。また業績見込みを、連結の純利益は240億円(前年比約95%増)、単体の純利益は230億円(前年比約91%増)としている。

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