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スリーコム、企業のLANコア構築向け技術“XRN”と新製品を発表

2002年05月22日 23時06分更新

文● 編集部 田口敏之

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スリーコムジャパン(株)は22日、都内に報道関係者を集め、同社が開発した企業向けLANコア構築のための新技術“XRN(eXpandable Resilient Networking)”と、2台のスイッチを接続するためのキット『XRNインターコネクトキット』、およびXRNに対応したレイヤー3スイッチ『3Com Switch 4060』(以下Switch 4060)を発表した。

XRN
XRNによるLANコアの構築図

XRNとは、複数のボックス型Gigabit Ethernetスイッチを統合して、1台のレイヤー3スイッチとして動作させる技術。これにより、シャーシ型スイッチとほぼ同等の冗長性とポート数を提供できるという。またレイヤー3スイッチングの負荷を分散でき、1台のスイッチが故障しても、残りのスイッチで継続してスイッチングを行なうため、“VRRP”(※1)などのプロトコルを利用せずに、ルーティングの冗長化を行なえるとしている。さらに、統合した複数台のスイッチの設定と管理も、1台のスイッチとして行なうことができる。

※1 VRRP (Virtual Router Redundant Protocol):あるルーターがダウンした場合に、バックアップルーターが自動的に切り替わって機能を引き継ぐことを可能にするプロトコル。

スリーコムジャパンのビジネス・ネットワークス・カンパニーのネットワークコンサルタントである福山英一氏
ビジネス・ネットワークス・カンパニーのネットワークコンサルタントである福山英一氏

同社ビジネス・ネットワークス・カンパニーのネットワークコンサルタントである福山英一氏は「LANコアを構築するためには、シャーシ型スイッチを導入するなどいくつかの方法があるが、シャーシ型のスイッチは非常に高価で、中小企業は導入しにくい。XRNは、複数のスイッチを統合することによって、シャーシ型と同様の冗長性を備え、可用性に優れたLANコアを、安価に構築することができる」としている。

XRNインターコネクトキットは、このXRNを利用して、2台のスイッチを接続するためのキット。XRNソフトウェア、モジュール、ケーブルの3つで構成されている。対応するスイッチは、同社のエンタープライズ向けスイッチ『SuperStack 3 Switch 4900』シリーズと、今回発表したSwitch 4060。価格は159万9000円で、2002年第4四半期(10月ごろ)の発売を予定している。

3Com Switch 4060
『3Com Switch 4060』

Switch 4060は、10/100/1000BASE-TXポート×6、1000BASE-SXポート×12、GBICポート×6で、合計24ポートを備えるレイヤー3のGigabit Ethernetスイッチ製品。本体は、高さ2U(89mm)のラックマウントサイズ。マルチキャストや、フィルタリング機能のほか、VLAN間でのルーティングを行なう機能や、マルチレイヤーでのトラフィック分類と優先順位付けを行なう機能を備えており、ネットワーク全体のトラフィックを制御することができる。また、LANコアとしての利用を見込んだ、障害耐久性を高める機能として、二重化したホットスワップ対応のファンを備えるほか、ロードシェアリング/ホットスワップ対応の電源装置をオプションで提供する。価格は287万9000円で、6月の発売を予定している。

XRNの3つのフェーズ
XRNの3つのフェーズ

同社は、今回発表したXRNを“フェーズ1”として、今後3つのフェーズに分けて発表を行なうという。フェーズ1では、2台のGigabitスイッチを連結するが、2003年発表予定の“フェーズ2”では、4台のスイッチが連結可能になるという。

また発表会では、同社の10Gigabit Ethernetへの対応についての発表が行なわれた。同社では、今後10Gigabit Ethernetへ移行する必要のある企業が、コスト効率を考えながら、広帯域のネットワークを利用できるように、“pay-as-you-grow(ネットワークの成長に合わせた段階的な投資を可能にする)”というポリシーのもと、10Gigabit Ethernetに対応したレイヤー3スイッチと、既存製品を10Gigabit Ethernetに対応させるためのアップリンク・モジュールを開発しているという。製品の提供は2003年に開始する予定で、2004~2005年にかけてマーケットを立ち上げ、最終的には10Gigabit Ethernetスイッチング市場のマーケットリーダーを目指すとしている。

マルセル・ジェイコブス(Marcel Jacobs)氏
米スリーコム社のビジネス・ネットワークス・カンパニーアジアパシフィック統括バイスプレジデント、マルセル・ジェイコブス(Marcel Jacobs)氏

質疑応答では、日本市場からの撤退を考えなかったのかという質問に対して、米スリーコム社のビジネス・ネットワークス・カンパニーアジアパシフィック統括バイスプレジデントのマルセル・ジェイコブス(Marcel Jacobs)氏は「昨年は売り上げが下がってしまったが、日本市場からの撤退を考えたことはない。現在は一所懸命に日本市場に力を注ぐつもりで、最先端の技術と製品を提供する予定でいる」と答えた。

瀧柳和之氏
スリーコムジャパンのビジネス・ネットワークス・カンパニーカントリーマネージャーである瀧柳和之氏

また、スリーコムジャパンのビジネス・ネットワークス・カンパニーカントリーマネージャーである瀧柳和之氏は、同社の今後の展開について「既存の代理店3社を中心として、リセラーに対するサポートを強化していこうと考えている。また、ポストセールスメニューの強化や、プロフェッショナルサポートなど、顧客に対する、我々の強力なサポート体制を敷いていこうと考えている」と述べた。今回発表した製品による売り上げ見込みについて尋ねたところ「はっきりとした数字は答えられないが、10%増程度を見込んでいる」という答えが返ってきた。

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