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ニフティ、P2P型ビデオチャットサービスを開始

2002年05月21日 20時06分更新

文● 編集部 田口敏之

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ニフティ(株)と(株)プロハウス、カナダのEyball Networks社は21日、ニフティが運営するインターネット総合サービス“@Nifty(アット・ニフティ)”において、P2P(ピア・ツー・ピア)型(※1)のビデオチャットサービス“Eyeball パティオ Lite(アイボール・パティオ・ライト)”の提供を、同日付けで開始すると発表した。サービスは、@Nifty会員(およびCombo会員)向けに提供される。

※1 P2P型 :エンドユーザー同士が直接交信するネットワーク形態。

3社の代表取締役
左からプロハウス代表取締役社長の徳永隆也氏、Eyball Netowork代表取締役社長兼CEOのクリス・ピシェ(Chris Piche)氏、ニフティ代表取締役社長の渡辺武経氏

Eyeball パティオ Liteは、ウェブカメラとマイクを利用して、映像や音声によるコミュニケーションが行なえるサービス。ビデオチャットには、最大3名まで参加できる。クライアントソフトをインストールする必要はなく、ウェブブラウザーから利用できる。同サービスはEyball Networkの、プライベートIP間でP2P接続を可能にする技術“Any-Firewall Technology”と、回線状況に応じて画像と音声の最適化を行なう技術“Any-Bandwidth Technology”をベースに、ニフティとプロハウスが開発を行なったもの。

デモンストレーション
発表会で行なわれたデモンストレーション。右のウインドウが、ビデオチャットを行なうためのブラウザー。縮小表示も可能。一番上の人物が“アバター”を使用している。左上にあるのは、特定の相手とテキストメッセージを交換するためウインドウ

利用する際には、専用のID“パティオネーム”を取得する必要がある。パティオネームは、1つの@NiftyIDにつき3つまで取得できる。ビデオチャット以外の機能として、特定の相手にテキストメッセージやファイルを送信する機能や、参加者同士でメッセージを交換できるチャット機能などがある。また、ビデオチャットへの参加を断わる“お断わり機能”も備えている。ウェブカメラがない場合や、自分の映像を表示したくない場合は、あらかじめ用意されている約100種類のキャラクター画像“アバター”を利用してチャットを行なえる。専用のコミュニティーサイトなどは用意していないが、今後提供する可能性もあるという。

利用料金は、1つのパティオネームにつき月額500円。登録を行なった月の料金は無料となる(5月中に登録を行なうと、6月まで料金は無料)。なお、8月末までは、1パティオネームにつき月額300円の特別料金で利用できる。

対応OSは、Windows 98/98 SE/Me/2000/XP。動作環境として、DirectX 7.0以上と、Internet Explorer 5.0以上が必要。このほか、x86系の400MHz以上のCPUと、128MB以上のメモリー、1024×768ドット以上の表示が可能なディスプレーが必要。ユーザーのパソコンで利用が可能かどうか、ウェブブラウザーで確認できるサービスも用意している。フレームレートや、最低限必要な回線速度などは発表会の時点では明らかにしていない。ニフティはADSLやCATVなどのブロードバンド回線を推奨しているが、33.6kbps程度のダイヤルアップ接続でも利用できるという。

ニフティ企画統括部コミュニティ部長の鈴木孝充氏
ニフティ企画統括部コミュニティ部長の鈴木孝充氏

ニフティ企画統括部コミュニティ部長の鈴木孝充氏は「これまでのビデオチャットは、グローバルIPアドレスがないと利用できないなどの問題があったので、Eyeball Technologyの技術によって、ファイヤーウォール内部のプライベートIPでも相互に接続できるようにした。また、完全にP2P型なので、同時アクセスが1万人を超えてもサービスの提供が可能となっている」と述べている。

ビデオチャットの利用環境
ビデオチャット利用環境の広まりを示すグラフ

また同氏は、「2001年10月に比べ、2002年4月には、ウェブカメラの出荷台数が4倍に増加している。またパソコンメーカー各社は、夏モデルから、標準でウェブカメラが付属するモデルを投入するなど、ビデオチャットを利用する環境は整いつつある。ビデオチャットについてのアンケートを行なってみたところ、全体の44.6%が、『カメラが無料なら利用したい』と答えた。これに応じて、ニフティは、抽選で500台のウェブカメラとヘッドセットマイクをモニタープレゼントするキャンペーンを行なう。利用環境の普及によって利用ユーザー数を増やし、これまでにない新しいインターネットの価値を創造したい。また、これまでにないコミュニケーションの可能性を広げていきたい」と語った。

ニフティでは、早期(少なくとも3ヵ月以内)に1万人以上の利用を見込んでいる。最終的には、@Nifty会員全員による利用を目指すという。今後の展開としては、ビジネスユースを目的とした、多人数でのビデオチャットが可能なサービス“Eyeball パティオ Pro”の提供を予定している。

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