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インテル、USB 2.0対応の新チップセット3製品を発表──グラフィックス機能内蔵製品も

2002年05月21日 13時13分更新

文● 編集部 佐々木千之

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インテル(株)は21日、USB 2.0に対応した新チップセット『Intel 845E』『Intel 845G』『Intel 845GL』を発表した。845E/GはFSB400/533MHzに対応、845G/GLはグラフィックスアクセラレーターを内蔵する。1000個ロット時の価格は845E/G/GLの順に5470円、6140円、4410円。

Intel 845を533MHz/USB 2.0対応にした845E

インテルは7日に、FSBを533MHzに高速化したPentium 4を発表したが、同時に発表したチップセット『Intel 850E』はその名の通り『Intel 850』をFSB 533MHzに対応させたもので、メモリーインターフェースはRDRAMを採用している。これに対して今回発表したIntel 845Eは、1月に発表したDDR SDRAM(200/266MHz)対応チップセット『Intel 845』をFSB 533MHzに対応させ、さらにICH(I/O Controller Hub)をUSB 2.0をサポートする“ICH4”に変更したチップセットだ。USB 2.0はインテルのチップセットとして初めて内蔵する。従来のUSB 1.1が転送速度12Mbpsなのに対して、USB 2.0は40倍の480Mbpsに高速化し、DVDプレーヤーや8倍速以上のCD-R/RWレコーダーなどのストレージに余裕を持って対応できる。

『Pentium 4』と『Intel 845E』
『Pentium 4』と『Intel 845E』

Intel 845EのMCH(Memory Controller Hub)は『82845E』(593ピンFCBGAパッケージ)で、FSBは400MHzと533MHzに対応、AGP 4X、メモリーはDDR200/266をサポートし、最大メモリー容量は2GBとなっている。ICHは『82801DB』(421ピンμBGAパッケージ)で、10/100BASE-TX LAN、UltraATA/100×2、6チャンネルオーディオ、PCIスロット×6、USB 2.0×6をサポートする。

Intel 845Eのブロックダイヤグラム
Intel 845Eのブロックダイヤグラム

Intel 845Eはグラフィックスアクセラレーターが外づけであることから、高性能の外付けグラフィックスアクセラレーターカードや、USB 2.0などの新機能を要求するコンシューマー向けのハイパフォーマンスPC用チップセットと位置づけている。

新グラフィックスコアを内蔵した845G/GL

Intel 845G/GLはIntel 845E相当のMCHに、“インテル エクストリーム・グラフィックス”と呼ぶ新開発のグラフィックスコア(後述)を統合した“GMCH(Graphics and Memory Controller Hub)”とICH4を組み合わせたチップセット。

『Pentium 4』と『Intel 845G』
『Pentium 4』と『Intel 845G』

Intel 845GのGMCHは『82845G』(760ピンFCBGAパッケージ)で、FSBは400MHzと533MHzに対応、メモリーはDDR200/266およびPC133 SDRAMをサポートし、最大メモリー容量は2GBとなっている。AGP 4Xポートもサポートする。グラフィックスコア以外では、Intel 845EのMCHがDDRメモリーのみをサポートするのに対して、PC133 SDRAMもサポートする点が異なる。ICHは82801DBで、Intel 845Eと同じ10/100BASE-TX LAN、UltraATA/100×2、6チャンネルオーディオ、PCIスロット×6、USB 2.0×6をサポートする。

Intel 845Gのブロックダイヤグラム
Intel 845Gのブロックダイヤグラム

また、Intel 845GLのGMCHは『82845GL』(760ピンFCBGAパッケージ)で、FSBは400MHzのみに対応、メモリーはDDR200/266およびPC133 SDRAMをサポートし、最大メモリー容量は2GBとなっている。外部AGPはサポートしていない。ICHは82801DBで、10/100BASE-TX LAN、UltraATA/100×2、6チャンネルオーディオ、PCIスロット×6、USB 2.0×6をサポートする。

Intel 845Gはグラフィックスコアを内蔵したほかFSB 533MHz、USB 2.0にも対応し、さらに必要ならば外部グラフィックスカードも利用できることから、コンシューマーおよび企業向けのボリュームゾーンである、メインストリームPC用チップセットという位置づけ。Intel 845GLは内蔵グラフィックのみで外部グラフィックスカードはサポートしないほか、FSB 400MHzだけの対応。プロセッサーはFSB 400MHzのPentium 4およびCeleronの1.7GHz以上が対象となるため、バリューデスクトップPC用のチップセットとして位置づけている。このため、Intel 845GLはグラフィックスコアを内蔵しながら、Intel 845Eよりも低い価格となっている。

インテル エクストリーム・グラフィックス

インテル エクストリーム・グラフィックスは、ノートパソコン向けグラフィックス内蔵チップセット『Intel 830M』のグラフィックスコアをベースとして開発したもので、グラフィックスコアの動作周波数は200MHz、内部データパスは256bit、RAMDACの動作周波数は350MHz。

3Dグラフィックスのレンダリング時には、フレームバッファー全体を一度にレンダリングするのではなく、グラフィックスエンジンが、矩形の“Zone”に分割し、そのZoneごとにレンダリング処理を行なってグラフィックスメモリーにデータを書き込むという、インテル独自の“Zoneレンダリング技術”を採用している。Zoneごとに処理するために、描画の際にグラフィックスが占有するメモリーバンド幅を削減する効果があるとしている。

グラフィックスメモリーはメインメモリーの一部を利用する形だが、グラフィックスに使用するメモリー領域を起動時に固定するのではなく、アプリケーションの要求に応じて、最大48MBまで動的に割り当てる“ダイナミックビデオメモリ技術(DVMT)”を備える。インテルはIntel 845G/GLのグラフィックスドライバーソフトのバージョン11.2を6月に提供する予定だが、この11.2では利用可能メモリー容量が最大64MBに拡大する予定。

このほかエクストリーム・グラフィックスでは、DirectX 8.xの一部機能のハードウェアサポート、OpenGL 1.3のフル機能サポートなど、3Dグラフィックスへの対応が強化されている。

また、インテルはIntel 845E/G/GLの発表に合わせて、新チップセットを搭載したATX仕様のマザーボード『D845GBV』『D845EBG2』、マイクロATX仕様のマザーボード『D845GRG』『D845EPT2』の4機種を発表している。

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