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【BorCon 2002 Vol.1】ボーランドの開発者向けイベントが開幕──『Delphi for .NET』をデモ

2002年05月20日 20時07分更新

文● 編集部 佐々木千之

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米カリフォルニア州アナハイムの“Anaheim Comvention Center”において19日(現地時間)、米ボーランドソフトウェア社の主催による、ボーランドの開発ツールを使ってソフトウェアを開発しているソフトウェア技術者けのイベント“13th Annual Borland Conference(以下BorCon)”が開幕した。会期は22日まで

Borland Conferenceが開かれる“Anaheim Convention Center”
Borland Conferenceが開かれる“Anaheim Convention Center”。2000年にできたばかりの新しいコンベンションセンターだ
デベロッパーリレーションズ担当副社長のデビッド・インターシモン氏は“007”のビデオとともに登場
デベロッパーリレーションズ担当副社長のデビッド・インターシモン氏は“007”のビデオとともに登場。開発者向けのお祭りという感じだ

19日の夕方に行なわれたオープニングキーノートには、米ボーランド会長兼CEOのデール・フラー(Dale Fuller)氏とデベロッパーリレーションズ担当副社長のデビッド・インターシモン(David Intersimone)氏が登場。会場を埋めたおよそ1600人のソフトウェア技術者を前に、今回のBorConで発表する『Borland JBuilder 7』や『Borland Optimizeit Suite 4.2』、『Borland Delphi for .NET』などの機能の一部を紹介した。

左から会長兼CEOのデール・フラー氏、デビッド・インターシモン氏、ボーランドのJava関連技術者でよくイベントに出演するブレークストーン氏
左から会長兼CEOのデール・フラー氏、デビッド・インターシモン氏、ボーランドのJava関連技術者でよくイベントに出演するブレークストーン氏

より多機能に、便利になるJBuilder 7

最初に紹介したのは、米ボーランドがほとんど独占的なシェアを持つ、Java言語のビジュアル開発環境の新バージョン『Borland JBuilder 7』。Javaプログラムの開発において、既存のJavaコードを再利用しやすいようにクラスや変数名を変えたり長すぎるルーチンを修正する作業をリファクタリングと呼ぶが、名前などで単純ミスが発生しやすい。JBuilder 7では“UML(Unified Modeling Language)ビュー”機能によって、リファクタリングをトライ&エラーの作業なしに“オンザフライ”で行なえるというデモを披露し、ソフトウェア技術者の喝采を浴びていた。

JBuilderのなかから、Optimizeitを呼び出して、プロファイリングしているところ
JBuilderのなかから、Optimizeitを呼び出して、プロファイリングしているところ

JBuilder 7ではこのほか、ソフトウェアの最適化ツールである『Borland Optimizeit Suite 4.2』との連携強化を図り、JBuilder 7のツールバーから直接Optimizeitを呼び出し、すぐにプロファイリングなどで解析し、プログラムの最適化作業を迅速に行なえるという。また、現在開発中という『Web Service for Java』を使って作成したマルチユーザーウェブサービスの例として、ウェブアクセス機能とJava機能を持ったフィンランドのノキア社のスマートフォン『Nokia 9200』で、ウェブサーバーを介したマルチユーザーゲームのデモを行なった。

Nokia 9200上で動作している、マルチユーザーゲーム
Nokia 9200上で動作している、マルチユーザーゲーム。ウェブサーバーはMac OS X。9200が使用しているSymbian OS向けのJava開発ツールも提供する予定という
シャープ(株)の海外向け『Zaurus』(Linux版)を使った、Javaベースのデーターベース『JDataStone』のデモも行なわれた
シャープ(株)の海外向け『Zaurus』(Linux版)を使った、Javaベースのデーターベース『JDataStone』のデモも行なわれた

1度書いたプログラムが.NETプラットフォームならどこでも動く

オープニングキーノートではいくつかの製品デモが行なわれたが、JBuilder 7同様に力が入っていたのは、これも開発中の『Delphi for .NET』。

Delphi for .NETのデモ。まずDelphiでプログラムを作成する
Delphi for .NETのデモ。まずDelphiでプログラムを作成する
Windows XPで動いたプログラムが、そのまま同じようにPocket PCでも動作Windows XPで動いたプログラムが、そのまま同じようにPocket PCでも動作

このデモでは、Windows XP上でDelphi for .NETを使ってプログラムを作成し、実際に動作することを確認。次にその同じプログラムをPocket PC(電話機能を持ったPocket PC)に転送し、そのまま同じように動作することを見せた。さらにそのプログラムをTablet PC(OSはWindows XP Tablet PC Edition)で動かして見せ、.NETプラットフォーム向けの統合開発環境で、ボーランドがマイクロソフトと協力して開発を進めていることをアピールした。

さらにTablet PCでも動いた
さらにTablet PCでも動いた。

明日20日からは200以上の技術セッションがいくつものトラックに分けて始まる。また、キーノートではマイクロソフトの著名プログラマー、アンダース・ヘルスバーグ(Anders Hejlsberg)氏が“Delivering .NET”と題して、ボーランドの開発者にとっての.NETの意義をスピーチする予定。21日には米サン・マイクロシステムズ社副社長兼Fellowのジェームス・ゴスリング(James Gosling)氏、22日には米インテル社のチーフ e-ストラテジストのクリス・トーマス(Chris Thomas)氏が登場予定となっている。

フラー氏が抱えているのは、強力な圧搾空気でTシャツを打ち出す“Tシャツキャノン砲”フラー氏が抱えているのは、強力な圧搾空気でTシャツを打ち出す“Tシャツキャノン砲”。背中にはボンベを背負っている。これで発射されたTシャツは“シュボーン”という音とともに数十mはゆうに飛ぶ
“Made in Borland”ロゴ入り。このTシャツキャノン砲は先ごめ式で、発射ごとに控えていた2人のアシスタントが次弾を装填していた
“Made in Borland”ロゴ入り。このTシャツキャノン砲は先ごめ式で、発射ごとに控えていた2人のアシスタントが次弾を装填していた
オープニングキーノートの模様
オープニングキーノートの模様

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