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マイクロソフト、“「ブロードバンドスクール」コンソーシアム”を設立――岡山市の公立小学校で実証授業を開始

2002年05月20日 17時39分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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マイクロソフト(株)は20日、公立学校におけるコンピューター利用および高速ネットワーク利用の促進を支援することを目的とした“「ブロードバンドスクール」コンソーシアム”を設立したと発表した。

MS阿多社長
マイクロソフトの阿多親市社長

同コンソーシアムは、日本政府が推進する“e-Japan2002”構想における重点政策5分野のうちのひとつ“教育および学習の振興ならびに人材の育成”をサポートする目的で設立された組織。

「ブロードバンドスクール」とは、光ファイバーやADSL等の高速ネットワークに常時接続し、コンピューターを普通教室で“道具”として利用することが可能な学校のことを指す。ブロードバンドスクールでは、持ち運びが容易なノートパソコンを利用し、校内のあらゆる場所から無線LAN機器を利用して校内LANやインターネットにアクセス可能。また教員用のコンピューターも整備されるという。

このようなブロードバンドスクールを実現するため、今回、同コンソーシアムを設立、民間レベルで自治体や学校を支援していくという。参加企業数は18社。代表者はマイクロソフト取締役の眞柄泰利氏。

コンソーシアム参加企業は、今後ブロードバンドスクール実現を目指す自治体や学校に対し、ノートパソコンの提供や無線LAN設備の導入支援、セキュリティー対策の実施、職員の教育などを行なうという。

なお、岡山県岡山市立西小学校、同芳明小学校において、ブロードバンドスクールの実証授業を開始する。岡山市は従来より地域の情報化に取り組んでおり、市内の学校の93%が光ファイバーやADSL等の高速ネットワークで接続されているという。西小学校、芳明小学校とも光ファイバーがすでに導入されている。

コンソーシアムでは、今回の実証授業用に、両校の6年生向けにノートパソコン40台を用意、6学年のすべての教室に無線LAN端末を設置した。さらに職員室にもノートパソコン10台とサーバーを設置、光ファイバーを利用した無線LANによるブロードバンド環境を実現したという。また、10台のノートパソコンを収納できる可動式ノートパソコン用収納カートも用意されており、教室間でのコンピューターの移動が容易となっている。なお、ネットワーク回線費用等は岡山市が負担している。

実証授業では、1児童に1台のノートパソコンを与え、国語や社会などの一般教科においてコンピューターを利用していく。また、教員向けのパソコン研修会や、コンソーシアムメンバーによる授業見学なども実施するという。さらに実証校との月例ミーティングも設け、授業の進捗状況の確認や、一般教科におけるコンピューター利用指導案に提案などを行なうとしている。また、コンソーシアムでは、これら実証授業の成果を事例として他府県の学校に紹介していくという。

本日都内で行なわれた発表会で、マイクロソフト代表取締役社長の阿多親市氏は、「マイクロソフトとしてe-Japan構想の役に立ちたい。今回設立したコンソーシアムは、教育の情報化および人材育成の強化を側面から支援するもの。今後学校における情報教育のリテラシーが重要となるだろう」と語った。

また、発表会場と岡山市役所市長室をインターネットで中継し、岡山市長の萩原誠司氏が市長室から挨拶を行なった。萩原市長は、「教育現場においては、子供が常時1台のパソコンを利用できる環境が望ましい。各学校にはパソコン教室が整備されているが、実際には稼働率が少ない教室のひとつ。パソコン教室より、図書室などにパソコンを配置して子供たちがいつでもパソコンを利用できるようにすることが当面の目標。今後は、パソコンを利用した教育方法や、各校に何台パソコンがあればいいかというような量的な把握などを考えていきたい」としている。

岡山市の萩原市長
岡山市の萩原誠司市長
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米マイクロソフト社のビル・ゲイツ会長もビデオでコメント

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