4月にQuadro4 750XGLカード「GLoria4 750XGL」を投入したELSAから、上位モデル「GLoria4 900XGL」が登場した。GLoria4は、NvidiaのOpenGLアクセラレータ“Quadro4”を搭載するELSAのハイエンドビデオカードシリーズ。Quadro4 750XGLはGeForce4 Ti4400をベースにしているのに対し、今回はGeForce4 Ti4600をベースしたモデルとなっている。コアクロックが300MHzで128MB搭載するVRAMの動作クロックが330MHz(DDR660MHz)となっている点はGeForce4 Ti4600と同じ。
Quadro4 900XGLロゴ |
「GLoria4 950XGL」。GLoria 750XGLとよく似ており、同一設計と思われる |
インターフェイスはDVI-I×2で、GLoria4 750XGL同様、3Dグラス用の「VESA 3-pin Stereo Shutter」も用意。完全に液晶ディスプレイをターゲットにした製品であることがわかるが、一方でアナログ変換アダプタも2個同梱する。
対応APIはOpenGL1.3、DirectX8.1。対応OSはWindows NT4.0/2000/XPで、Windows XPにいたっては64bit版もサポートする。
価格はT-ZONE.PC DIY SHOPとBLESS 秋葉原本店で19万8000円、TWOTOP 秋葉原本店とUSER'S SIDE本店では23万8000円となっている。エルザジャパンでは当初23万8000円とアナウンスしていたが、発売直前に価格改定を行っており、おそらく近いうちに各店20万円程度で落ち着くものと思われる。
「Wildcat 6110」 |
一方、先日Creativeに買収された3DlabsからもOpenGLアクセラレータ「Wildcat 6110」が登場した。3Dlabsの最新OpenGLアクセラレータは単品販売されないことが多いが、今回も入荷したUSER'S SIDE本店では同店のショップブランドPCに組み込んだ状態でのみ販売可能としており、単体での価格は提示されていない。Wildcat 5110の後継という点から判断すると、推定20万~25万円程度だろう。
Wildcat 6110は、テクスチャ用に128MB、フレームバッファ用に64MBのDDR SDRAMを搭載。さらに“DirectBust”と呼ばれるもののために16MB、合計208MBものメモリが搭載されているのが特徴だ。前作の「Wildcat 5110」との主な違いは以下のとおり。
Wildcat 5110 | Wildcat 6110 | |
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3D Gourad-shaded triangles(Z-buffered) | 15.2Mトライアングル/秒 | 33.0Mトライアングル/秒 |
Trilinear fill rate | 332Mピクセル/秒 | 400Mピクセル/秒 |
3D Vectors, solid-color, 10-pixel | 24.2Mベクタ/秒 | 66.1ベクタ/秒 |
「Wildcat 6110」 |
インターフェイスはGLoria4 950XGLとまったく同じく、DVI-I×2、3Dステレオメガネ用×1。対応APIは、OpenGL1.3のほかDirectX7で、DirectX8が現在のところサポートされていない点がGLoria4 950XGLとの最大の違いだ。
ちなみにWildcatには、さらに上位機種である「Wildcat 6210」もラインナップされており、こちらの登場時期も近いと見られている。
大きなヒートシンクが2箇所に装備され冷却用ファン×2が基板に対して垂直に取り付けられている。このためスロットを2つ消費する |
GLoria4 900XGL、Wildcat 6110とも新しい世代になったことで大幅にパフォーマンスが向上しており、どちらがより優れているとは言い難い。OpenGLアクセラレータはアプリケーションごとに用意される設定の良し悪しに大きく左右されるため、選択する際にはアプリケーションの動作実績のある方を選択することになるだろう。
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