このページの本文へ

大日本印刷と日本通信教育連盟、ハイビジョン映像コンテンツ“シルクロード”を共同制作

2002年05月08日 21時52分更新

文● 編集部 田口敏之

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

大日本印刷(株)と、“生涯学習のU-CAN(ユーキャン)”などの通信教育事業を行なっている(株)日本通信教育連盟は8日、共同でハイビジョン映像コンテンツ“シルクロード”を制作したと発表した。2社はこのコンテンツを、VHSビデオソフト『シルクロード』全8巻として、15日に販売を開始する。価格は3万8000円。また6月16日にBSハイビジョン放送(BS日テレ)で放送を予定している、日中国交正常化30周年を記念した特別番組に、同コンテンツを提供するとしている。2社は今後、DVDビデオやBSテレビ放送、ブロードバンドコンテンツなど、多種多様なメディアにこの映像コンテンツを供給していくという。

VHSビデオ『シルクロード』全8巻、価格は3万8000円
VHSビデオ『シルクロード』全8巻、価格は3万8000円

映像コンテンツ“シルクロード”とは、中国の西安からインドのブッダガヤまで、シルクロードの遺跡、自然、文物、街、人などを、1年半(2000年~2001年末まで)かけて、約130時間におよぶハイビジョン映像のロケ撮影を行なったもの。監督・監修は、(社)日本放送協会(NHK)でTV番組“シルクロード”を制作した、北京広播学院教授の鈴木肇氏が担当している。遺跡や仏像などを撮影する際には、ほかのメディアや教材に転用できるように、必ず正面からの全体像をじっくり撮影するなど、1つの映像素材の多角的利用“ワンソース・マルチユース”が可能な撮影方法を採用し、歴史的遺産のアーカイブとしての利用も重視したという。なお同作品は、両社が共同制作したハイビジョン撮影による映像コンテンツ作品としては、“仏像の祈り”に続いて2作目となる。

中国・敦煌の莫高窟96窟
『シルクロード』より、中国・敦煌の“莫高窟(ばっこうくつ)96窟”

制作統括を担当した、大日本印刷C&I事業部の田村泰彦氏は、この企画について「当然ご存じだとは思うが、シルクロードは東西の文化交流の道として、世界の発展のバックボーンをなす動脈となった。これは、人種とか国境、文化などの壁を乗り越えて、お互いに交流を進めることこそ、人類に豊かさをもたらすということを示していると思う。我々はすでに21世紀を歩み始めているが、この歩みの中に光明を投げかける映像のメッセージとして、この企画を制作した」と述べた。

大日本印刷C&I事業部の田村泰彦氏
大日本印刷C&I事業部の田村泰彦氏「非常に楽しめる映像作品になっている。ぜひ一度ご覧いただきたい」

また、撮影の行程について、同氏は「西安から出発して、河西回廊を西へ登った。そこからタリム盆地の北辺を通って、タクラマカン砂漠を南北に縦断。ホータンからカシュガルに至る道を取材して、西安からパキスタンの国境まで、約4000kmの行程を“中国編”として6巻までのビデオにまとめた」と述べ、「さらにインドとパキスタンの国境を越えてガンダーラを取材し、インドに入った。仏陀生誕の地であるブッタガヤのほか、サンルート、仏陀入滅の地までを取材して、一応そこまでをまとめ上げたのが全8巻のビデオ。今世紀初めて、ハイビジョンでシルクロードを撮影したと自負している」と語った。

夕陽とラクダ
『シルクロード』より、“夕陽とラクダ”

続けて同氏は、映像の見所について「中国政府の特別な配慮により、人民解放軍の軍用ヘリコプターによる、蘭州からトルファンまでの空撮を敢行した。これは本邦初の試み」と述べ、「ハイビジョンで、非常に奥行きの深い映像を撮れたと思っている。ロケ地は、視聴者も行けるような場所を中心に選んでおり、非常に楽しめる映像作品になっている。ぜひ一度ご覧いただきたい」とした。

日本通信教育連盟の出版事業部長である伊藤滋氏
日本通信教育連盟の出版事業部長である伊藤滋氏「シルクロードは日本人にとって大変なあこがれであるということがわかった」

日本通信教育連盟の出版事業部長である伊藤滋氏は、企画の発端について「我々はダイレクトマーケティングで通信教育や書籍、ビデオなどの販売を行なっており、顧客への詳細なリサーチを行なえる。その中で、日本人はシルクロードに対して大変に憧れを抱いているということがわかり、書籍の印刷などで縁のあった大日本印刷さまと共同制作を行なうことになった」と述べた。VHSビデオの販売については「ダイレクトマーケティングなので、当面はダイレクトメールによる、顧客へのVHSビデオの販売を中心に行なう。ハイビジョンの映像を生かすために、DVDビデオの販売も考えてはいるが、我々のお客さまにはご年配の方が多いので、最初はVHSビデオで提供する」と語った。

VHSビデオ『シルクロード』では、ナレーターを元NHKアナウンサーの加賀美幸子氏、音楽を、天平楽府音楽監督で作曲家・管楽器奏者の劉宏軍(りゅう・ほんじゅん)氏が務めている。販売は、日本通信教育連盟の通信教育の受講者など、同社の顧客を対象に行なわれる。販売目標について、伊東氏は「本年度中に、最低1万セットは出したい」と述べている。

なお2社は、ブロードバンドコンテンツでの“シルクロード”の提供に関しては未定としている。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン