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デジタルカメラ撮影の“基本のキ” 構図を考えて撮ろう

デジタルカメラ撮影の“基本のキ” 構図を考えて撮ろう

2002年05月03日 06時06分更新

文● 周防 克弥

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画面の真ん中に被写体を置く

作例1 ポートレートの撮影。画面のど真ん中に被写体を入れた状態。あまりにも普通の構成だ。別に何処が悪いというわけではないが普通すぎる写真だ。写真の世界では俗にヒノマル構図と呼ばれ、芸のない構図とされている。
 顔を正面に向けてドアップにすると中央に顔が配置されてしまいがちだが、ちょっと横に向ければ立体感のある写真になる。また、左右どちらでもいいが顔の向いている方にちょっとでも空間があると画面に広がりを感じられるようになる。逆に顔の向いている方と反対側に空間があると狭い感じがしてしまう。この時に背景に入ってくる物が被写体にとって邪魔にならないように心がけよう。被写体にだけ気がいってしまい、背景がおろそかになってはいけない。輪郭におかしな感じでラインが入ってしまうのが良くありがちだ。例えば、背景に水平方向に線があったら絶対に首の位置に持っていってはいけない。
 また、顔の中を横切るのも御法度だ。首よりも下にラインがくるようにしよう。同様に、背景にある木や電柱が頭から生えているように見えるのもよくない。

 ポートレートならば絞りをなるべく開けるように設定し、背景をぼかすように心がける。前回のレンズ(広角と望遠の使い分け)のときに説明したが、焦点距離はなるべく長めのほうが背景がぼけやすく、写り込んでくる範囲が狭いので有利だ。また一番望遠側にしなくても背景とのバランスを考えて焦点距離を選ぼう。被写体が人物ならば自分の位置と、被写体の位置を動かしながらぼかしたときにうるさくならないようなバックを探すのも重要だ。



作例2 ポートレート撮影。人物を右側に少し移動させた。顔が向いている方向と逆に空間があるとなんとなく落ち着きがない。背景に意味があればそれでも良いかもしれないが基本的には顔の向いている方向と逆の空間を広くするのは芳しくない。作例3 ポートレート撮影。顔の向いている方向に空間があったほうが画面が落着く。ポートレイトの撮影ではセンターに被写体を置くよりも顔の向いている方向に少し空間を開けた方が奥行き感が出て良い。

世はなべて1/3

 夕日や朝日といった水平線が入る場面の撮影なら空側と地面側のどっちを見せたいのかで上下の配置が変わってくる。空や雲を見せたいなら上2/3くらいから極端な時には1/4くらいまで空を入れてしまう。また地面を象徴的に見せたいならその逆だ。このときに太陽が画面の中に入るなら真ん中に入れるのはよそう。やはり左右の2/3あたりを目安に太陽を配置する。高い建物などがある場合には太陽と建物のバランスも考えよう。真中から等距離の位置に2つの目立つ物があると画面が落ち着かないのでその中間を三等分し、左右のどちらかの位置を画面の真ん中に入れると不思議と落着いた画面配置になる。

作例4 花を撮るときの構図。全ての場合においてセンター(ヒノマル構図)がダメなわでなく、左右方向のセンターに置いても構図が決まる場合もある。ただし、花の場合は太陽の方向に向く習性があるので上を少し多めにすると良い。作例5 風景の構図。左上側2/3の位置にアクセントになる木を入れて夕焼けの空を写してみる。空を撮る場合にはなにかしらアクセントになる物を入れると効果的だ。

 もちろんこれらの構図の取りかたに関しては、必ずしもこうしなくてはいけないというわけではなく、被写体によって色々と変わってしまう場合が多い。黄金分割もあくまで参考程度に憶えておくようにして、自分なりの構図の決め方を憶えていこう。デジタルカメラならば撮影した直後にプレビューを見ることができるので、撮影しては確認するのを繰り返しながらいろいろな構図を試してみれば落着く絵柄が分かってくる。撮影した数だけでは写真は上手くはならない。考えながら撮影すればそれだけ上達は早いので、何度でも考えて撮影しよう。

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