(株)ブロードティーヴィは24日、(株)ウェブコールシステム、(株)エフワンインタラクティブコンテンツの2社と共同で発表会を開催し、同日付でブロードバンド放送局“BROAD.TV(ブロードTV)”を開設すると発表した。併せてBROAD.TVの支局事業を、全都道府県で展開すると発表した。
BROAD.TV |
BROAD.TVは、ブロードバンド回線を利用してエンターテインメントコンテンツを提供するポータルサイト。提供するコンテンツは、音楽や映画のストリーミング配信やオンデマンド配信、ネットワークゲームのほか、ブロードティーヴィが開発したインターネットTV電話システム“ぶろっTEL”を利用するコンテンツなど。利用には会員登録が必要。登録は、BROAD.TVのウェブサイト、あるいは郵送で行なう。基本料金は月額500円で、利用するコンテンツに応じて課金する。決済方法は、クレジットカード(VISA、MasterCard、JCB、UCカード)か、銀行振り込みによるプリペイドカード(3000円)の購入から選択できる。開局時点で用意しているコンテンツカテゴリーは、以下の9つ。
コンテンツの1つ“スポーツチャンネル”のメニュー |
“ぶろっTEL”のTV電話画面 |
- ゲームチャンネル
- ネットワーク対戦型のゲームなどを配信する。開局の時点では、シミュレーションゲーム『Venture Tycoon』と、ロールプレイングゲーム『FANTASY WORLD』の2本を用意する。
- ムービーチャンネル
- 映画やVシネマなどを配信する。自主制作系のショートムービーも用意する。
- ビジネスチャンネル
- 有名企業や、勢いのある企業などの社長に対するインタビューを動画で配信する。開局時点では“神戸特集”と題して、神戸の企業を中心に紹介している。今後、ウェブ上で利用できるグループウェアなども配信する予定。
- ビューティーチャンネル
- “美・食・住・ファッション”を中心にした女性向けのコンテンツを配信する。eコマースが可能なショッピングモールコンテンツも用意しており、“ぶろっTEL”を利用して、紹介している店と直接コンタクトを取ることもできるという。また、モデルの山口小夜子氏のオリジナルコンテンツや、結婚式を自らプロデュースできるコンテンツ“WEDDING MODE TV”なども用意している。
- ミュージックチャンネル
- トップアーティスト系とインディーズ系に分けて、音楽や映像を配信する。開局の時点では、ミュージシャンの宇崎竜童氏の特集を配信。
- スポーツチャンネル
- スポーツに関するコンテンツを配信する。開局の時点では、格闘技団体“修斗”の特集を配信し、修斗所属の格闘家、佐藤ルミナ氏のデビュー戦など、ドキュメンタリー的な映像を配信する。
- 占いチャンネル
- (株)タイトーとのアライアンスによる占いの総合コンテンツを提供する。“占ナビ”というコンテンツでは“ぶろっTEL”を利用して、占い師にテレビ電話経由で占ってもらうこともできる。また、占い師になりたい人向けのeラーニングコンテンツも用意している。
- コミュニティーチャンネル
- TV電話会議システム“Net Friends”を利用して、最大10人が参加できるTV電話によるチャット機能を提供する。必要なクライアントソフトは、Internet Explorerのプラグインとしてダウンロードする。ホワイトボードの共有や、文字によるチャットも可能。TV電話システム“ぶろっTEL”も利用できる。
- エンターテインメントチャンネル
- (株)毎日新聞社がコンテンツを提供する。TVニュースでは放映されない記者会見や制作発表などの映像を配信する。
カテゴリー以外にも、特集として以下のようなコンテンツを配信する。
“e-learning”のメニュー |
- キャスターTV
- BROAD.TV各局の女性キャスターの、プロモーションビデオなどを配信する。“ぶろっTEL”を利用して、キャスターとマンツーマンで会話できるサービスや、キャスターのファンクラブなども結成する予定。
- e-learning
- “ぶろっTEL”を利用し、世界各地にいる現地の講師とマンツーマンで語学の学習が行なえるサービス。開局時点で、ハングル語、英語、ドイツ語、中国語、スペイン語、イタリア語、フランス語の7ヵ国語を用意している。1レッスンは40分。料金は8回で4万円。このほか、入会金6000円とテキスト代金1000円が別途必要。
- 神戸style
- BROAD.TVのキャスターが選んだ、神戸のグルメ、ファッション、ライフスタイルなどのスポットについて紹介するコンテンツを配信する。
また、ブロードティーヴィは、同社の本社所在地である神戸を本局として、BROAD.TVの支局を、全国50ヵ所に展開するという。これによって、地方でしか得られない有用な情報を、コンテンツとして配信するとしている。開局予定地は、各都道府県の県庁所在地。東京と大阪には複数の支局を開局するという。現時点で、京都支局が6月11日に、東京・渋谷支局が7月に開設を予定している。
BROAD.TVを主催する3社は、エフワンインタラクティブコンテンツを窓口として、支局を運営する企業を募集している。支局運営企業は、チャンネル提供企業の確保と広告営業を担当し、ウェブコンテンツの制作はエフワンインタラクティブコンテンツが行なう。また、コンテンツ配信エンジンの供給とサーバーの管理はブロードティーヴィが行ない、企画運営とコールセンターサポートをウェブコールシステムが担当する。
ブロードティーヴィ代表取締役社長の東海林亨氏 |
ブロードティーヴィ代表取締役社長の東海林亨氏は、このBROAD.TV事業について「2001年からブロードバンドが登場し、少ない時間で多量の情報を流せるようになった。これで動画を配信できると、現在多くのストリーミングサイトなどが開設されているが、大手が大資本で作ったものは、地上波のTVと同じようなものにしかならない。われわれは、Internet Explorerの世界は、地方のコアなネタこそが大きな意味をなしてくるものと思っている。これを前提にして、地方のローカルなネタを密に集め、いろいろな形で提供する」と述べ、「2002年は、ブロードバンド人口が一挙にふくらむものと見ている。早い段階からBROAD.TV事業を仕掛けて、地方局の展開に大きく乗り出していきたい」と語った。