アクセンチュア(株)は22日、都内に報道関係者を集め、日本におけるSI(システム設計、開発、構築)能力の増強を行なうと発表した。具体的には、2003年8月末までに、システムエンジニア(SE)およびプログラマー約100名を新規採用する。また、同社の国内の拠点である“勝どきソリューションセンター”を“勝どきソリューション・デリバリーセンター”と改称し、同社のグローバルネットワークの一環として位置づける。
同社ソリューション・エンジニアグループ パートナーの安間裕氏 |
同社ソリューション・エンジニアグループ パートナーの安間裕氏のコメントによれば、「今回の発表の目的は2つある。SIとしての認知度を高めることと、価格競争力をつけることだ」という。同氏は、SIについては「弊社は、コンサルタントとしての認知度は高いが、SIer(エスアイヤー)としての認知度は低い。改革を語るだけではなく、顧客に対して責任を持って価値を最後まで提供するのが、われわれの標榜する存在意義。戦略コンサルタントとしてだけではなく、SIerとしての認知度を高めていきたい」と述べており、価格競争力については「昨今は特に、価格の決定要素が重要視されてきており、価格競争力を高めていくべきだと考えている」と述べている。
採用計画を表わすグラフ |
そのために同社は、2003年の8月末までに、100名のシステム・エンジニアおよびプログラマーを採用する。採用者はシステム開発部分に特化し、勝どきソリューション・デリバリーセンターにおいて、システムの設計や、開発、デモンストレーションおよびシステム構築などに従事するという。また、システム設計や構築を主に行なう“ソリューションエンジニアグループ”、アウトソーシングの実施や管理を主に行なう“ソリューション・オペレーションズグループ”といったITコンサルタントを含め、2003年には、約1000名がSIおよびアウトソーシングを提供できる体制を作るとしている。なお新規採用社は、中途採用が70%、新卒採用が30%の割合で行なうという。
同社が提供するトータルソリューション |
同社ソリューション・エンジニアリンググループ統括パートナーのデビッド・T・ハイザー(David T.Heiser)氏 |
また、米アクセンチュア社が全世界40ヵ所以上に展開している各ソリューション・デリバリーセンターと、勝どきソリューション・デリバリーセンターをネットワークで有機的に接続し、連携させる。これにより、世界中にある同センターのいろいろな方法論やツールなどの実績を再利用でき、コストを低減できる。また、日本語に直接関係しない開発部分を、海外のセンターに外注することで、さらに開発コストを低減できるとしている。同社では、最低でも30%のコストの削減を行なえると見込んでいる。同社ソリューション・エンジニアリンググループ統括パートナーのデビッド・T・ハイザー(David T.Heiser)氏によれば「これは弊社の“Strategic Delivery Model”(戦略的システム構築・運用モデル)の完成を目指すことを意味している」という。
同社代表取締役社長の森正勝氏 |
同社代表取締役社長の森正勝氏は「弊社は経営のコンサルティングというイメージが固定しているが、SI的な仕事もやっている。我々は、革新を実現へと導いていく。ただアイデアを出すだけでなく、それを実現して、顧客の企業価値を高めていく。会社を変えるには、新しい事業をクリエイトすることによって価値を創造していくことが大切であり、われわれはその価値に預かる。顧客に一層の価値を創造していただくため、一層、体制を強化していく」と語った。