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PCG-U1

PCG-U1

2002年04月23日 00時00分更新

文● アスキーPC Explorer編集部・山崎 敦

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Windows XPマシンである
優位性を備える

 コンパクトなボディとモバイルグリップ・スタイルの採用で、モバイルPCに必須の携帯性の高さと良好な操作性を両立しているPCG-U1だが、携帯性という点ではハンドヘルドPCにまだかなわない。しかし、OSにWindows XP Home Editionを採用しているという点で、Windows CEベースのOSや独自OSを採用するデバイスにはないアドバンテージを持っている。例えば、インターネットへのアクセスを考えると、豊富な機能を持ち多くのユーザーに使われている標準的なWebブラウザである「Internet Explorer 6」やメールソフトの「Outlook Express 6」といったアプリケーションが利用できるので、インターネット上のサービスを利用する際にソフトが対応していないといった問題が発生する心配はない。

 そのほかにも、DV動画編集ソフト「DVgate Ver.2.5」「MovieShaker Ver.3.3」、音楽ファイル管理/再生ソフト「SonicStage Ver.1.1 for VAIO」、地図閲覧およびルート検索ソフト「Navin' You Ver.5.5」などのアプリケーションがプリインストールされており、さまざまな楽しみ方を提供してくれる。必要があれば、ワープロや表計算といったビジネス寄りのソフトや、ハガキ作成や家計簿などのホームユースに活用できるソフト、あるいはゲームソフトといった具合に、幅広いジャンルに豊富に揃ったWindows用アプリケーションを自由に追加して利用することができるのも、Windows XP Home Editionをプラットフォームに採用しているおかげだ。携帯性が損なわれているとはいえ、PC用のアプリケーションがそのまま利用できるのは、ほかのOSを搭載するモバイル端末にはない大きな利点だ。

写真6 VAIOノートのルールに従い、ボディ天面の「VAIO」のロゴは向かい合った相手から普通に読める向きにエンボス加工される。金属ボディ好きには嬉しいことに、天面と底面の2面はマグネシウム合金を採用している。写真7 底面は、ほぼ後ろ半分がバッテリによって占領されている。バッテリの2カ所の盛り上がりは、モバイルグリップ・スタイルで利用する際にちょうど指が引っかかるので持ちやすい。
記事掲載当初、写真6のキャプションに誤記載がありました。正しくは現在掲載しているとおりです。読者様ならびに関係者様にご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます。(ASCII24/アスキーPC Explorer編集部)

 本体の基本スペックは、CPUにCrusoe TM5800-867MHzを搭載し、メインメモリはオンボードに128MB、1基のSO-DIMMソケットに128MBモジュールの合計256MBを標準で実装する。ただしメインメモリのうち16MBはCMSで利用されており、実際にユーザーが利用できるのは240MBと、Windows XPを利用するにはやや少なめだ。実際に使ってみた印象は、Crusoeであるためアプリケーションの初回起動に時間がかかるという点を考慮しても、サクサクと快適に動作するというよりは、やや待たされる感じが強かった。メインメモリは、SO-DIMMソケットのモジュールを256MBに交換して、最大搭載量の384MBまで拡張しておいたほうが快適だろう。HDDは容量20GBの東芝製1.8インチタイプを採用している。

写真8、9、10、11 本体背面にEthernet、i.LINKドライブ専用コネクタ、USB×2、ディスプレイアダプタ用コネクタ、右側面にMagicGate対応メモリースティックスロット、左側面にマイク、ヘッドフォン、PCカードスロット(TypeII×1)の各インターフェイスを備える。
 ビデオチップは8MBのビデオメモリを内蔵するATIの「MOBILITY RADEON-M」を搭載し、6.4インチのTFT液晶は1024×768ドット/フルカラー表示が可能だ。このサイズの液晶パネルに対してXGAの解像度は非常に表示が精細で、普段は自分で設定した読みやすいフォントサイズで使っていても、Webブラウズ中などに文字が小さく表示されて読み取れないWebページなどに出くわすこともある。そういう場合は液晶パネルの右脇に用意されている「ZOOM IN」ボタンを押すことで、ワンタッチで画面解像度を800×600ドットに変更し、大きく全画面表示を行うことが可能だ。もう一度ボタンを押せば、元の1024×768ドット表示に簡単に戻すことができる。



写真12 本体が小さいためにバッテリパックはかなり大きく見える。サイズは175.5(W)×61.9(D)×15.0(H)mm、重量は186g。バッテリ駆動時間はカタログスペックで約2.5~4時間。
 このほか特徴的なのは、モバイルPCでありながら標準で装備するのは10BASE-T/100BASE-TX対応の有線のEthernet機能のみで、モデムすら内蔵しておらず、ワイヤレスネットワーク機能などは一切搭載していない点だ。これは本体のコンパクト化を優先したことと、通信規格の変化が早いためにどれかを選択して内蔵するのではなく、通信手段はユーザーに選択してもらうため、とのことだ。実際、DDIポケットの128kbps対応AirH"カード「AH-G10」をはじめ、IEEE802.11bに準拠したソニーの無線LANアダプタ「PCWA-C150S」、オムロンのグローバルモデム「ME5614CG2」など、PCカードスロットに搭載できる通信用デバイスを推奨環境として公表しているので、ユーザーは自分のニーズに合わせて自由に選べばいいわけだ。

 これまでのノートPCの枠にとらわれない新しいジャンルのPCとして登場したPCG-U1の実売価格は15万円程度と予想される。モバイルデバイスとしては高価な製品だが、既存のミニノートやハンドヘルドPCに満足できない真のモバイルユーザーなら、無視できない存在だろう。


PCG-U1の主なスペック
製品名 PCG-U1
CPU Crusoe TM5800-867MHz
メモリ 256MB
液晶 6.4インチTFT
解像度 1024×768ドット/フルカラー
HDD 20GB
光メディアドライブ オプション
通信 LAN
サイズ 184.5(W)×139(D)×30.6~46.1(H)mm
重量 約820g
OS Windows XP Home Edition
Officeアプリ

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