Windows XPマシンである
優位性を備える
コンパクトなボディとモバイルグリップ・スタイルの採用で、モバイルPCに必須の携帯性の高さと良好な操作性を両立しているPCG-U1だが、携帯性という点ではハンドヘルドPCにまだかなわない。しかし、OSにWindows XP Home Editionを採用しているという点で、Windows CEベースのOSや独自OSを採用するデバイスにはないアドバンテージを持っている。例えば、インターネットへのアクセスを考えると、豊富な機能を持ち多くのユーザーに使われている標準的なWebブラウザである「Internet Explorer 6」やメールソフトの「Outlook Express 6」といったアプリケーションが利用できるので、インターネット上のサービスを利用する際にソフトが対応していないといった問題が発生する心配はない。
そのほかにも、DV動画編集ソフト「DVgate Ver.2.5」「MovieShaker Ver.3.3」、音楽ファイル管理/再生ソフト「SonicStage Ver.1.1 for VAIO」、地図閲覧およびルート検索ソフト「Navin' You Ver.5.5」などのアプリケーションがプリインストールされており、さまざまな楽しみ方を提供してくれる。必要があれば、ワープロや表計算といったビジネス寄りのソフトや、ハガキ作成や家計簿などのホームユースに活用できるソフト、あるいはゲームソフトといった具合に、幅広いジャンルに豊富に揃ったWindows用アプリケーションを自由に追加して利用することができるのも、Windows XP Home Editionをプラットフォームに採用しているおかげだ。携帯性が損なわれているとはいえ、PC用のアプリケーションがそのまま利用できるのは、ほかのOSを搭載するモバイル端末にはない大きな利点だ。
写真6 VAIOノートのルールに従い、ボディ天面の「VAIO」のロゴは向かい合った相手から普通に読める向きにエンボス加工される。金属ボディ好きには嬉しいことに、天面と底面の2面はマグネシウム合金を採用している。 | 写真7 底面は、ほぼ後ろ半分がバッテリによって占領されている。バッテリの2カ所の盛り上がりは、モバイルグリップ・スタイルで利用する際にちょうど指が引っかかるので持ちやすい。 |
本体の基本スペックは、CPUにCrusoe TM5800-867MHzを搭載し、メインメモリはオンボードに128MB、1基のSO-DIMMソケットに128MBモジュールの合計256MBを標準で実装する。ただしメインメモリのうち16MBはCMSで利用されており、実際にユーザーが利用できるのは240MBと、Windows XPを利用するにはやや少なめだ。実際に使ってみた印象は、Crusoeであるためアプリケーションの初回起動に時間がかかるという点を考慮しても、サクサクと快適に動作するというよりは、やや待たされる感じが強かった。メインメモリは、SO-DIMMソケットのモジュールを256MBに交換して、最大搭載量の384MBまで拡張しておいたほうが快適だろう。HDDは容量20GBの東芝製1.8インチタイプを採用している。
写真8、9、10、11 本体背面にEthernet、i.LINKドライブ専用コネクタ、USB×2、ディスプレイアダプタ用コネクタ、右側面にMagicGate対応メモリースティックスロット、左側面にマイク、ヘッドフォン、PCカードスロット(TypeII×1)の各インターフェイスを備える。 |
写真12 本体が小さいためにバッテリパックはかなり大きく見える。サイズは175.5(W)×61.9(D)×15.0(H)mm、重量は186g。バッテリ駆動時間はカタログスペックで約2.5~4時間。 |
これまでのノートPCの枠にとらわれない新しいジャンルのPCとして登場したPCG-U1の実売価格は15万円程度と予想される。モバイルデバイスとしては高価な製品だが、既存のミニノートやハンドヘルドPCに満足できない真のモバイルユーザーなら、無視できない存在だろう。
PCG-U1の主なスペック | |
製品名 | PCG-U1 |
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CPU | Crusoe TM5800-867MHz |
メモリ | 256MB |
液晶 | 6.4インチTFT |
解像度 | 1024×768ドット/フルカラー |
HDD | 20GB |
光メディアドライブ | オプション |
通信 | LAN |
サイズ | 184.5(W)×139(D)×30.6~46.1(H)mm |
重量 | 約820g |
OS | Windows XP Home Edition |
Officeアプリ | - |