実際に利用してみると、サイズや重量の違いはP5と比べてわずかなので小型軽量という印象は少ないものの、スリムなボディはポケットやポーチに入れやすく、フロントパネルの右側にある縦長の突起によりグリップ感も良くなった。撮影画像に関しては、同社らしい記憶色を強調した鮮やかな色あいだ。P5ではノイズ平坦化により人工的な印象を受ける画質となっていたが、P9ではクリアルミナンスNRの効果でか、のっぺりとした感じが少なくなっている。
撮影サンプル1。マクロモードで撮影。プログラムAE、F2.8、1/125秒(Exifデータ値)。1704×2272ドットの元画像を640×480ドットにリサイズした画像(左)とトリミングした画像(右)。マクロはP5と同様に10cmまで近接できる。曇天下での撮影だがそうは見えないほどに鮮やかな色あいとなった。 |
撮影サンプル2。プログラムAE、F5.6、1/800秒(Exifデータ値)。1704×2272ドットの元画像を640×480ドットにリサイズした画像(左)とトリミングした画像(右)。シャープでメリハリの効いた画質だが、暗部に若干のノイズが見受けられる。 |
撮影サンプル3。プログラムAE、F5.6、1/60秒(Exifデータ値)。1704×2272ドットの元画像を640×480ドットにリサイズした画像(左)とトリミングした画像(右)。逆光下での暗部もそれなりに描写されているが、遠景の描写が極端に低下した。 |
撮影サンプル4。夜景モードで撮影。プログラムAE、F2.8、1/2秒(Exifデータ値)。2272×1704ドットの元画像を640×480ドットにリサイズした。スローシャッターノイズリダクション搭載のおかげでドットをちりばめたような熱ノイズが写り込むことはないが、さすがにノイジーな画質となる。 |
不満を挙げるとすれば、400万画素機にもかかわらずマニュアル露出のないフルオート機であることだろう。オリンパス「CAMEDIA C-40ZOOM」やミノルタ「DiMAGE F100」、キヤノン「PowerShot S40」、ペンタックス「オプティオ430」といった機種はいずれもシャッター速度や絞りを個々に設定できる。Cyber-shotシリーズはマニュアル撮影機能付きの「Sシリーズ」とコンパクトフルオート機のPシリーズという住み分けがなされているが、400万画素クラスとなればやはり凝った撮影もしたくなる。7万円台半ばという実売価格は同クラスのほかの機種に比べても若干高めだが、クイックなレスポンスやコンパクトボディはそのままに高級感の演出と高画素化、高画質化が図られ、コンパクトデジタルカメラとしては高い完成度を持っている。
Cyber-shot DSC-P9の主なスペック | |
製品名 | Cyber-shot DSC-P9 |
---|---|
撮像素子 | 1/1.8インチ有効400万(総410万)画素CCD |
レンズ | 光学3倍、f=8~24mm(35mmフィルムカメラ換算39~117mm)、F2.8~5.6 |
記録媒体 | メモリースティック(16MB付属) |
記録画素数 | 2272×1704/2272×1520(3:2)/1600×1200/1280×960/640×480ドット |
液晶モニタ | 1.5インチTFT液晶 |
インターフェイス | USB、AV出力、DC入力 |
電源 | インフォリチウムバッテリー「NP-FC10」×1 |
本体サイズ | 114(W)×35.8(D)×51.5(H)mm |
重量 | 205.5g(装備重量) |