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“鍾乳洞方式”で表面積を稼いだ60mm角ヒートシンク「Snow Crust」がデビュー!

2002年04月16日 21時54分更新

文● 小磯

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Snow Crust

 “鍾乳洞方式”とでも言うべきユニークな手法により、60mm角のヒートシンクとしては他社製品に比べて2~2.5倍の表面積を稼いだというヒートシンクが登場。土曜日から販売が始まる予定だ。「Down Burst」シリーズで知られる、パーツショップのCUSTOMを運営するデジフォースの新製品で、名前は「Snow Crust」。Down Burstと同じく「雪殻」(積雪の表層が固くなる現象のこと)を意味する気象用語から名前が与えられており、「外側がヒートシンクで固く、内側には空気の流れる空洞があることから付けた名」(同社)という。



側面
2層構造になっているヒートシンク。無数のピンが交互に並んでいるため、向こう側が見えない。なお側面はヘアライン加工済み

 Snow Crustは、あたかも2種類のヒートシンクを合体させたかのような2層構造になっているのが特徴で、高さ50mmのヒートシンクには無数のピン、そして特定の空気の流れを起こすためのフィンが設けられている。主にSocket A用となっている同製品にはちょうどAthlonのコアに当たる部分に銅柱が埋め込まれており、その銅柱を伝わった熱は、2層構造となっているヒートシンクのピンへと放射状に広がる。そして、フィンによって“うねり”を与えられ、強められたファンの風がその熱を効果的に排出するのだという。その性能についてデジフォースによれば「回転数5000rpmのファンをつけた状態で、KANIEの銅製ヒートシンク『Hedgehog』に同じファンを付けた状態とほぼ同じ冷却能力」とのこと。



真上から ピンとフィン
ピンとピンの間にフィンがあり、また4箇所空いた孔はファンの風を下層のヒートシンクへと運ぶ。フィンはヒートシンク「Twister」も想起させる上層の拡大写真。もし風の流れに不満があれば、ピンをユーザー自身の手で折って取り除くこともできるという埋め込まれた銅柱。4隅にはネジも見えるが「完全に固定されているので、ネジを外してもヒートシンクの分解はできない」(デジフォース)
上層部 下層部
取り付け金具

 さらに、取り付け金具もユニーク。アルミとバネからなる取り付け金具はドライバーによってネジを締めることでZIFソケットに取り付ける仕様だが、2種類のバネによって余分な力が入らないようになっているため、CPUのコアをやZIFソケットのツメを破損するようなことはないという。万が一負荷を掛けすぎた場合には、取り付け金具の方が先に壊れるようになっているとのこと。つまり、壊れない程度にキツく締めれば正解というわけだ。同社では、万が一取り付け金具が壊れてしまった場合には金具のみを700円程度で販売する予定もあるとしている。



予価\6,980

 これまでにない形状であるため、果たして同社の言うとおりの冷却能力があるかどうか、実際の性能に関しては試してみるほかない。しかし、銅柱を埋め込むことで放射状に熱を広げ、広い表面積を使って冷却するというのは理にかなっており、ある程度のオーバークロックに耐えられそうな60mm角の小型ヒートシンクとして注目を集めそう。予価は6980円で、当初はCUSTOMのみでの販売となる。歩留まりの問題から、最終的に販売価格が上がってしまう可能性もある点は注意してほしい。また、カタチからも想像できることだが、量産は不可能であるため、初回はごく少量になる点にも注意が必要。どうしても欲しい人は早めに問い合わせた方がいいかもしれない。



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