東京・有明の東京ビッグサイトにおいて10~12日の3日間、HDDと各種記録メディアの製造技術に関する展示会“DISKCON JAPAN”と光ディスク制作技術に関する展示会“Optical Disc Production(ODP)”が開催されている。
DISKCON JAPANは、磁気ディスク装置や関連部品、製造・検査装置、材料などの専門展示会で、今年で10回目の開催となる。ディスクドライブ装置関連企業の業界団体である“国際ディスクドライブ協会(IDEMA)”が主催しており、日本のほか米国とシンガポールでも毎年開催している。ODPはDVDやCD-ROMなど光ディスクの制作・製造に関する専門展示会で、DISKCON JAPANに併催の形で行なわれており(主催:ODP実行委員会)、今回で3回目。
(株)メディア研究所が出品した、ドイツのHeino Ilsemann社のDVD/CDケース向けのラッピング装置。紙の背を付けながら高速にフィルムをラッピングする |
アルテック(株)が出品した、ドイツのAeco社の光/光磁気ディスクの光学・機械特性検査装置『ARGUS』。DVD-RAM、DVD-RW、DVD+RW、MOなどに対応する |
昨年は2つのイベントを合わせて134社/団体が出展し、約1万6000人の来場者を集めたが、今回は出展数が90社/団体と大きく減っっている。これについて、両イベントのオーガナイザーとして運営にあたっているメサゴ・メッセフランクフルト(株)によれば「ODPへの出展は減っていないが、DISKCONへの出展が減った。IT不況の影響はもちろんあるが、それだけではなく、ディスクドライブの生産が中国など日本国外に移りつつあることが背景にある」という。
パソコンでも家電でも使えるリムーバブルHDD規格“iVDR”のコンソーシアムブース。日立製作所や三洋電機(株)、ミツミ電機(株)などが試作品を展示していた |
(株)東芝の2.5インチ&1.8インチHDD。左上の『MK6021GAS』は9日に発表したばかりの製品 |
(株)日立製作所が出品していた、60GBの容量を持つ2.5インチHDD『DK23EA-60』 |
そうしたこともあってか、展示会場では磁気ディスク関連の装置よりもDVD/CD関連の装置が目立つように感じられた。コンシューマー向け磁気ディスク関連では、(株)東芝が9日に発表した60GBの2.5インチHDDや、3月にコンソーシアムが結成したばかりのリムーバブルHDD規格“iVDR”が展示されていた。一方、光ディスク関連では現行のCD-ROM/DVD関連装置が大半で、“Blu-ray Disc”や“DVR-Blue”などの次世代高密度記録型光ディスクに向けた装置の展示は一部にとどまっていた。
(株)シバソクの光ディスク検査装置“DVDマルチステーション”。DVR-BlueやBlu-ray Discの自動検査も可能としている |
レーザーテック(株)の、波長410nmの青色レーザーを光源として使用するレーザー顕微鏡。光学顕微鏡として最高レベルの0.14μmの解像度という |
(株)豊島製作所が展示していた、次世代不揮発メモリー“MRAM”の記憶素子向け材料 |
パルステック工業(株)が参考出品していた記録型DVD開発用の高速記録実験装置。現在メーカー各社では4倍速まではめどが付いているのだという |
日本電子応用(株)とプラットフォーム・オブ・ジャパン社が出品したHDD廃棄用装置“データ・キラー”。HDDに対して強力な電界パルスを加えることで、ディスクプラッター上のデータはもちろん、HDD内の電子回路も破壊する |