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キャッシュフロージャパン、ファイアーウォールをカバーする統合型アプライアンス『CacheFlow セキュリティゲートウェイ』を発売

2002年04月11日 23時12分更新

文● 編集部 田口敏之

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米キャッシュフロー社の日本法人であるキャッシュフロージャパン(株)は11日、ウェブセキュリティーの一元管理と、ネットワークの高速化を可能にするという、企業向けの統合型ウェブセキュリティーアプライアンス『CacheFlow セキュリティゲートウェイ』を、日本市場に投入すると発表した。出荷は5月に開始する予定で、価格は最小構成で100万円から。

キャッシュフロージャパン代表取締役社長の石山勉氏キャッシュフロージャパン代表取締役社長の石山勉氏

説明会では、まずキャッシュフロージャパン代表取締役社長の石山勉氏が挨拶を行なった。同氏は、「今回発表する製品は、世界各国のユーザーからの要望によって生まれた。インターネットにアクセスする際に安全なコンテンツにアクセスしたい、従業員がいつ、どういうアクセスを行なったか監視したい。これらの声に基づく多くの新機能と、従来の機能を併せ持ち、セキュリティーの課題を解決することができる。この製品をより多くのお客様に使っていただくことで、快適で安全なインターネットアクセスを提供する」と述べた。

米キャッシュフロー代表取締役社長のブライアン・ネスミス(Brian NeSmith)氏
米キャッシュフロー代表取締役社長のブライアン・ネスミス(Brian NeSmith)氏

続いて、米キャッシュフロー代表取締役社長のブライアン・ネスミス(Brian NeSmith)氏が、同製品の背景について説明した。同氏は「企業において、インターネットセキュリティーというと、まず最初にファイアーウォールを導入する。しかしファイアーウォールは、HTTPなどのウェブプロトコルに対してはオープンであることから、“Code Red”などといった、悪意あるプログラムの脅威は残ったままとなる。この問題に対して多くの企業は、コンテンツのフィルタリングを行なったり、アクセス制御やユーザー認証、ウイルススキャンや帯域管理を行なうなどして対策を講じたが、これらをすべてバラバラに導入すると、コストがかかるだけでなく、管理運用が難しくなる。また、パフォーマンスの低下も招く。さらに言えば、セキュリティー体制を構築しても、新たな脅威は払拭できない。これは時限爆弾を抱えているようなものだ」

ファイアーウォールと同製品によって、安全なインターネットへのアクセスを提供する
ファイアーウォールと同製品によって、安全なインターネットへのアクセスを提供する

「弊社の製品であるCacheFlow セキュリティゲートウェイは、レイヤー1~3を監視するファイアーウォールでは対応できない、レイヤー4~7をカバーするもの。ファイアーウォールと同時に用いることにより、安全なインターネットへのアクセスや、ユーザーアクセスのコントロール、ウェブへの高速なアクセスなどを提供する。非常に多くの機能を搭載しているが、今回は、これを信号機に例えて割り振って説明する。赤をプロテクト、黄をコントロール、そして青をアクセラレーターとしてみた」と語った。

機能は大きく3つに分けられ、それを信号に例えると、赤がプロテクト、黄がコントロール、青がアクセラレーターになる
機能は大きく3つに分けられ、それを信号に例えると、赤がプロテクト、黄がコントロール、青がアクセラレーターになる

同氏の説明によれば、赤のプロテクトとしての特徴的な機能は、認証管理やウイルススキャン、コンテンツセキュリティーの3つ。認証管理は従来から搭載していたが、NTLM(※1)やRADIUS、LDAPといった、複数の形式を同時に認証できるようになった。これにより、会社内の部門ごとに認証キーが異なる場合にも対応できるという。またコンテンツセキュリティーでは、コンテンツ内の悪意があると思われるコードを排除することによって企業データなどを保護するほか、特定のユーザーやグループからの電子メールのブロックも行なえる。そしてウイルススキャンは、複数のウイルススキャンサーバーに処理の負荷を分散できるほか、JavaやVisual Basicで記述されたプログラムだけを検知することにより、効率的なスキャンを行なえる。一度スキャンしたファイルは、キャッシュに保存されるので、逐一スキャンを行なう必要がない。また、(株)シマンテックとトレンドマイクロ(株)とのパートナーシップにより、両社のウイルススキャンソフトとの統合も行なえる。

※1 NTLM (NT LanMan)Windows NTファミリーで共通して使用されるユーザ認証方式

黄のコントロールとしての機能は、従業員のウェブ利用率の監視やそのレポーティング、コンテンツフィルタリングや帯域制御などがある。コンテンツフィルタリングでは、ストリーミングなど、コンテンツのタイプ別のブロックも可能。また帯域制御では、帯域消費量の制限を設けることができる。これにより、業務上必要ないと思われるウェブサイトへのアクセスをブロックできる。

そして青のアクセラレーターとしての機能は、1回行なったアクセス許可の確認の結果や、1回のウイルススキャンの結果を、多くのユーザーで共有するセキュリティーアクセラレーション。これにより、ファイアーウォールのスループットを向上させることもできるという。同氏は「一般的な他社の製品と比較して、ファイアーウォールのスループットが10倍になる」としている。

CacheFlow セキュリティーゲートウェイ 600/6000 Series
CacheFlow セキュリティーゲートウェイ 600/6000 Series

同社が今回、これらの機能を搭載するアプライアンスとして発表するのは、1Uラックマウントサイズの『600 Series』、あるいは4Uラックマウントサイズの『6000 Series』に、セキュリティーポリシーをGUIで管理できるソフト『CacheFlow Visual Policy Manager』と、ノードを接続する装置『cIQ Director 2.0』、ウェブ使用率のレポートが行なえるレポーティングソフト『CacheFlow Reporter』を組み合わせた製品群。小規模から大規模まで、すべての企業に対応できるようになっているという。

CacheFlow セキュリティーゲートウェイの製品群
CacheFlow セキュリティーゲートウェイの製品群

今後の販売展開と目標について、石山氏は「従来通り、7社の販売代理店経由で販売を行なっていく。また今後は、よりセキュリティーの分野に特化した代理店を開拓していきたい」と語った。またネスミス氏は「米国では1月の発表以来、約70社に売り上げている。実際に導入した企業において、新機能をじっくりと実証していきたい。売り上げは、2005年までに10億ドル(約1320億円)を見込んでいる。日本での売り上げは、そのうちの25~30%としたい」と述べた。

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